バイキングスがFAのDTアレン、Gフライズ、DTハーグレイブを獲得し、ラインの補強へ
2025年03月12日(水) 10:34
ミネソタ・バイキングスがフリーエージェント(FA)の初期段階でラインの補強を進めている。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが契約に詳しい人物の話をもとに報じたところによると、現地11日(火)にベテランディフェンシブタックル(DT)ジョナサン・アレンを獲得したバイキングスは、ガード(G)ウィル・フライズとの長期契約に合意した上に、DTジャボン・ハーグレイブとの契約も締結間近だという。
NFLネットワークのイアン・ラポポートは情報筋の話をもとに、フライズは5年8,800万ドル(約130億1,533万円)の契約を結ぶと報じた。この契約により、フライズはNFLのライトガードとして6番目に高い年平均額(1,760万ドル/約26億0,307万円)を受け取ることになる。
2021年ドラフトでインディアナポリス・コルツから7巡目指名を受けたフライズは、この3年間で頑健なブロッカーに成長し、優れた先発選手となった。26歳のフライズは2024年に脚を骨折し、5試合の出場にとどまったものの、負傷前は見事なパフォーマンスを発揮。5週間で見せたプレーが素晴らしかったことから各チームはそのケガを見過ごし、フライズはトップクラスのインテリアオフェンシブラインマンとしてフリーエージェントとなった。
月曜日に同じく元コルツ選手のセンター(C)ライアン・ケリーと契約したバイキングスは、今回の補強と相まって、オフェンシブラインの内側を一新することができている。昨季はライトガードとしてプレーしていたエド・イングラムがシーズンの大半で精彩を欠き、不安定な状況に置かれていたこともあり、今回の補強はバイキングスにとって切実に必要なものだった。
オフェンシブタックル(OT)のクリスチャン・ダリソーが膝のケガから復帰し、ブライアン・オニールが右サイドで引き続き安定したプレーを見せれば、バイキングスのオフェンシブラインは大幅に改善されるだろう。クオーターバック(QB)サム・ダーノルドは昨季終盤に臨んだデトロイト・ライオンズ戦とロサンゼルス・ラムズ戦で相手からのプレッシャーに苦しめられた。J.J.マッカーシーを起用しても、他のクオーターバックを起用しても、バイキングスはオフシーズンの補強によってそれらの問題を軽減できるだろう。
新たな戦力が加わるのはオフェンシブラインだけではない。
バイキングスはワシントン・コマンダースで長年活躍していたアレンと最大で6,000万ドル(約88億7,409万円)に達する3年5,100万ドル(約75億4,298万円)の契約に合意した。
また、突破力のあるハーグレイブの加入も、守備コーディネーター(DC)ブライアン・フローレス率いるディフェンスにとって大きな助けになるだろう。サンフランシスコ・49ersは水曜日に新リーグイヤーが始まる前にベテラン選手を放出することを計画しており、ハーグレイブはそのタイミングでバイキングスと契約する見込みだ。契約内容についてはまだ報じられていない。
49ersと高額契約を結ぶ前、ハーグレイブはフィラデルフィア・イーグルスとピッツバーグ・スティーラーズで力強くプレーし、相手の攻撃を突破する破壊者として活躍していた。2024年シーズンに三頭筋を断裂し、3試合の出場にとどまった結果、49ersはハーグレイブの契約を再構築している。
ハーグレイブは健康であれば、アレンの隣で突破力を発揮するだろう。バイキングスは深刻なケガからの回復を目指す30歳以上の選手を2人獲得することになるため、これは一種のギャンブルだと言えるが、その見返りは大きい。フローレスDCにはエッジラッシャーとしてアウトサイドラインバッカー(OLB)のジョナサン・グリーナードやアンドリュー・バン・ギンケル、ラインバッカー(LB)ダラス・ターナーもいる。そこに相手QBにプレッシャーをかけられる2人のベテランDTが加われば、バイキングスのフロントは全員が健康を保てた場合に非常に強力なユニットになるだろう。
オフシーズンを迎えるにあたり、バイキングスに関する話題はダーノルドの将来と、マッカーシーの競争相手としてベテランQBを加える方法にまつわるものばかりだった。
しかし、ジェネラルマネジャー(GM)クウェシ・アドフォ・メンサは戦力強化に集中している。
イーグルスのスーパーボウル制覇は、ロンバルディトロフィーを手にするチームが依然としてラインの力によって左右されることを再確認させるものだった。バイキングスは確実に、攻守両面のラインを強化している。
【RA】