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スティーラーズのオフシーズンの動きについて「俺たちは切迫した状況にある」とDEヘイワード

2025年03月24日(月) 11:09


ピッツバーグ・スティーラーズのキャメロン・ヘイワード【AP Photo/Matt Freed】

ピッツバーグ・スティーラーズはこの5年間で4回プレーオフに進出しているが、その間にポストシーズンでの勝利は一度も挙げていない。

そうした状況を改善するために、スティーラーズはオフシーズンに全力を注ぎ、ワイドレシーバー(WR)D.K.メットカーフをトレードで獲得したり、インサイドラインバッカー(ILB)マリク・ハリソンやコーナーバック(CB)ダリウス・スレイ、セーフティ(S)フアン・ソーンヒルを迎え入れて守備陣を補強したりしている。

ディフェンシブエンド(DE)キャメロン・ヘイワードは長きにわたり、保守的にチームを構築することで知られるスティーラーズの一員として過ごしてきた。15年目を迎えるにあたり、ヘイワードはチームがより本格的な優勝争いに向けて全力で取り組んでいることに注目している。

現地21日(金)、『The Rich Eisen Show(リッチ・アイゼン・ショー)』に出演したヘイワードは「俺たちは切迫した状況にあると思う」とコメント。

「うちには俺と同じようにキャリアの後半に差し掛かっている選手がたくさんいる。俺たちはみんな勝ちたいと思っている。プレーオフゲームに勝つだけでは十分じゃないのに、ここ数年はそれもできていない。そのせいで俺たちの口の中には嫌な味が残っている」

スティーラーズの切迫感について詳しく尋ねられたヘイワードは、高く評価されているチームメイトの名前をいくつか挙げ、次のように語った。

「何人かの選手が引退してしまう前に、やり遂げなければならないという切迫感だ。T.J.ワットのような選手がいる。T.J.ワットを手に入れたら、それにあぐらをかくんじゃなくて、高いレベルで勝利するチャンスを最大限に生かすだろ。(フリーセーフティ/FS)ミンカ・フィッツパトリックとか、オールプロに選出されたことがあって、すぐに殿堂入りを果たすような選手たちにも、大きな敬意を抱いている。今、勝たないといけない。将来に目を向けて“2、3年後には強くなれるだろう”と言っているだけじゃ不十分だ。2、3年後にはまったく違うチームになっているかもしれないから、今この瞬間を最大限に生かさないといけない」

ヘイワードは謙虚にも、チームが確保すべき選手のリストから自分の名前を外した。35歳のヘイワードは昨季に8回のサックを記録して通算サック数を88.5回に伸ばし、4度目のオールプロと7度目のプロボウル選出を果たしたばかりだ。

ヘイワードが口にした切迫感は、チームのクオーターバック(QB)陣にも関係がある。

現在、スティーラーズはスカイラー・トンプソンとメイソン・ルドルフの2人のみをロースターに抱え、2025年NFLドラフトの全体21位指名権を有している状況だ。有望なクオーターバック候補生を確実に獲得する方法はなく、今年の新人が即座にスティーラーズをトップに押し上げるとも限らない。

プレーオフの壁を早急に乗り越える方法としては、アーロン・ロジャースのようなシグナルコーラーを加えることが考えられる。ロジャースもまた、キャリア21年目を迎えるにあたり、勝利を切望し、急いでいる状況だ。ロジャースは金曜日にスティーラーズを訪問したが、契約締結は差し迫ったものではない。

ロジャースがフリーエージェント(FA)としてチームを訪問する数日前、ヘイワードは自身のポッドキャストでMVPに4度輝いた経歴を持つロジャースについて語り、ロジャースを勧誘するために“暗闇の中で瞑想”することはないと語った上で、「スティーラーズの一員になりたいのか、そうじゃないのか。ただそれだけだ」と話して波紋を呼んだ。

ロジャースが金曜日に訪問していた際に、決して挑発的な発言をしたわけではないと説明したヘイワードはこう明かしている。

「面白いよ。みんなからは散々言われた。みんなには、俺が彼を批判したって言われたけど、俺はそんなことをしたとは思っていない。俺はただ、彼を勧誘するために暗闇の中で瞑想することはないって言っただけ。もし彼がスティーラーになりたいなら、スティーラーになれる。それが提案だ。なんでみんなが“おお、キャムが彼につっかかっている”って思ったのか分からない。ファンの中には“そうそう、その調子だ”って感じの人もいれば、逆に“おいおい、彼を追い払うつもりなんだな”って感じの人もいた。俺は誰のことも追い払うつもりはない。とにかく試合に勝って良いフットボールがしたいだけだ」

ヘイワードの在籍中に、スティーラーズは数多くの勝利を収めてきた。スティーラーズはマイク・トムリンが2007年にヘッドコーチ(HC)に就任して以来、負け越しシーズンを経験しておらず、ここ2年は連続して2ケタ勝利を挙げている。しかし、近年はワイルドカードラウンドが限界点となっており、昨季の最も明らかな弱点は27位に終わったパス攻撃だった。

メットカーフの獲得により、ジョージ・ピケンズの他にもう1人危険なワイドレシーバーを加えることは、低迷しているパス攻撃をついに改善するための方策の一環となる。

ピケンズとメットカーフの2人にボールを投げるには、彼らと同じくらい有能なクオーターバックが必要だが、まだその獲得には至っていない。

もしそのクオーターバックがロジャースだとすれば、その状況は運命的な巡り合わせだと言える。ロジャースは、2011年ドラフトでヘイワードが指名される数カ月前に実施されたスーパーボウルで、スティーラーズを下してキャリアで唯一のスーパーボウル制覇を成し遂げたからだ。

「いくつか詩的な動きがある」とヘイワードは話している。

「彼が最後にスーパーボウルで勝ったのはピッツバーグ・スティーラーズとの試合だった。そして今、俺たちは彼がここに来て、スーパーボウルで勝つことを必要としている。でも、俺が一番気に入っているのは、1人の選手だけじゃないってことだ。彼がここに来たら、その目標だけに集中する選手はたくさんいるはずだ。ロッカールームに入れば、全員がスーパーボウルで勝つことに集中している。1日たりとも、1分たりとも、そのことについて話さないときはない。彼がもたらし、周囲の選手たちに期待する責任感のレベルがある。ディフェンダーとして、俺たちはそれを気に入っている。どうなるか見てみよう」

【RA】