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カーディナルスTEマクブライド、史上最高額TEは「最高の名誉」だが「プレッシャーはまったくない」

2025年04月06日(日) 10:31


アリゾナ・カーディナルスのトレイ・マクブライド【AP Photo/Darryl Webb】

NFL史上最高年俸のタイトエンド(TE)になってから24時間も経たないうちに、トレイ・マクブライドはこの地位にたどり着くまでの道のりを感情に揺さぶられながら振り返った。

しかし、それは悲しみではなく、感謝と満足感から来ていた。

マクブライドは4年7,600万ドル(約110億6,055万円)という巨額の契約延長に合意した翌日の現地4日(金)に「間違いなく、うれし涙だ」と報道陣に話している。

感謝の気持ちでいっぱいになりながら報道陣に語りかけたマクブライドは、アリゾナ・カーディナルスと自身が最高の結果を残すのはこれからだというメッセージを何度も繰り返した。しかし、高額な新契約を手に入れたにもかかわらず、マクブライドが契約に見合うだけの働きをしなければならないという余計なプレッシャーを感じていないことは明らかだ。

「プレッシャーはまったくない」とマクブライドはコメント。

「新人契約のときもプレッシャーは感じていなかったし、今もプレッシャーを感じるとは思っていない。これまでやってきたことをやり続けるだけ。努力を続けていけば何とかなるものだ。ただただ正しいことをして、懸命に取り組んでいれば、すべては自然とうまくいくものだ」

2024年シーズンにレシーブ数(111回)とレシーブヤード(1,146ヤード)でキャリアハイを更新し、初めてプロボウルに選出されたマクブライドは、新契約により、年俸でカンザスシティ・チーフスのスーパースターTEトラビス・ケルシー(1,725万ドル/約25億1,045万円)を超え、契約総額でサンフランシスコ・49ersのジョージ・キトルを(7,500万ドル/約109億1,501万円)を上回る。

木曜日にいち早くマクブライドに祝福の言葉をかけた人の中にはクオーターバック(QB)カイラー・マレーも含まれる。マレーの存在は、コロラド州立大学出身のマクブライドが“最高の結果を残すのはこれからだ”と信じる理由の1つだ。

25歳のマクブライドは「カイラーは最初に話したうちの1人で、“FaceTime(フェイスタイム)”で連絡をくれた」と明かしている。

「俺たちは話し、喜びを分かち合うことができた。あと数年一緒にプレーし、成長し、勝ち、一緒にやりたいことをすべてやることに、どれほどワクワクしていることか。彼と一緒に長い間ここにいられることが分かったのは、とても特別なことだ」

マクブライドがタイトエンドとして頂点に上り詰めるまでの道のりは、コロラド州フォート・モーガンという小さな町から出て、2022年ドラフトで最初に指名されたタイトエンドになったところから始まった。厳しいルーキーシーズンを過ごしたと振り返ったマクブライドは、それを乗り越え、一流タイトエンドの仲間入りを果たしている。

金曜日にマクブライドが声を詰まらせたのは、その旅路を思い返したからだった。

「これは旅路だった。間違いなくそうだ」と語ったマクブライドはこう続けている。

「ドラフトに臨み、最初に指名されたタイトエンドになったけど、最初の年はほとんどプレーできなかった。キャッチ数は29回。不安定なルーキーイヤーだった。思うようにプレーできなかった。でも、本当にひたむきに努力を続けた。必死に取り組み続けたし、いつかチャンスが来ると確信していた。そして、チャンスが来た時にはそれをつかまなきゃいけないって分かっていた。俺はまさにそれをやり遂げた気がしている。毎日努力を重ねて、時間をかけて力を注いできた。ついにそれが報われたのはうれしいよ」

2022年ドラフトの全体55位で指名され、現在も成長を続けているマクブライドは、今回の報酬がいかに素晴らしいものであるかをしっかり理解している。ルーキーシーズンをキャッチ29回、265ヤード、タッチダウン1回という成績で終えたマクブライドは、過去2年間でキャッチ192回、1,971ヤード、タッチダウン5回を記録してきた。

「俺はコロラド州の小さな街から来た」とマクブライドは話している。

「ディビジョンIのカレッジフットボールでプレーすることも、すごく大きな出来事だった。フォート・モーガンから出てきて最高の報酬を得るタイトエンドになるなんて、本当に、最高の名誉だ。ものすごくクールだし、特別なことだ。君は最高の報酬を得る選手になるって言われても、俺は信じなかっただろうな。歯を食いしばってたくさんの努力を重ねて結果だ。ついに報われた。でも、それ以上に、これからも取り組み続け、努力し続け、それをもとにさらに成長していくことを楽しみしている」

マクブライドがリーグ屈指のタイトエンドとして認められるまで成長する過程で、カーディナルスも改善を見せている。カーディナルスは昨季に8勝9敗の成績を収め、勝利数はその前の2シーズンの合計と同じだった。

とはいえ、マクブライドはより大きな一歩を踏み出す準備ができており、それにはレギュラーシーズンで勝ち越すことやプレーオフ進出を達成することが含まれるだろう。

「今、期待されているのはそれだ。基盤は整っているし、必要な状態にはなっているから、今すぐ動き出さなきゃ、もう待っている場合じゃないっていう感じだ」とマクブライドは語った。

フォート・モーガンからグレンデールにたどり着いたマクブライドは、カーディナルスと共に向上し続ける準備ができている。

マクブライドは「最高だ。自分がプレーできる場所、自分がたどり着ける場所のほんの一部に触れたばかりだと思っている」とコメントし、「まだまだ成長の余地があると感じているし、可能性は無限大だ。カイラーがクオーターバックとしてプレーすることで、俺たちの絆は強固になる。すべてが良い方向に進んでいる」と続けた。

【RA】