ジョーンズとの先発争いを前向きに受け止めるコルツQBリチャードソン、「競争は大好きだ」
2025年04月24日(木) 11:38
インディアナポリス・コルツのクオーターバック(QB)アンソニー・リチャードソンはルーキーシーズンを迎えるにあたり、先発の座をかけた争いに勝たなければならなかった。
より重要な3年目のシーズンを迎えようとしているリチャードソンは、再び先発争いで勝たなければならない状況に置かれている。
ドラフト全体4位指名を受けてからわずか2年とは思えないほど複雑な状況だが、リチャードソンはそれを受け入れているようだ。
チーム公式サイトによると、リチャードソンは現地22日(火)に「競争は自分の力を最大限引き出してくれる。人生はそういう仕組みになっている。競争して、成長しなきゃいけない。右にも左にも前にも、自分より努力して自分を上回ろうとしている人がいるからだ。競争は大好きだ」と語ったという。
リチャードソンはまだ本来の力を発揮できておらず、期待にも応えられていない。そうした状況を受け、コルツのジェネラルマネジャー(GM)クリス・バラードらはリチャードソンと競争させるべく、かつてニューヨーク・ジャイアンツからドラフト1巡目指名を受けたダニエル・ジョーンズと契約した。
リチャードソンの最初の2シーズンはケガとベンチ降格によって短縮されている。リチャードソンが出場したのは本来出場可能だった34試合のうち15試合(2023年は4試合、昨シーズンは11試合)のみで、パス成功率は50.6%にとどまっている。リチャードソンはこれまでに2,391パスヤード、タッチダウンパス11回、インターセプト13回、635ランヤード、タッチダウンラン10回を記録してきた。
昨季に疲労やケガを理由に試合から退いたことに加え、パス精度の低さも重なり、コルツはリチャードソンをフランチャイズQBとして位置づけることに疑問を抱くようになっている。
しかし、どのような批判もリチャードソンのモチベーションを高めるだけだ。
「俺はそれを絶対に個人的な攻撃とは捉えない。努力することも成長することも心から好きだから、それを追い求めるチャンスが巡ってきたら、逃すわけにはいかない」とリチャードソンは話している。
まだ22歳のリチャードソンはフロリダ大学で24試合しか出場していなかったため、ドラフト指名時から発展途上の選手と見られていた。コルツではじっくり成長する時間がほとんどなかったが、NFLは展開の早いリーグだ。
ジョーンズは2019年ドラフト全体6位で指名を受け、ジャイアンツで6シーズンを過ごした。“ダニー・ダイムズ”という愛称で親しまれるジョーンズはイーライ・マニングの後任として順調にスタートを切ったが、コーチ陣の入れ替わりやケガに悩まされ、数シーズンにわたって苦戦を余儀なくされた。昨年はジャイアンツから放出された後にミネソタ・バイキングスに加入。現在はコルツに移り、先発の座を争うチャンスを得ている。
ジョーンズは、最初からすべて順調に進むわけではないという現実に直面したドラフト1巡目指名クオーターバックが経験する浮き沈みに対処することに関して、リチャードソンに学びの機会を与えるだろう。
「一番彼から学びたいのは、あらゆるプレッシャーをどう乗り越えるか、うまくいかないときにどう対処するか、どうやって集中を保ちながら努力し続けるか、そしてどうやって取り組むかという点だ」と語ったリチャードソンは「彼は賢い選手だから、彼から学べることをすべて吸収し、チームとして成長していくことを楽しみにしている」と続けた。
リチャードソンの3年目のNFLシーズンは5カ月後に迫っている。これからポジション争いに勝つ必要があるが、現時点で適切な発言をし、先発の座を守るための新たな戦いに正しい心構えで臨もうとしているリチャードソンは、次のようにコメントした。
「状況に対する見方は人それぞれだ。俺はただ、自分は恵まれていると言いたい。NFLでプレーする機会がまだある。フィールドに出て競争し、チームのために仕事を勝ち取る機会もある。だから、俺はただただ恵まれている。これからも取り組み続けることにワクワクしている。なんだかまたドラフトされたような気分だ。ここにいられてワクワクしている」
【RA】