テキサンズ加入のSガードナー・ジョンソン、イーグルスからのトレードに「今でもショック」
2025年04月24日(木) 11:23
スーパーボウル制覇からわずか1カ月、セーフティ(S)C.J.ガードナー・ジョンソンはヒューストンへ行くための荷造りをしていた。
2月9日に行われた第59回スーパーボウルでフィラデルフィア・イーグルスの先発として出場し、優勝を果たしたガードナー・ジョンソンは、そのわずか数週間後にヒューストン・テキサンズへトレードされた。
本人にとってはまったく予想外の展開であり、今なおその現実を完全には受け入れられていないと明かしている。
チームの公式記録によれば、ガードナー・ジョンソンは「正直に言えば、今でもショックだ。でもハッピーでもある」と現地22日(火)に語ったという。
「新しい環境で新しい仲間に出会える。一番感じているのは、このチームがとても若いということ。自分がロッカールームで年長の部類になるから、ここではビジネスとして来ているということを理解しないといけない。楽しむためでもあるけど、勝つためにここにいる。若い選手たちと最初の数日を過ごして、どう振る舞うべきか感覚がつかめてきたところだ」
ガードナー・ジョンソンにとって、テキサンズはNFLキャリアで4チーム目であり、3シーズン連続で新しいチームに所属することになる。
イーグルスのジェネラルマネジャー(GM)ハウィー・ローズマンは、このトレードを財政面での判断だったと説明している。
理由がどうであれ、ガードナー・ジョンソンはこの状況を前向きに受け止めている。NFLで6年目を迎える27歳の彼は、ディフェンシブバック(DB)デレク・スティングリーJr.やコーナーバック(CB)カマリ・ラシターといった優秀かつ若い選手を擁するセカンダリーで、リーダーシップを求められる立場にあると自覚している。
「自分にとってはいい移籍だったと思う」とガードナー・ジョンソンは話している。
「今までいた環境が心地良すぎたんだ。正直、楽だった。楽というのは、必要なものはすぐ手に入って、話せる人もいたという意味だ。でも、ここでは自分が年上になることで成長しなければならない。ちょっとおかしな言い方かもしれないけど、自分たちがやっているのはフットボール以上だということを教えてやりたい。これまで何度もトレードされてきたことで、自分がリーグでやってきたことがかき消されがちだと思う。でも実際のところ、フットボールが大好きなだけなんだ」
ガードナー・ジョンソンは2019年のNFLドラフトでニューオーリンズ・セインツに4巡目指名され、3シーズンを同チームでプレー。その後イーグルスへトレードされ、2022年にはリーグ最多タイの6インターセプトを記録。2023年はデトロイト・ライオンズに移籍するも、ケガの影響でわずか3試合の出場にとどまった。昨季再びイーグルスに戻り、16試合に先発出場。キャリアハイに並ぶ6インターセプト、59タックルをマークした。
昨シーズンが順調だっただけに、今回のトレードが受け入れがたいのも無理はない。ただ、今のガードナー・ジョンソンは後ろ向きな思いに浸っている余裕がないことを理解している。
「精神的には今、落ち着いている」とガードナー・ジョンソンは言う。
「ビジネスのことばかり気にしすぎても仕方ない。ここでは自分を頼ってくれる選手たちがいる。だから、今この瞬間に集中しないといけない。メンタルの面では、やるべきことはすべてやるつもりだ」
イーグルスでの栄光にすがらず、新たなチャレンジへと踏み出す。ガードナー・ジョンソンはそれを自身の正しい姿勢だと捉えると同時に、可能性に満ちた新たなチームメイトたちに伝えたいメッセージでもあると語る。テキサンズはディビジョナルラウンド進出を2年連続で果たしており、ガードナー・ジョンソンの加入がさらに上を目指すチームの後押しとなる可能性もある。
「失点することもあれば、吹っ飛ばされることもあるし、抜かれることもある。でも、チームメイトが自分を好きでいてくれる理由は、そういうことを引きずらないところだと思っている」とガードナー・ジョンソンは語る。
「試合のプレーなんて5、6秒で終わるだろ? またすぐに次のプレーが始まる。だから、次のプレーに集中するという考え方をこのチームに浸透させるつもりだ。先週何をしたかなんて関係ない。今インターセプトを取っても、次のプレーでは失点するかもしれない。常に勝ちたいという飢えを持つことが大事。練習のブロックドリルで負けた時ですら、イラッとくる。だから、小さなことを大事にしないといけない。そういう気持ちがないなら、このリーグにいる意味はない」
ガードナー・ジョンソンには、まだまだNFLでの時間が残されている。AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のチームに初めて在籍する今季、スーパーボウル王者からの突然の移籍を乗り越え、連覇を狙うAFC南地区を制覇したテキサンズで新たな一歩を踏み出そうとしている。
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