オーナー間でタッシュプッシュに関する合意が成されるだろうと考えるグッデルNFLコミッショナー
2025年04月26日(土) 16:27
NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは、フィラデルフィア・イーグルスが武器として利用し、スーパーボウルへの快進撃と制覇にもつながったタッシュプッシュプレーを排除するためのルール変更の必要性について、オーナーたちの間で5月にも合意が得られるだろうと考えている。
グリーンベイ・パッカーズが提示したプレーの禁止案は、今月のリーグミーティングで持ち越しとなったが、5月にオーナーたちが再び集まる際に投票が行われることになっている。
プレーによってケガのリスクが増すという証拠はないものの、禁止派の一部は2005年にルールが改訂されるまでNFLがボールキャリアーをプッシュすることを禁止していた点に加え、選手の安全性の問題を指摘している。
パッカーズによる当初の案では、スナッパーのすぐ後ろに並び、スナップ直後にそれを受ける選手のプッシュのみを禁止するはずだった。しかし、フィールド全体においてボールキャリアーのプッシュを禁止しようという議論も行われている。
「ああ、多くのコーチが、それはフットボールの一部ではないと言うだろうね。ラグビーならあり得るかもしれないが、われわれのものではないとね」と現地25日(金)、グッデルはNFLドラフトが開かれているウィスコンシン州グリーンベイで『The Pat McAfee Show(ザ・パット・マカフィー・ショー)』に語った。
「2つ目の議論は、ゲームの安全性だ。われわれにとって最も重要なのはそこだよ。プッシュされたり引っ張られたりして、どこへ行くのかコントロールできない状況を生む危険なプレーなのかどうか。その2つが論点だ。一方で、そのプレーは誰にでもできるもので、他者よりうまく実行する者がいるとすれば、ゲームとはそういうものだという至ってまっとうな議論もある」
ルール変更を承認するには32票中24票の賛成が必要となり、今月初めのリーグミーティングではどちらかが圧倒的な支持を得ることはなかった。
「いくつか異なるコンセプトが議論されていた。見解は分かれていたと言っていいだろう」とグッデルはマカフィー・ショーで述べている。「いずれの側にも圧倒的な主張は見られなかったが、委員会が検討していたさまざまなものを見て、会話を聞くにつれ、やがて合意が得られるだろうと考えている」
インタビューでグッデルは他にもいくつかのトピックに触れた。
プレーオフシードの決定
5月まで判断が持ち越されたもう1つのルール変更についてもグッデルは言及している。地区優勝チームにトップ4シードと少なくとも1度のホームゲームを保証するのではなく、プレーオフのシードをシーズン成績によって決めるべきだというデトロイト・ライオンズの提案に関して、修正が行われるかもしれないと彼は述べた。昨シーズン、ミネソタ・バイキングスがロサンゼルス・ラムズより4試合多く勝利していたにもかかわらず、ワイルドカードでプレーオフに進まざるを得なかったことを受けてライオンズが提議した案だ。
これについては、負け越しで地区優勝したチームにはホームゲームの権利を保証しないという形の変更で承認される可能性があるという。
「この疑問は言ってみれば、勝率5割に達していないのにホームゲームを得る資格があるのかどうかということだろう?」とグッデルは問いかけた。「それはなかなか反論が難しいと思う」
ストライキによって短縮されたシーズン以外で、負け越しながらもホームでプレーオフを戦った地区優勝チームは4つある。最も新しいのは2022年のタンパベイ・バッカニアーズだ。
年間18試合
グッデルは今も将来的にレギュラーシーズンに18番目の試合を追加することにコミットしている。NFLは2021年にプレシーズンを3試合に減らしてレギュラーシーズンを16試合から17試合に増やしており、プレシーズンを2試合、レギュラーシーズンを18試合にするモデルを考えている。
グッデルは、装備や練習ルール、オフシーズンプログラムの変更によって安全性が十分に改善され、シーズンをもう1週増やして利益を拡大できる状況は整ったと述べている。だが、リーグがそれを実行するにはNFL選手会(NFLPA)の承認が必要だ。
「承認の権利は彼らにある」とグッデルは述べた。「だから、われわれにとっては彼らと話をすることがとても重要になる。そう、パイをもっと大きくして、その一部を彼らに分配できるよという話をね。それは正しい道なのか? われわれはそうだと強く感じている。しかし、この実現にはもっと時間がかかるかもしれない。短期的にどうにかなることではないだろう」
インターナショナルゲーム
NFLは今シーズンに初めてアイルランドとスペインで、2026年にはオーストラリアでゲームを開催することになっており、アメリカ国外でレギュラーシーズンゲームを開催する国は8カ国に増える。長期的には、今シーズンに7試合あるインターナショナルゲームの数を16試合に増やす計画だとグッデルは述べた。
「近いうちにアジアに行くことになるだろう」と彼は語っている。「ゲームをワールドワイドに展開していくつもりだ」
ホリデーゲーム
グッデルは昨シーズンに『Netflix(ネットフリックス)』で放送されたクリスマスの2試合に満足していると言い、NFLはこれからそれを定番にすると述べた。木曜日となる今年のクリスマスには3試合が予定されており、リーグはこれから毎年クリスマスに少なくとも3試合を行うつもりだと述べている。
また、サンクスギビングのスケジュールにはやや変更があるようで、デトロイト・ライオンズの恒例ホームゲームの開始時間がアメリカ東部時間の12時30分から13時に変更されるようだ。
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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