チーフス幹部、1巡目指名OTシモンズをバイキングスOTダリソーやチャージャーズOTスレーターと比較して評価
2025年04月30日(水) 11:31
カンザスシティ・チーフスはドラフトの1巡目で、将来的にクオーターバック(QB)パトリック・マホームズのブラインドサイドプロテクターとなる見込みの選手を指名した。その選手はオハイオ州立大学のオフェンシブタックル(OT)ジョシュ・シモンズだ。
現地29日(月)、チーフスの選手人事部門およびカレッジスカウト部門ディレクターを務めるライン・ナットは、シモンズのことを複数のベテランオフェンシブタックルと比較して説明した。
チーム公式記録によると、ナットは「ここ数年の映像を見てみると、ジョシュが今年、健康であれば、近年で最も優れた選手の1人になると言えるだろう」と述べたという。
「彼は(ミネソタ)バイキングスで非常によくやっている(レフトタックル/LT)クリスチャン・ダリソーを彷彿とさせる。(ロサンゼルス)チャージャーズでプレーしている(LTラショーン)スレーターにも少し似ている。あの子の腕はみんなが思っているよりも長い。(NFLスカウティング)コンバインでは33(インチ/約84cm)と測定されていたが、プロデーでは34と1/8インチ(約87cm)だった。そっちの方が私たちの測定結果に近いと思う。私たちが彼を呼んだときはたしか34インチ(約86cm)だった。あの子はものすごく才能があり、ものすごく意欲的な選手だ。彼をあの順位で獲得できたことをうれしく思っている」
チーフスはフィラデルフィア・イーグルスと指名権を交換し、全体32位でシモンズを獲得した。オハイオ州立大学出身のシモンズは、10月中旬に非接触での膝の負傷でシーズンを終えていなければ、2025年ドラフトで最初に指名されるオフェンシブタックルになっていたかもしれない。膝の問題はルーキーシーズンに影響を及ぼす可能性があるが、チーフスはドラフト1巡目の終盤に健康面に問題はないと判断した。
ナットは「最高の選手だという主張もできるかもしれないが、彼がもたらすものという観点で見ると、今年のドラフトクラスの中で間違いなくトップ3には入るだろう」と話している。
「他の選手との唯一の違いは、彼が先発を務めたのが2年だったことかもしれない。他の選手、例えばLSU(ルイジアナ州立大学)の選手(ニューイングランド・ペイトリオッツのLTウィル・キャンベル)はもっと多く先発していたと思うし、経験とかそういう面での違いはあるかもしれない。だが、ジョシュは身体的に・・・一流だ。大きくて強く、映像で見ると足の動きが非常に速い。映像を見ると、オフェンシブラインのパスセッティングにおける彼の構えは、すでにとても美しいことが分かる」
サンディエゴ州立大学でライトタックル(RT)を務めた後に、2023年にオハイオ州立大学でレフトタックルに移ったことが、シモンズのブロック能力が高まった要因だとナットは指摘している。2024年シーズンの負傷前の映像で、ブラインドサイドに慣れたシモンズのプレーは際立っていた。
「彼は毎年、良くなっていった」とナットは語り、こう続けている。
「オハイオ州立大学での最初の年に右サイドから左サイドに移ったのだが、あらゆることに適応するには少し時間がかかったと思う。プレーブックや環境、実質的にはポジションも新しくなったからね。右サイドから左サイドに移ることは、人々が思っているほど簡単なことではない。そこには大きな違いがある。人によっては慣れるのに時間がかかるものだし、ジョシュの場合もそうだったと思う」
「去年の6試合を見れば、彼がその時点で最高のタックルだったと言っても過言ではないだろう。彼が負傷したのは残念だが、私たちにとっては良かったと言える。彼を獲得できたからね。あの選手はトップ20に入るべき選手だったから、私たちが彼を獲得する方法はそれしかなかった。あの子にとっては残念なことだし、キャリアや報酬にとっても痛手だったはず。だが、物事には理由があるし、大事なのはどこで始めるかではなく、どこで終えるかだと思う。(ヘッドコーチ/HCアンディ)リードや(オフェンシブラインコーチのアンディ)ヘックを擁するこの環境は、彼にとって素晴らしいものになるだろう」
チーフスは昨季のスーパーボウルで惨敗したことを受けて、オフェンシブラインの強化を必要としていた。チーフスはかつてサンフランシスコ・49ersに所属していたフリーエージェント(FA)のOTジェイロン・ムーアと契約し、ガード(G)トレイ・スミスにフランチャイズタグをつけ、ベテランGジョー・トゥニーをシカゴ・ベアーズにトレードし、2024年ドラフト2巡目で指名したキングスレイ・スアマタイアをガードに転向させ、シモンズをドラフト1巡目で指名している。
チーフスのフロントオフィスはスーパーボウルでタンパベイ・バッカニアーズに打ちのめされた後にもオフェンシブラインを刷新した。カンザスシティでは2025年版の再建が同じように功を奏することが期待されている。シモンズが健康な状態で期待に応えた場合、チームにとって大きな助けとなるだろう。
【RA】