「今年のドラフトでお気に入りのワイドレシーバー」はアイザック・テスラーとライオンズGMホームズ
2025年05月01日(木) 11:46
デトロイト・ライオンズのジェネラルマネジャー(GM)ブラッド・ホームズは2025年NFLドラフト3巡目で大きな動きを見せ、全体102位から全体70位に順位を上げるために将来のドラフト指名権をジャクソンビル・ジャガーズにトレードした。そのターゲットがワイドレシーバー(WR)アイザック・テスラーだったことには驚く者もいた。
現地4月29日(火)、ホームズGMは『97.1 The Ticket(97.1ザ・チケット)』で放送された番組“Costa and Jansen with Heather(コスタ・アンド・ジャンセン・ウィズ・ヘザー)”で、7つのドラフト指名のうちどれが一番気に入っているかと尋ねられている。
『Detroit News(デトロイト・ニュース)』によると、ホームズGMは「どれも気に入っている」と答え、こう続けたという。
「ただし、こう言っておこう。おそらく最も疑問視された指名はアイザック・テスラーだったはず。彼は今年のドラフトで私のお気に入りのワイドレシーバーだったと言える。今年のドラフトで一番のワイドレシーバーだとは言っていない。だが、お気に入りのワイドレシーバーかと言われればそうだ」
テスラーの指名は、将来のドラフト指名権を手放したことで疑問視されている。ライオンズはアーカンソー大学出身のテスラーおよび2025年ドラフト6巡目指名権、2026年ドラフト6巡目指名権を得る代わりに、2025年3巡目(全体102位)指名権、2つの2026年ドラフト3巡目指名権を手放した。どのチームもシーズン中にベテラン選手を獲得する際にはドラフト指名権を慎重に扱うため、ジェネラルマネジャーがドラフト中に資本を惜しみなく費やす姿勢は、周囲に疑問を抱かせる要因となる。
ドラフト2日目の金曜日、ホームズGMとライオンズのドラフト担当者は、横線で消された“H.W.S.”の文字が印字されている黒いスウェットシャツを着ていた。H.W.S.はheight(身長)、weight(体重)、speed(速度)を意味している。ホームズGMは週末に、そのデザインは試合の映像が身体的特徴やスタッツよりも重要であるというライオンズのモットーを表現したものだと説明していた。
テスラーが最も運動能力の高い候補生の1人と見られていたことを踏まえると、そこには興味深い矛盾が生じている。身長約193cm、体重約97kgのテスラーは、2025年NFLスカウティングコンバインでのテストで身体能力スコア96を記録してワイドレシーバーの中でトップに立った一方で、プロダクションスコアでは48位に沈んだ。ミシガン州のヒルズデール大学からアーカンソー大学に転校して2年間プレーしたテスラーは、キャッチ62回、897ヤードという成績に終わっている。また、アーカンソー大学時代にはすべてのルートを走ることを求められていなかった。ライオンズはこのレシーバーに対する映像分析に心から自信を抱いているに違いない。
ホームズGMはテスラーを指名するために順位を上げた際、テスラーはポジションに関係なく、ボードに残っていた評価の高い選手の1人だったと示唆した。
ホームズGMは「過去のドラフトを振り返って“ああ、それは3巡目の指名だ”と思うかもしれない。皆さんも聞いたことがあるはずだが、同じドラフトは存在しないのだ。私が言いたいのは、どのドラフトも同じではないし、今回のドラフトも含めて過去2、3回のドラフトを振り返ってみると、選手層の厚さは同じではなかったということだ」と述べている。
「今年、去年、その前の年に、(ディフェンシブタックル/DT)アリム・マクニールを3巡目で見つけることはできない。(WR)アモン-ラ・セント・ブラウンを4巡目で見つけることもね。最近(のドラフト)では、単純にそういった選手がいない。全体102位指名権を持っているときに“ここにとどまっていたら、他の31チームのボードではなく自分たちのボードに基づいて違うレベルの選手を獲得することになる”と思った。そういった要素をすべて考慮に入れている」
ライオンズを弱小チームから強豪チームへと変貌させるのに貢献してきたホームズGMには、一定の余裕がある。しかし、ドラフト中盤に成功を収めてきたホームズGMが、先週金曜日に出たような動きで、他の多くのチームと同様に失敗することもある。1年後には、ライオンズが2025年にテスラーから得られた成果と比較して、2つのドラフト3巡目指名権をどれほど惜しむかが問題となるだろう。
ドラフトに関するすべての事柄と同様に、真実が明らかになるのは何年も先のことだ。テスラーが大柄なスロットレシーバーとして真の脅威となれば、デトロイトで2つのドラフト3巡目指名権を失ったことを惜しむ者はいないだろう。一方、テスラーがスペシャルチームでしか活躍できないタイプの選手になれば、そのトレードは痛手となるだろう。それはまさにドラフトのギャンブルだ。
【RA】