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RBチャッブがチームに戻る可能性は「ますます低くなっている」とブラウンズGMベリー

2025年05月10日(土) 09:32


ニック・チャッブ【AP Photo/Kirk Irwin】

今オフシーズン、クリーブランド・ブラウンズは多角的にランニングバック(RB)陣の強化に取り組んできたが、その内容はいずれもニック・チャッブに関係のないものだった。

週を追うごとに、再契約の可能性は低くなっているようだ。ジェネラルマネジャー(GM)アンドリュー・ベリーは現地9日(金)に、フランチャイズのレジェンドが2025年にチームに戻ってくる可能性にあまり楽観的ではない様子を見せた。

ラジオ番組『92.3 The Fan(92.3ザ・ファン)』に出演したベリーGMは「何も除外するつもりはないが、可能性はますます低くなっていると言えるだろう」と語り、こう続けている。

「うちには気に入っている若手選手が2人いる。ジェローム(フォード)が役割を担うことになると考えている。基本的には、ランニングバック陣で役割をどう割り振るかを見極めている段階だ」

「ニックのような、自分たちにとってとても大切な選手を排除することは決してない。膝のケガから1年が経過したことで、彼がさらに一歩前進すると予想している。だが、自分たちの現状を踏まえると、少なくとも当面は、戻ってくる可能性は低いと言える」

チャッブが2025年にブラウンとオレンジのユニフォームを着る可能性が低いことを示す手がかりは数多く存在している。ブラウンズは3月にチャッブにフリーエージェント(FA)市場を試す機会を与え、ドラフトでは大学時代にスター選手として活躍していたクインション・ジャドキンスとディラン・サンプソンをそれぞれ2巡目と4巡目で指名。フォードにはチームに残るためにペイカットを受け入れるよう説得した。ランニングバック陣は層が厚く、数週間にわたってブラウンズとチャッブが再契約することを熱望していたファンも、今ではそうした声を上げなくなっている。

フォードのペイカットは、2通りの解釈ができる。ひとつは、報酬を減らすことによってチームに残しやすくなったという見方。もうひとつは、フォードにかかるコストを抑えられたことで、チャッブを呼び戻すための資金に余裕が生まれたという見方だ。

現時点では――ロースターに90人登録できる状態であるにもかかわらず――ブラウンズがチャッブを呼び戻すことに強い関心を示している様子はない。チャッブは、プロフットボールの殿堂入りを果たしたジム・ブラウンやリロイ・ケリーに次いで、フランチャイズ史上3番目に多い通算ランヤードを記録している選手だ。

ブラウンズが他の選手に目を向ける正当な理由も十分にある。昨シーズン、深刻な膝のケガから回復したばかりのチャッブは、本来の実力を発揮できなかった上に、足のケガで早々にシーズンを終えた。キャリア通算で1,340回のキャリー数を誇るチャッブだが、過去には3回、深刻な膝のケガに見舞われている。さらに、ランニングバックにとって鬼門とされる30歳の誕生日を控えていることも踏まえると、ブラウンズがためらうことなくより若い選手を獲得したことは賢明な判断だったと言えよう。

もちろん、ベリーGMはチャッブと再契約する可能性を完全に否定したわけではない。チャッブが市場を試した結果、チームにとって好条件の契約でクリーブランドに残り、ロースター入りを目指す機会を得る可能性もあるからだ。とはいえ、プロボウルに4回選出された経歴を持つチャッブがいまだにどのチームとも契約していないことは注目に値する。

2人の新人選手とフォードがロースターに名を連ねているため、チャッブがブラウンズに戻る場合は、若手選手よりも自分を残すべきだとチームに納得させられるほど大きな前進を遂げたことを証明しなければならないだろう。今のところ、ブラウンズはチャッブが7シーズンにわたってチームに貢献したことに感謝しつつも、チャッブなしで前に進むことに満足しているようだ。

【RA】