WRピケンズのトレードは「残念」ではなく、「新たなスタート」は双方にとって最善だったとスティーラーズGMカーン
2025年05月10日(土) 10:35
今週、ピッツバーグ・スティーラーズは2026年ドラフト指名権と引き換えに、かつてドラフト2巡目で指名したワイドレシーバー(WR)ジョージ・ピケンズをダラス・カウボーイズにトレードした。スティーラーズのジェネラルマネジャー(GM)オマール・カーンは現地9日(金)に、才能はあるが気まぐれなピケンズを手放す決断を残念だとは思っていないと語った。
『Pittsburgh Post-Gazette(ピッツバーグ・ポスト・ガゼット)』のブライアン・バトコによると、カーンGMは「“残念”という言葉は使わない。ジョージとは3年を共にした。ワクワクするような時間も過ごした。両者にとって新たなスタートは最善の選択肢だった」と述べたという。
スティーラーズはピケンズをカウボーイズにトレードする見返りとして、2026年ドラフト3巡目指名権を受け取り、後半のラウンドの指名権を交換した。この取引はドラフト後にカウボーイズから接触を受けたことで成立したと明かしたカーンGMは、次のようにコメントしている。
「あっという間の出来事だった。ドラフト中にいくつか問い合わせを受けていたが、理にかなったものはなかった。カウボーイズが今週の初めに連絡をくれて、私たちに検討してほしいという提案をしてきた。内部で話し合い、ジョージの代理人であるデイブ(ムルゲタ)とも話をした。彼とは良い関係を築いている。ジョージのこれまでの状況や現状、将来の可能性について話し合った。このトレードは全員にとって理にかなったものだった」
カーンGMはピケンズがトレードを要求したことは一度もなかったと指摘している。
動向を踏まえても、トレードの要求は必ずしも必要ではなかった。
スティーラーズがシアトル・シーホークスとのトレードでD.K.メットカーフを獲得し、年平均3,000万ドル(約43億4,943万円)の契約を結んだことで、ピケンズのピッツバーグでの将来は決まったも同然だった。疑問となっていたのは、スティーラーズがジョージア大学出身のピケンズを今すぐ手放すのか、それとも契約最終年を終えるのを待つのか、という点だった。
ピケンズをトレードした後、スティーラーズのWR陣には不安が残っている。スティーラーズは33歳のベテランWRロバート・ウッズを獲得したものの、その昨季の成績は15試合に出場して203ヤード、タッチダウン0回と低調だった。カルビン・オースティン三世は昨シーズンにフィールドを広げる能力の片鱗を見せていたが、このグループのカギを握るのは2024年ドラフト3巡目指名を受けたローマン・ウィルソンだろう。ウィルソンはケガの影響で、ルーキーシーズンに参加したオフェンシブスナップはわずか5回だった。
チーム公式サイトのデール・ロリーによると、カーンGMは「ローマンはこの数週間、ここでワークアウトを行なっていて、昨季終盤にも彼のプレーを見た」と語ったという。
ピケンズはチェイス・クレイプールやディオンテ・ジョンソン、ジェームズ・ワシントンといった選手に続き、スティーラーズでの在籍期間の終盤に調子を落とした後にピッツバーグを離れた選手となっている。2022年に就任したカーンGMは、その一連の流れがチームのWRポジションの評価に影響を与えることはないと述べた。
「いや、それはそのポジションで偶然起こったことに過ぎない」と強調したカーンGMはこう続けている。
「私たちは年間を通じて、どのポジションであっても良い選手を獲得するよう務めている。ある程度の偶然はあるが、良い選手、良い人間を獲得したいと考えている。私たちはチャンピオンシップを目指しているんだ。すべての決定は、将来だけではなく、今年に優勝することを目指して下している。私たちは今年、優勝を目指すことに集中している。さまざまな質問があることは承知しているが、シーズン開幕までにはまだ十分な時間がある。安心していただきたい。私たちは今年、優勝を目指している」
最大の疑問となっているのは、その刷新されたWR陣に誰がパスを投げるかという点だ。クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースの状況は、今なお春の風にまかせて揺れ動いている。
【RA】