スティーラーズに前向きなFAのWRタイラー・ボイド、「これから数年はプレーできる」
2025年06月30日(月) 09:54
長くシンシナティ・ベンガルズでプレーしながらも、ペンシルベニア州出身でピッツバーグ大学出身のフリーエージェント(FA)ワイドレシーバー(WR)タイラー・ボイドには、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区のライバルチームに移ることに良心の呵責はない。
ホームタウンであるクレアトンで開催されたユースキャンプフットボールの場で、ボイドは自分にはNFLでプレーする時間が“あと数年”は残されているとの考えを述べ、スティーラーズから連絡を受ける可能性に触れた。
ピッツバーグに移る意向について『Pittsburgh Sports Now(ピッツバーグ・スポーツ・ナウ)』のオースティン・ベックトールドに問われたボイドは「もちろんある」と答えている。
「俺の家族はみんなここにいるだろ。家族の大部分、というか、家族全員が俺を応援できるようになる」
ブラック・アンド・ゴールドを身に着けることが現実的な可能性としてあるのかについて聞かれたボイドは、大学時代にピット・パンサーズの一員として、UPMCルーニー・スポーツ・コンプレックスでスティーラーズと一緒だった時期について触れた。
「そうだと信じている。トムリン(パンサーズヘッドコーチ)とはすごくいい感じなんだ。あの人はずっといい人だ。俺がピットだったときに、すごくいい関係だった。練習の後に一緒に歩きながら、AB(アントニオ・ブラウン)や他の選手、トムリンとかと話して、俺がもっとよくできるところを聞いたり、指導してもらったりしていた。彼はいつだって素晴らしい人だったし、俺たちはいつも話していた。俺たちには素晴らしい友情があったと思う」
「でも、起こるときは起こるし、起こらないならそれまでのことだ」
それらの指導を十分に生かし、最終的に2016年ドラフト2巡目でNFLにやってきたボイドだが、ベンガルズの一員として、スティーラーズとは敵対する立場となった。
シンシナティで8年プレーしたボイドは、昨年にテネシー・タイタンズに加入。キャッチ39回、390ヤードをマークした。ボイドにとって、こういった数字はリーグ2年目以降で最も低い数字であり、昨年は初めて無得点に終わっている。
11月に31歳になるボイドは、オフシーズンの後半もフリーエージェントのまま過ごしており、各チームが売り出し中の選手を検討したり、トレーニングキャンプ中の負傷を受けて緊急で補強したりする可能性があるプレシーズンも、その状態で様子を見るかもしれない。
まだ何らかの動きが報じられたわけではないが、ボイドがどこかに10年目のシーズンを過ごすチームを見つけるとすれば、スティーラーズは妥当なチームだと言えるだろう。
WRジョージ・ピケンズをダラス・カウボーイズにトレードで送り出したスティーラーズには、このポジションに明白な補強の必要性がある。D.K.メットカーフを筆頭に、クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースがキャリア最後になるかもしれないシーズンにパスを投じる相手としては、ロバート・ウッズ、カルビン・オースティン三世、ロマン・ウィルソン、スコット・ミラー、ベン・スコーロニクらがいる。
補強は十分考えられるが、その対象がキーナン・アレンやアマリ・クーパー、ゲイブ・デイビスといった選手になってもおかしくない。
ボイドがピッツバーグに戻ることがあれば、地元のヒーローから宿敵へ、そしてまたブラックへという、ファンの心を沸かせる壮大な物語が紡がれることになるだろう。
とは言え、ボイドはこの仮定を必要以上に心にとどめていない。それがスティーラーズであろうと他の場所であろうと、ボイドには戦う準備が整っており、近いうちにオファーがかかることに期待を抱いている。
「キャンプが始まってくるだろ。だから、これから数週間で関心を持つチームが増えていくだろうし、そこからやっていく」とボイドは話した。
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