49ersに復帰し、「クールな構想」を用意するサラーDC
2025年05月10日(土) 12:09
ロバート・サラーはクローゼットの奥に眠っていた、履き古したズボンのようになじみのある役割に再び身を投じている。ニューヨーク・ジェッツのヘッドコーチ(HC)になる前、4年間にわたってサンフランシスコ・49ersの守備コーディネーター(DC)を務めていたサラーは、再びその肩書きを手にすることになった。
現地8日(木)、ベイエリアに戻ってから初めて公の場で発言したサラーは、ヘッドコーチとして経験を積んだことによって、ディフェンス指導の現場に戻ることの良さが分かるようになったと明かしている。
チーム公式記録によれば、サラーは「もちろん、ヘッドコーチの仕事を経験して多くのことを学んだ」と述べ、こう続けたという。
「でも、ヘッドコーチとしての役割に伴う管理業務から解放され、もう少しフットボールの指導に集中できるこの役割に戻れたことをうれしく思っている。特に、その点が、戻ってきて一番ワクワクした部分だ。前にコーディネーターを務めていたチームに戻ってきて、今はヘッドコーチとしての経験を積み、全体像を見渡せるようになっている。つまり、カイル(シャナハンHC)が直面している状況を理解して、できる限りのサポートをしようという思いがある。だが、それは単純に経験が増えたんだと思う」
ジェッツから就任4年目の序盤に解雇されたサラーは、その年の残りをグリーンベイ・パッカーズのコンサルタントとして過ごした。今オフシーズンはジャクソンビル・ジャガーズのヘッドコーチ候補となっていたが、その職に就けなかったため、サンフランシスコに復帰。1月にニック・ソレンセンを解雇した49ersに戻ることは、理にかなった動きだったと言えよう。
49ersでの最初の2シーズンで苦戦していたにもかかわらず、チームが自分を起用し続けてくれたことに対して恩義を感じていると語ったサラーは、次のようにコメントしている。
「この組織に対してはとても大きな敬意を抱いている。守備コーディネーターとしての最初の2年間、2017年と2018年を振り返ると、それは厳しい期間だった。彼らが私を見限るのはものすごく簡単だったはず。だからこそ・・・私はこの組織や当時のメンバーに一生恩義を感じている。彼らは私を起用し続けた。そして、私たちはやるべきことを成し遂げ、あとはご存知の通りだ。彼らと共に再びそれをやり遂げる機会が得られることに、ワクワクしている」
チームの問題を解決するために与えられた2年間は、前任の2人の守備コーディネーターには許されなかった贅沢だった――ソレンセンとスティーブ・ウィルクスは1シーズンで解雇されている。
自身のディフェンス戦術が年月を経て自然に進化してきたと語ったサラーは、ディフェンシブエンド(DE)ニック・ボサやミドルラインバッカー(MLB)フレッド・ワーナーといった選手たちを再び指導できることを楽しみにしているようだ。
「ああ、もちろん進化してきた」とサラーは説明している。
「常にオフェンスの2年先を見据えている。そして、ジェッツに移ったときに、たくさん新しいことを始めた。今でも、ジェッツ時代の要素がある一方で、この4年間で進化してきた部分もあるし、もちろん、リーグ全体でも変化が起こっている。今オフシーズンには、本当にクールな構想や考えがたくさん生まれた。だから、同じ部分もあれば、ジェッツでやっていたこともあるし、融合させた部分や、新しく取り入れたものもある。つまり、すでにお話しした通り、私たちは常に2年先を見据えているということだ。似ているように見える部分も多いかもしれないが、違いを生み出す微妙な差異がたくさんある」
49ersがオフシーズンに行った大きな変革には、ラインバッカー(LB)ドレイ・グリーンローやセーフティ(S)タラノア・フファンガ、コーナーバック(CB)シャーバリウス・ウォード、ディフェンシブエンド(DE)レナード・フロイドといった主力守備選手たちの離脱が含まれていた。サラーはドラフト1巡目指名を受けたDEマイケル・ウィリアムズや3巡目指名を受けたCBニック・マーティンといった若手選手たちが大きな役割を果たすことに期待することになる。サラーには若手選手の力を最大限に活用する能力があるため、49ersのフロントオフィスにとっては、守備面の大幅な変化に対する心配が少し軽減したはずだ。
【RA】