ニュース

ミズーリ州がチーフスとロイヤルズのスタジアム改修支援およびセントルイスの災害救援策を承認

2025年06月12日(木) 12:04

カンザスシティ・チーフス【NFL】

現地11日(水)、ミズーリ州議会はカンザスシティ・チーフスとカンザスシティ・ロイヤルズを州内にとどめるための財政支援、ならびに竜巻によって壊滅的な被害を受けたセントルイス地域の復旧支援として、数億ドル規模の援助を承認した。

法案は下院を通過し、特別会期を招集した共和党のマイク・キーホー州知事のもとへ送付された。迅速な対応を求めていたキーホー州知事は、法案に署名する見通しだ。

今回の特別会期では、新たなスポーツスタジアム建設への税金投入という動きと、ドナルド・トランプ大統領政権下で見直しが進む自然災害に対する州の役割という、全国的に注目を集める2つの異なるテーマが並行して取り上げられた。

セントルイスでは、通常会期が終了した翌日の5月16日に死者を伴う竜巻が発生し、被害額は16億ドル(約2,304億3,200万円)に達すると見積もられている。もともとスタジアム補助金は州内の主要課題とされていたが、この災害が議論に一層の緊急性をもたらした。

州議会は、セントルイスに対して無制限の支援として1億ドル(約144億200万円)、大統領による災害宣言の対象地域には緊急住宅支援として2,500万ドル(約36億50万円)を可決した。加えて、今年の嵐で被害を受けた住宅所有者や借家人には、保険の免責額を相殺するための5,000ドル(約72万円)の所得税控除も承認されている。この措置にかかる費用は、最終的に6億ドル(約864億1,200万円)にのぼる可能性があると、州予算局長ダン・ハウグは見通しを示している。

現在、チーフスとロイヤルズはミズーリ州ジャクソン郡にある隣接するスタジアムを本拠地としており、リース契約は2031年1月に満了を迎える。昨年に行われたジャクソン郡の住民投票では、チーフスのアローヘッド・スタジアムの改修に約8億ドル(約1,152億1,600万円)、さらにカンザスシティのダウンタウンに新たな球場地区を建設するロイヤルズの計画に約20億ドル(約2,880億4,000万円)を充てるための売上税延長案が否決された。

これを受けて、隣接するカンザス州の議会は昨年、チーム誘致の一環としてスタジアム建設費の最大70%を補填するための債券発行を承認した。ロイヤルズはすでにカンザス州内の土地に対する抵当権を取得しているものの、同時にミズーリ州内の他の候補地についても検討し続けている。

カンザス州によるこのオファーは6月30日で失効する予定となっており、ミズーリ州にとっては対抗措置の承認が急務となっている。

ミズーリ州が今回可決した法案では、新設または改修されるスタジアムに対し、建設費の最大50%を賄う債券の発行が認められた。さらに、各スタジアムに対して最大5,000万ドルの税額控除や、地方自治体からの詳細未定の支援も盛り込まれている。チーフスがミズーリ州にとどまる決断をした場合、11億5,000万ドル(約1,653億3,550万円)を投じてアローヘッド・スタジアムの大規模改修を行う計画を掲げている。

チーフスは『Associated Press(AP通信)』に対し、今回の州議会による採決について、ミズーリ州残留に向けた選択肢を引き続き検討するうえで「重要な一歩」と評価している。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


【R】