組合改革の渦中でNFLPA幹部のトレッターが辞任
2025年07月22日(火) 13:34
NFL選手会(NFLPA)の事務局長を務めていたロイド・ハウエルが辞任してから3日後、今度はチーフ・ストラテジー・オフィサーを務めていたJC・トレッターが組織を去ることが明らかになった。
現地20日(日)、トレッターは『CBS Sports(CBSスポーツ)』に対し、自身がNFLPAの暫定事務局長候補として検討されることを望んでおらず、ハウエルの立場を弱体化させるような行動には一切関与していないと語った。
「ここ数日間、家族にとって耐えがたい状況が続いており、私はそれを見過ごすことはできない」と、トレッターは日曜日にCBSスポーツに語った。
「要点を簡潔に言えば、私は(事務局長に)なるつもりはまったくなく、候補として見られることにも関心がない。その旨は執行委員会にも伝えてある。そして、この組織に対してもう自分が提供できるものが残っていないため、今後数日以内にNFLPAを去るつもりだ」
34歳のトレッターは、2021年までの8シーズンにわたりグリーンベイ・パッカーズとクリーブランド・ブラウンズでセンター(C)としてプレーした。2020年から2024年までNFLPAの会長を務め、2024年10月から現在の役職に就いている。
ハウエルは、自身のリーダーとしての立場が組織の妨げになっているとして、2年の任期を経て木曜日に辞任した。ハウエルはNFLフランチャイズの少数株式取得をリーグから承認されている未公開株式投資会社『Carlyle Group(カーライル・グループ)』で非常勤のコンサルタント職を続けていることを『ESPN』に報じられて以来、厳しい批判を受けてきた。
この件に続いて明らかになったのが、NFLPAとリーグが、クオーターバック(QB)の報酬をめぐってオーナーたちが共謀していた可能性に関する仲裁人の判断を非公開にするための秘密保持契約を結んでいたという事実だった。
ESPNが木曜日に報じた最新の問題は、ハウエルに賛成票を投じた2人の選手代表が、ハウエルが上級幹部として『Booz Allen(ブーズ・アレン)』に在籍していた2011年に性的差別と報復行為で訴えられていたことを知らなかったという内容だった。
NFLPAがオーナー側を共謀行為で提訴した翌年の2023年にNFLは選手会を提訴している。トレッターがインタビューの中で、契約に不満を持つランニングバック(RB)は負傷を装うこともできると示唆したことが、労使協定違反にあたるとされたためだった。
この不服申し立てについても今年中に決着がついていたが、公にはされていなかった。
トレッターは『CBSスポーツ』に対し、自身は共謀に関する申し立てには関与しておらず、機密保持契約にも関与していなかったと主張している。
トレッターは、ハウエルが選手会の事務局長に選出された2023年当時、NFLPAの選手会長を務めていた。その直前には、投票によって選手会の憲章が改定され、候補者の選定および選挙プロセスの機密性が高められていた。
「私が辞任するのは、非難されている内容が事実だからではない」とトレッターは語った。
「不名誉な辞任をするつもりはない。事態があまりにも深刻になり、私と家族にとって耐えがたいものになったからだ。この6週間、ずっと耐えてきた。そして私は、組織のために矢面に立たされ続け、嵐にさらされているような感覚だった。でも結局のところ、組織は私に何をしてくれたのか? 何もない」
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