ファルコンズKクー、昨季のFG9回失敗を受けて6年守ったキッカーの座に暗雲
2025年08月07日(木) 10:15
ヤンオエ・クーは昨シーズンにキャリア最多となる9回のフィールドゴール失敗を喫し、6年守り続けてきたアトランタ・ファルコンズのキッカー(K)としての座が危うくなっている。
クーはヘッドコーチ(HC)ラヒーム・モリスからの強い信頼を受けながらトレーニングキャンプを迎えた。クーの成績がフィールドゴール34回中25回成功に終わった昨季を経て、チームは競争を促すためにトレーニングキャンプでレニー・クリーグをロースターに加えている。ドイツ・ベルリン出身のクリーグは強い脚力を持っており、勝負の行方を面白くする存在だ。キックの精度が問われる競争は、現地8日(金)夜に行われるデトロイト・ライオンズとのプレーシーズン初戦から始まるだろう。
7年のキャリアを積んできたクーは昨シーズン、それ以前の最多記録である5回のほぼ2倍にあたる9回のミスを犯した。
2019年にファルコンズと契約したクーは、2020年にプロボウルに選出されている。2024年シーズン中に喫したミスには、ファルコンズを勝利に導いたかもしれない重要なフィールドゴールも含まれていた。チームはシーズン最後の2試合で連続して延長戦の末に敗れ、8勝9敗でシーズンを終えている。
11月10日に20対17で敗れたニューオーリンズ・セインツ戦で、クーはフィールドゴールを3回外し、そのうち1回はブロックされた。それはキャリアで初めて3回のフィールドゴールに失敗した試合となった。
クーは股関節のケガとも闘い、12月18日には故障者リザーブ(IR)に登録されている。
月曜日、クーは「最高のシーズンではなかった」と振り返った。
「それがモチベーションになっている。前に進むだけさ。メンタル的にも身体的にも調子はいい。いつものオフシーズンと変わらない」
その競争相手としてやって来たのがクリーグだ。クリーグは欧州フットボールリーグのシュトゥットガルト・サージで2シーズン(2023年から2024年)にわたってプレーし、フィールドゴールを26回中19回成功させ、キャリア最長52ヤードを記録したことがある選手だ。
クリーグは火曜日に、トレーニングキャンプは“とても楽しい”ものであり、“素晴らしい経験”だと語っている。
「とても楽しんでいる」と言うクリーグは、「今後も懸命に取り組む」と決意を述べた。
クーはクリーグのことを“素晴らしい人”だと評している。
「彼は懸命に取り組んでいるし、俺はできる限りサポートしようとしている」と明かしたクーは「自分の役割を果たし、最高の自分になること」が目標だとつけ加えた。
クーの経験から学ぼうとしているクリーグは、次のように話している。
「彼は素晴らしい存在だ。ルーティンや仕事に対する姿勢、キックに対する考え方について教えてくれる貴重な存在だ。素晴らしい関係を築いている。彼がオープンに、温かく接してくれることに心から感謝している」
競争の最中にあるにもかかわらず、プレッシャーの度合いは以前と変わっていないと感じているクーはこう語った。
「同じことだ。シーズン第1週が来たら、それまでに何をしてきたか、何をしてこなかったかはあまり重要じゃなくなる。そのとき何をするかが重要だから、俺はそこに向けて準備を整えるだけだ」
モリスHCはクーが契約を結んだ2019年に、ファルコンズでセカンダリーコーチを務めていた。モリスHCは、現在もクーを信頼しているため、プレシーズンでの競争ではクーが優位に立っていると述べている。
「ヤンオエが復活の年を迎えるのを見るのが本当に楽しみだし、彼の復調を心から期待している。ヤンオエとともに仕事を始めたから、彼には絶大な信頼を寄せている」
クリーグの指導役を務めていないとき、クーはフィールド外でクオーターバック(QB)マイケル・ペニックスJr.にゴルフを教えることを新たな役割としている。ペニックスJr.は新しい趣味における一貫性の欠如に課題を感じているが、クーはペニックスJr.のスイングにポテンシャルを見出しているようだ。
クーは「彼には教えられないものがある。それはスピードだ。彼はこれまで見てきた中で誰よりも強くボールを打つ。可能性は無限大だ」と話している。
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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