ニュース

パンサーズ戦で2回のタッチダウンを決めて注目を浴びるブラウンズQBサンダース

2025年08月09日(土) 13:05

クリーブランド・ブラウンズのシェドゥーア・サンダース【AP Photo/Rusty Jones】

クリーブランド・ブラウンズのロースターには現在、6人のクオーターバック(QB)がいる。

その中で現地8日(金)夜に最も注目を集めたのは、ほぼ間違いなく新人のシェドゥーア・サンダースだった。

2025年ドラフト5巡目指名を受けたサンダースはチャンスをつかみ、ブラウンズがカロライナ・パンサーズを30対10で下した試合で2回のタッチダウンパスを決め、パス23回中14回成功、138ヤードを記録。さらにランでも19ヤードを獲得し、試合を通じて自信を深めていった。

6人のクオーターバックのうち、金曜日の試合に出場予定だったのは、サンダースと最近チームに加入したタイラー・ハントリーだけだった。ケニー・ピケットとドラフト3巡目指名を受けたディロン・ゲイブリエルはハムストリングのケガで離脱しており、先発最有力候補のジョー・フラッコは欠場が決まっていた。また、アキレス腱(けん)を断裂しているデショーン・ワトソンはPUP(故障者)リストに登録されている。

そうした中で、先発を務めたサンダースは、試合開始からパンサーズの先発守備選手を相手に戦い、試合後半まで出場して多くのプレー機会を得た。

殿堂入りを果たしたディオン・サンダースの息子で、コロラド大学出身のサンダースは、この数年で特に注目されたプレシーズンゲームのオープニングドライブをスリーアンドアウトで終えるなど、出だしは不調だった。

その後、徐々に落ち着き始めたサンダースは、冷静さを見せ、正確で素晴らしいパスを投げ、スクランブルにも成功し、ここぞという場面で強さを発揮した。サンダースを批判する人は多く、確かに腕の強さが不足しているように見えるときやボールを持ちすぎる傾向も見られたが、そうしたプレーの中にも、決して諦めない姿勢が見てとれた。

ヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーはサンダースをアンダーセンターとショットガンの両方で起用。サンダースはランで結果を残し、プレッシャーに耐え、さまざまな状況で良いパフォーマンスを見せた。

第3ダウンでのパスが大きくそれた後、サンダースとブラウンズはパンサーズのパントミスで大きなチャンスをつかんだ。試合の大半でチャンスをつかんできたサンダースは、その機会も最大限に生かし、第2クオーターの最初のプレーで左側に走りつつ、ダブルカバーされていたワイドレシーバー(WR)ケイデン・デイビスに7ヤードのタッチダウンパスを正確に通している。

サンダースは試合前半終了まで残り1分58秒の時点で、低めで正確なパスを再びデイビスに通し、12ヤードのタッチダウンパスを成功させた。

サンダースは第3クオーターに3度目のタッチダウンドライブを演出し、この日の出番を終えている。

多くの視線が集まる中、コロラド大学のスター選手だったサンダースは素晴らしいパフォーマンスを見せ、将来NBAの殿堂入りが確実視されているクリーブランド出身のレブロン・ジェームズからも称賛を受けた。

「“まだプレシーズンだ”なんてくだらないことは聞きたくない。もし彼が試合に出て活躍していなかったら、みんな彼のことを責めていたはずだ! だから、ダサいやつらもちゃんと評価して寛容になれよな」

ピケットとゲイブリエルがケガから復帰した場合、サンダースがプレシーズンで今回ほど出場機会を得る可能性は低い。そのため、今回の活躍が変化しつつあるブラウンズQB陣の序列にどう影響するかは分からないが、サンダースの評価が上がらなかったと考えるのは難しいだろう。

少なくとも、サンダースは金曜日に臨んだプレシーズンデビュー戦で、プロのクオーターバックのように見えた。

【RA】