コマンダースとWRマクローリンが3年最大141億円の契約延長に合意
2025年08月26日(火) 10:58
11人ものクオーターバック(QB)が先発を務め、フルタイムのヘッドコーチ(HC)が3回入れ替わり、フランチャイズ名が3回変更され、オーナーも交代するなど、数々の困難を経験しながらも、ワイドレシーバー(WR)テリー・マクローリンは輝きを放ち続けてきた。
ワシントン・コマンダースが復活を遂げた2024年シーズンを経て、マクローリンはキャリアで3度目の契約を獲得している。
現地25日(月)、マクローリンとコマンダースが最大9,600万ドル(約141億4,306万円)に上る3年契約に合意したと、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポート、トム・ペリセロ、マイク・ガラフォロが報じた。
ペリセロによると、マクローリンの契約には3,000万ドル(約44億1,971万円)のサインボーナスが含まれるという。
今回の合意により、マクローリンとチームの間で長く続いていたこう着状態が終結している。マクローリンは7月27日にトレーニングキャンプに遅れて集合した後、PUP(故障者)リストに登録され、その数日後に交渉の停滞を理由にトレードを要求した。マクローリンは8月16日にPUPリストから外れたものの、練習は再開していなかった。
29歳のマクローリンはトレーニングキャンプで緊張が生じる前から不満を表明していた。7月15日には、その時点で1カ月以上契約交渉が滞っていたことについて“かなり不満を抱いている”とコメント。OTA(チーム合同練習)や参加必須のミニキャンプを欠席していたことから、不透明な状況は続いていた。
契約が成立したことで、マクローリンはこれまでの問題をすべて乗り越え、レギュラーシーズン初戦の13日前にフィールド復帰できるようになった。
マクローリンは3年6,960万ドル(約102億5,372万円)の契約の最終年を迎えていた。この契約も、2022年に参加必須のミニキャンプを欠席した後にサインしたもので、年平均額(2,320万ドル/約34億1,791万円)はWRの中で17位だった。今回の契約延長により、年平均額は3,200万ドル(約47億1,435万円)となり、7位タイに位置することになる。
AP通信NFLオフェンス部門年間最優秀新人賞に輝いたクオーターバック(QB)ジェイデン・ダニエルズの加入を後押しに、コマンダースは2024年に12勝5敗の成績を収め、2016年以来となる勝ち越しシーズンを達成。1991年以来となるNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲーム進出も果たした。
“スケアリー・テリー”の愛称で親しまれるマクローリンは昨季にキャリアで2度目のプロボウルに選出され、キャリアハイかつフランチャイズ記録となる13回のタッチダウンレシーブを記録。さらに、レシーブ82回で1,096ヤードを獲得した。
クオーターバックが次々と入れ替わる状況――6人のQBが先発となり、複数の控えQBも先発を務めた――にもかかわらず、マクローリンは常に安定した活躍を見せてきた。2019年ドラフト3巡目指名を受けたマクローリンは6年連続で、レシーブ数とレシーブヤードでチームトップに立っている。さらに、『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、マクローリンは5年連続で1,000ヤード超えを達成しており、主要な先発QBが毎年異なる中でそれを成し遂げたNFL史上初の選手になったという。
マクローリンとチームにとって幸運なことに、コマンダースは現在と未来を担うQB1としてダニエルズを見つけた。ダニエルズとマクローリンのコンビは2024年シーズンにパサーレーティング130.4を記録。ターゲット75回以上を記録したコンビとして、デトロイト・ライオンズのQBジャレッド・ゴフとWRアモン-ラ・セント・ブラウン(134.5)に次いでNFL内2位につけた。
ワシントンで困難な時期を経験しながらも、常に傑出した存在であり続けてきたマクローリンは、さらなる試練を経て、望んでいた契約延長をついに実現させた。
【RA】