ジャイアンツがファンに人気のQBデヴィートをウェイバーに
2025年08月27日(水) 11:11
“トミー・カツレツ”は“カット”されてしまった。
ファンに人気のトミー・デヴィートはニューヨーク・ジャイアンツのロースターで、過去にチームでプレーした経験を持つ唯一のクオーターバック(QB)となっていた。しかし、ジャイアンツはそんなデヴィートを現地26日(火)にウェイバーにかけたと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとマイク・ガラフォロが情報筋の話をもとに報じている。その後、チームは正式にデヴィートの放出を発表した。
プロボウルに10回選出された経歴を持つラッセル・ウィルソンがジャイアンツの先発となり、同じくフリーエージェント(FA)として加入したベテランのジェイミス・ウィンストンがデプスチャートで2番手に位置し、ドラフト1巡目指名を受けた新人のジャクソン・ダートがプレシーズンで素晴らしい活躍を見せたため、デヴィートは余剰戦力となってしまった。
53人のロースターに4人のクオーターバックを抱えるチームは稀であるため、デヴィートの放出はそれほど驚くことではない。また、他チームから獲得されなかった場合に、デヴィートが練習生としてニューヨークに戻る可能性も十分考えられる。
先週木曜日に実施されたニューイングランド・ペイトリオッツとのプレシーズン最終戦がデヴィートにとってジャイアンツでの最後の試合となったなら、それは印象的な幕切れだったと言えよう。デヴィートはジャイアンツが42対10で勝利した試合で3回のタッチダウンを決め、パス20回中17回を成功させて198ヤードを記録した。
シラキュース大学で4シーズンにわたってプレーした後、イリノイ大学に移り、ドラフト外フリーエージェントとしてジャイアンツに加入したニュージャージー出身のデヴィートは、2023年に低迷していたチームに活気をもたらし、シーズン途中にジャイアンツを3連勝に導いたことで大きな注目を集めた。
その3連勝は、NFLのドラフト時代において、ドラフト外フリーエージェントの新人による最多タイ記録となっている。24対22でグリーンベイ・パッカーズを下したマンデーナイトゲームで勝利を決定づけるフィールドゴールドライブを演出したデヴィートは、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)オフェンス部門週間最優秀選手に選ばれた。
2023年にダニエル・ジョーンズと控えのタイロッド・テイラーの代役を務めたデヴィートは、昨シーズンもジョーンズがベンチに下がった後に3試合に出場し、2試合で先発を務めた。
27歳のデヴィートはキャリア通算でパス222回中145回を成功させて(成功率65.3%)1,358ヤード、タッチダウン8回、インターセプト3回を記録している。
2023年の数週間、デヴィートは混乱していたジャイアンツの中で、心温まる逆転劇の主人公となっていたが、2024年には結果も成績も振るわなかった。2025年シーズンを迎えるにあたり、ロースター入りは望み薄となり、その壁を乗り越えることができなかった。
デヴィートには、水曜日までにビッグブルーに復帰する可能性も、新しいチームを見つける可能性もある。しかし現時点で、トミー・カツレツのジャイアンツでの時間――困難な時期にもファンを楽しませた日々――は終わりを迎えた。
【RA】