ニュース

チーフスWRライスに6試合の出場停止処分

2025年08月28日(木) 11:27

カンザスシティ・チーフスのラシー・ライス【AP Photo/Lindsey Wasson】

NFLが現地27日(水)、リーグの個人行動規範に違反したカンザスシティ・チーフスのワイドレシーバー(WR)ラシー・ライスに2025年レギュラーシーズン開幕から6試合の出場停止処分を科すと発表した。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロは正式な発表が行われる前にライスの処分について報じ、ライスは控訴せずに処分を受け入れる見込みだと伝えていた。

現在、チームでの練習も禁止されているライスには、無給での出場停止処分が即時適用される。復帰可能となるのは、チーフスがシーズン第6週の10月13日(日)にデトロイト・ライオンズと対戦した後だ。

ライスの出場停止処分は、2024年3月30日にダラスで別のドライバーと共に多重事故を引き起こし、有罪判決を受けたことに起因する。7月17日に30日間の禁錮刑を言い渡されたライスは、重傷者を伴う衝突と負傷者を出した高速道路でのレース行為という2つの第3級重罪容疑について有罪を認めた。

裁判官は、被害者の医療費として約11万5,000ドル(約1,694万円)を支払っているライスに対し、刑の執行時期を自ら選択することを認めている。

ライスはブラジルで行われるロサンゼルス・チャージャーズ戦、敵地で行われるフィラデルフィア・イーグルス戦、ホーム初戦となるニューヨーク・ジャイアンツ戦、敵地で行われるボルティモア・レイブンズ戦、ホームで行われるジャクソンビル・ジャガーズ戦、そして前述のライオンズ戦を欠場することになる。

ライスが2025年レギュラーシーズンに初めて出場資格を得るのはシーズン第7週のラスベガス・レイダース戦だ。

NFLは当初、ライスに対して10試合以上の出場停止処分を科すことを提案していた。それが、処分期間についてNFLPA(NFL選手会)と合意できない要因となり、9月30日(火)に懲戒審問が予定されることにつながったと、ペリセロは8月15日に報じている。今回のようなケースでシーズンの半分以上を出場停止とする処分が下された前例がなかったことが、NFLPAおよびライスの代理人が反発した理由だった。

最終的に、NFLとNFLPAはライスの処分で合意に達したため、懲戒審問は必要なくなっている。

検察によれば、ライスは事故当時、ランボルギーニ・ウルスのSUVを時速約191kmで運転し、他の車両に衝突したという。また、ライスは事故後に他の車に乗っていた人たちの安否を確認することなく、徒歩で現場から逃走したとされている。

ライスは7月の判決後、弁護士を通じて発表した声明で次のように述べた。

「昨年3月にダラスの高速道路で事故を起こしました。自分の行動がもたらした被害について考え、眠れぬ夜を何度も過ごしてきました。影響を受けたすべての方々が救済されるよう、引き続き自分にできる限りのことを続けていきます。皆さんには速度制限を守り、安全かつ賢明な運転を心がけてほしいと思います。最後になりましたが、何よりも重要なこととして、身体的被害と物的損害を与えたことに心よりおわび申し上げます。罪のないドライバーやそのご家族に与えた損害について、深く謝罪いたします」

2023年NFLドラフト2巡目で指名された南メソジスト大学(SMU)出身のライスは、NFLでの3年目を迎えようとしている。

ルーキーシーズンにはレシーブ79回で938ヤード、タッチダウン7回を記録してWR陣をけん引し、チーフスのスーパーボウル制覇を後押ししたライスだが、2年目の2024年シーズンには第4週にシーズン終了につながる膝のケガに見舞われ、4試合の出場にとどまった。

トレーニングキャンプにフル参加していたライスは、プレシーズンの2試合に出場し、20回のスナップに参加してキャッチ2回、13ヤード、タッチダウン1回を記録している。

【RA】