カウボーイズがDEパーソンズをパッカーズにトレード、2つの1巡目指名権とDTクラークを獲得
2025年08月29日(金) 10:12
現地28日(木)、ダラス・カウボーイズがオールプロ選出経歴を持つディフェンシブエンド(DE)マイカ・パーソンズをグリーンベイ・パッカーズにトレードし、見返りとして2026年と2027年のドラフト1巡目指名権に加え、プロボウルに3度選出された経験を持つディフェンシブタックル(DT)ケニー・クラークを獲得すると『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポート、トム・ペリセロ、ジェーン・スレーターが報じた。
その後、カウボーイズはトレードを正式に発表した。
パーソンズはパッカーズに加入する際に、1億3,600万ドル(約199億8,078万円)が保証された4年1億8,800万ドル(約276億2,049万円)の契約にサインする見込みであり、それによってクオーターバック(QB)以外でNFL史上最高の年平均額(4,700万ドル/約69億0,512万円)を受け取る選手になるとラポポート、ペリセロ、スレーターはつけ加えている。
今回の衝撃的な大型トレードはパーソンズとカウボーイズの別れを決定づけるものとなったが、長期化した契約問題が公の場にも持ち出され、週を追うごとに泥沼化していったにもかかわらず、両者の決別はほんの数週間前までほぼ不可能と思われていた。カウボーイズは有能な選手の契約延長を先延ばしにすることで知られているが、両者の決別はあり得ないと考えられていた。その理由は単純かつ明快で、パーソンズのような選手を、特に彼が全盛期に差し掛かろうとしているこの時期に、進んで手放すチームなど存在しないと考えられていたのだ。
しかし、カウボーイズ――そして、オーナーのジェリー・ジョーンズ――は異なる見解を持っていたようだ。
40年近くカウボーイズのオーナーとして過ごしてきた中で、ジョーンズは常に世間の常識に逆らう選択(1989年のハーシェル・ウォーカーのトレードなど)をしており、今回も例外ではなかった。パーソンズの代理人とにらめっこを続ける中、世界的に有名なオーナーであるジョーンズは瞬きをしなかった。トレードのうわさが広がった今週、パーソンズはスレーターに対し、契約延長について再びカウボーイズに掛け合ったが、“5年目にプレーするか、去るか”という返答を突きつけられたと明かしている。
今回の決定の波及効果は、2025年シーズンをはるかに超えて広がる可能性がある。
パーソンズはソーシャルメディアに投稿した声明で「この章は終わってほしくなかったけど、すべてをコントロールできたわけじゃなかった。自分の心は常にここにあったし、今もそうだ。その間ずっと、自分から何かを要求したことはない。ただ公正さを求めただけだ。ただ、信頼して契約交渉を任せている人物がそのプロセスに加わることを求めただけだった」とつづっている。
カウボーイズは自らの最高の選手――NFLでの4シーズンでオールプロに2回選出され、ディフェンス部門年間最優秀選手賞の候補に3回選ばれたパーソンズ――を、ドラフト資本と引き換えに手放すことを選んだ。これにより、パーソンズの破壊力を軸に築かれたディフェンスには大きな穴があくことになる。過去4シーズンでサック52.5回、タックル256回、フォースドファンブル9回、パスディフェンス9回、ファンブルリカバリー4回を記録した選手がいなくなるのだ。パーソンズは現代フットボール史において希少な存在であり、デビューから4シーズン連続でプロボウルに選出された守備選手は、将来の殿堂入りが確実視されているアーロン・ドナルドとパトリック・ピーターソン、そしてパーソンズの3人のみとなっている。
カウボーイズは見返りとして豊富なドラフト資本を手に入れると同時に、1年目のヘッドコーチ(HC)ブライアン・ショッテンハイマーが指揮を執るチームの短期目標についてはやや不可解なメッセージを発することになった。カウボーイズ幹部にとってより重要なのは、パーソンズをグリーンベイに送り出すことで、パーソンズとチーム全体につきまとっていた絶え間のない騒動を鎮めることだったのかもしれない。
木曜日にカウボーイズとパッカーズの間で成立したトレードは、オフシーズンからトレーニングキャンプ、プレシーズンにまで及んだ一連の騒動に終止符を打つものとなっている。この間、日々の出席状況に関する報道や、詳細なトレード要求の公表、さらにはプレシーズン最終戦でパーソンズがサイドラインのトレーニングテーブルで居眠りをしたのではないかという論争まで巻き起こっていた。しかし、騒動が長引く中でも、フットボール界はカウボーイズとパーソンズが最終的に合意に至ると予想していた。
ところが、両者は別々の道を歩むことに合意している。
パーソンズは、この数年でパスラッシュユニットの強化を試みてきたものの安定した成果をあげられていないパッカーズのディフェンスに加わる。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によれば、パッカーズ守備陣は昨シーズン、QBプレッシャー率(32.3%)でNFL内20位にとどまったという。DEラシャン・ゲイリーがチームで最も優れたクオーターバックハンターとして活躍してきたが、守備コーディネーター(DC)ジェフ・ハフリーの下でパスラッシュユニットが本領を発揮するためにゲイリーに相棒が必要なのは明らかだった。
しかし、ゲイリーとパッカーズは相棒を獲得するのではなく、自らの巣穴に頂点捕食者を迎え入れようとしている。
一方、パッカーズで9シーズンを過ごしてきたクラークは、ディフェンシブラインを強化するために実績のあるベテランを必要としていたカウボーイズに移籍することになった。カウボーイズは2023年ドラフト1巡目でミシガン大学出身のDTマジー・スミスを指名したが、この2シーズンで期待したほどの成果は得られていない。スミスは最終ロースターカットが行われた今週に放出を免れたものの、2025年シーズンを迎えるにあたり、チームの不安材料と見なされている。
クラークの加入により、ディフェンシブラインは強化され、2025年シーズンの問題は解消される見込みだ。クラークはおそらく、ディフェンシブラインの内側でオーサ・オデギズーワと並んでプレーすることになる。
パーソンズは今夏に選手とチームの間で発生した契約問題の中で、最後に注目を浴びた当事者となっていた。木曜日のトレードでその問題には決着がつき、パーソンズは、過去に不満を抱えつつも新契約や契約再構築を実現させた選手たちの仲間入りを果たしている。その中には、クリーブランド・ブラウンズのマイルズ・ギャレット、ピッツバーグ・スティーラーズのT.J.ワット、シンシナティ・ベンガルズのトレイ・ヘンドリックソンといったエッジラッシャーや、ワイドレシーバー(WR)テリー・マクローリンが含まれる。ギャレット、ヘンドリックソン、マクローリンはそれぞれトレードを要求したが、最終的には契約をまとめてチームに残留した。
パーソンズのトレードとその後の契約延長は、2025年にエッジラッシャー市場がリセットされた4回目の事例となる。今年はその市場で活発な動きが見られ、ラスベガス・レイダースのマックス・クロスビー、ギャレット、ワットが新契約を結び、ヘンドリックソンは1年契約での昇給を果たした。
しかし、このグループで最も輝きを放っていたのはパーソンズだ。無限の可能性を秘めている26歳のパーソンズには、2つのドラフト1巡目指名権を差し出すほどの価値がある。今回のトレードは、1992年にアトランタ・ファルコンズからブレット・ファーブを獲得して以来、パッカーズが初めて1巡目指名権を含めた取引に踏み切った例となった。レギュラーシーズン開幕まで約1週間となる中、パーソンズは荷物をまとめてダラスを離れ、新天地へ向かう。到着するやいなや、パーソンズには非常に大きな期待が寄せられるだろう。
【RA】