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ブラウンズがスティーラーズ戦に向けてサンダースをバックアップQBに指名

2025年10月11日(土) 10:48

クリーブランド・ブラウンズのシェドゥーア・サンダース【Michael Owens via AP】

クオーターバック(QB)シェドゥーア・サンダースはクリーブランド・ブラウンズでプレーするチャンスを辛抱強く待ち続けてきた。その機会は目前に迫っている。

現地12日(日)に地区ライバルのピッツバーグ・スティーラーズと対決する試合では、サンダースがディロン・ゲイブリエルのバックアップを務めることになった。これにより、2003年を最後にスティーラーズの本拠地でレギュラーシーズンに勝利を挙げていないブラウンズは、2人の新人クオーターバックと共に敵地に乗り込むことになる。

サンダースは今シーズン最初の5試合で緊急時の3番手クオーターバックとされ、試合当日はインアクティブとなっていた。大きな注目を浴びていたサンダースをドラフト5巡目で指名したブラウンズは、慎重に育成を進めてきたが、現在はレギュラーシーズンでの実戦経験がないにもかかわらず、サンダースを2番手QBとして起用できると考えているようだ。

ヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーは先日、サンダースの起用について“様子を見たい”と述べるにとどめ、明言を避けた。しかし、金曜日の練習後にサンダースをバックアップQBに昇格させると発表し、その理由を次のように説明している。

「私は常に選手たちのこと、そして選手たちにとって何が最善かを考えている。若手選手、特にクオーターバックポジションに関しては意図を持って判断したいと考えている。それだけのことだ。チーム全員の活躍を楽しみにしている」

ステファンスキーHCには、2024年シーズン最終戦で先発を務めた後、チームに練習生として所属しているベイリー・ザップを起用する選択肢もあった。

サンダースの昇格は、ブラウンズが今週にジョー・フラッコをシンシナティ・ベンガルズにトレードしたことを受けて決まっている。キャリア18年目のフラッコはシーズン最初の4試合で先発を務めたが、あまりにも多くのインターセプトを喫したことからゲイブリエルに先発の座を奪われた。

ドラフト3巡目指名を受けたゲイブリエルは先週にロンドンで臨んだミネソタ・バイキングス戦でプロデビューを果たした。次戦ではサンダースが控える中で今季2度目の先発を務める。

サンダースは今週まで練習時間が限られており、スカウトチームでの練習に参加しつつ、ゲイブリエルやザップとレップスを分け合っていた。

サンダースの成長ぶりに感心し、次の段階に進む準備が整ったと考えているステファンスキーHCは、次のようにコメントしている。

「重要なのは、週の練習でも日曜の試合でも、それぞれが自分の役割を果たすことだ。もちろん、バックアップクオーターバックの役割は少し特殊だ。私たちは先発選手を支えるためにできる限りのことをしている。そして、すぐに出場できる準備をしておかなければならない。それはどのポジションの控え選手にも共通する使命だ」

「ここ何年もずっと言ってきたことだが、準備が整っていれば、わざわざ準備する必要はない。繰り返しになるが、出番に備えておくことが、コーチや選手としてやるべき仕事なのだ」

サンダースは木曜日に、ゲイブリエルのバックアップを務める可能性に胸を躍らせていると語った。

「全体的にメンタルの状態はすごく良い」と明かしたサンダースは「トンネルの先に光が見えたら、間違いなくもうちょっと興奮すると思う。ここでの自分の役割が何であれ、感謝しているし、その役割を果たせればそれで満足だ」と続けている。

現在はゲイブリエルが先発QBだが、ブラウンズは今シーズン中にサンダースにも先発の機会を与える見込みだ。長年フランチャイズQBを探し続けてきたブラウンズは、あらゆる選択肢を模索すると見られている。

ブラウンズが2022年にQBデショーン・ワトソンを獲得し、完全保証の2億3,000万ドル(約350億6,477万円)の契約を結んだ判断は、完全に裏目に出た。ワトソンはケガと11試合の出場停止処分により、わずか19試合しか先発していない。現在も断裂したアキレス腱(けん)のリハビリを行なっており、2025年シーズン中の復帰は見込み薄となっている。

ゲイブリエルやサンダースを起用してうまくいかなかった場合に備え、2つの2026年ドラフト1巡目指名権を保持しているブラウンズは、それを用いてクオーターバックを獲得することができる。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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