NFLがイーグルス戦でのジャイアンツQBダートに対する脳しんとうプロトコルの適用を調査
2025年10月11日(土) 12:45
『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロによると、ニューヨーク・ジャイアンツが現地9日(木)夜にフィラデルフィア・イーグルスに勝利した試合でジャイアンツのクオーターバック(QB)ジャクソン・ダートに適用された脳しんとうプロトコルについて、NFLが調査を開始したという。
ペリセロによると、リーグの調査はNFLPA(NFL選手会)と共同で、両者の団体労働協約(CBA)に基づいて実施されるという。
ヘッドコーチ(HC)ブライアン・ダボールは金曜日に報道陣に対し、ジャイアンツは脳しんとうの評価に関する“すべての規則を遵守する”と述べ、リーグの競技委員会に所属するオーナーのジョン・マーラにとって健康と安全は組織的な最優先事項だと指摘した。
ダートは第3クオーター終盤、イーグルスのラインバッカー(LB)パトリック・ジョンソンにサックされた後に試合を退いている。左サイドからヒットを受けた新人QBのダートはその勢いでLBアジーズ・オジュラーリに衝突。地面に倒れ込む際、ダートの頭はオジュラーリの体にぶつかって後方にはじき返されたように見えた。
ジャイアンツの医療スタッフが駆け寄るまで、22歳のダートは芝生に倒れたまま頭を押さえていた。その後、ダートは軽く走りながらフィールドを後にし、ブルーのメディカルテントに入っている。
ダートの代わりに2回のプレーに参加したラッセル・ウィルソンは、1回目はボールを手渡してランプレーを実行し、もう1回はパスインコンプリートで終えた。ジャイアンツがパントのフォーメーションを組んでいる間には、ダボールHCがサイドラインでチームドクターのスコット・ロデオ医師と口論する姿が目撃されている。
『Associated Press(AP通信)』によれば、ダボールHCは試合後に「チームドクターには直接謝罪した」と述べたという。
「私たちは第4ダウンに臨む準備をしていた。もし彼が出られたならタイムアウトを使っていただろう。どれくらい時間がかかるのかを尋ねていた。何のリスクもないなら、出場させたいからね」
その後、『Prime Video(プライム・ビデオ)』の放送では、ダートの診察中にダボールHCがブルーのメディカルテントから顔をのぞかせている関係者とやり取りする姿がリプレーで映し出された。
ダボールHCは金曜日に「クオーターバックの具合を見にちょっと顔を出しただけだ。プレーする準備が整っていない選手を出場させたいとは考えていない。私はそのプロセスを心から尊重している」とコメント。
新人ランニングバック(RB)キャム・スカッテボもダートが診察を受けている間にブルーのメディカルテントに入る姿が目撃されている。
スカッテボは「あっちに行くときはちょっと冷静になる必要があるなと思っていた。彼が熱くなっているのは分かっていたからね。中に入ったとき、彼は少し興奮気味だった。でも、俺たちは手順を踏んでフィールドに戻れるかを確認する必要があるって分かっていた。だから中に入って“大丈夫だ、俺たちがついている”と伝えた。それだけさ」と語った。
その後、脳しんとうの検査を終えて出場可能と判断されたことが発表され、ダートはジャイアンツが再び攻撃権を得た第4クオーター序盤に試合に復帰した。
マーラはリーグの調査とチームによる脳しんとうプロトコルの運用について、以下の声明を発表している。
「私は今朝、ダボールコーチと昨夜にメディカルテントへ立ち入ったことについて話をした。私は彼自身が述べている通り、プロセスに何らかの影響を与えようとしたわけではないと確信しているが、テントに向かったこと自体が不適切な印象を与えたことは、彼も理解している」
「リーグには選手の安全を確保するためのプロトコルが整備されており、医療スタッフがそれを妨げられることなく実行できるようにする必要がある」
「NFLとNFLPAが調査を進めていることは把握しており、当然ながら全面的に協力する所存だ」
キャリア3度目の先発出場を果たしたダートは、パス25回中17回成功、195ヤード、タッチダウン1回を記録。さらに、ランでも58ヤードを獲得して1回のタッチダウンを決め、ジャイアンツを今季2勝目に導いた。
【RA】