初先発を務めるQBウォードに「超人的な活躍」は求めないとタイタンズHCキャラハン
2025年09月04日(木) 14:46
テネシー・タイタンズは新人クオーターバック(QB)キャメロン・ウォードがデンバー・ブロンコスとのシーズン初戦に可能な限り準備が整った状態で臨めるよう、あらゆる手を尽くしてきた。
その時は現地7日(日)に迫っている。
ヘッドコーチ(HC)ブライアン・キャラハンはドラフト全体1位で指名したウォードについて「あとはやってみて証明するだけだ。それを楽しみにしている」と述べた。
タイタンズはオフシーズンとトレーニングキャンプでウォードにできる限り多くの課題を与え、準備を進めてきた。その一環として、守備コーディネーター(DC)デナード・ウィルソンは練習中に可能な限り多様な守備のパターンをウォードに見せてきた。
キャラハンHCはチームをタンパベイ・バッカニアーズやアトランタ・ファルコンズとの合同練習にも連れて行っている。
ラインバッカー(LB)コーディ・バートンはウォードについて「あいつはうまくやっている・・・本当にすごいやつだ」と語った。
ウォードはチームメイトと頻繁に話し合い、お互いがフィールド上で何をしているかを確認している。また、ウォードはNFLのディフェンスを実感するために、バーチャルリアリティを活用したこともあり、練習後にはワイドレシーバー(WR)との関係構築に時間を割いているようだ。
ロッカーが隣同士のWRカルビン・リドリーは、ウォードは試合に臨む準備ができていると語り、「あいつはすごいよ。ワクワクしている」とコメントした。
ウォードは新しいチームにすぐ適応することに慣れており、インカーネイトワード大学で先発を務めた後、ワシントン州立大学で2シーズンを過ごし、マイアミ大学での唯一のシーズンではハイズマントロフィーの投票で4位につけた実績を持つ。また、マイアミ大学時代に記録した39回を含め、キャリア通算で158回のタッチダウンをマークし、NCAAディビジョンIの最多記録も樹立している。
NFLデビュー戦でブロンコスに勝利するのは、ウォードにとって極めて難しい挑戦となるだろう。
1967年以降に一般的となったドラフト時代において、ドラフト全体1位で指名されたクオーターバックがシーズン初戦で先発を務めた際の戦績は4勝14敗1分となっている。昨年はシカゴ・ベアーズのQBケイレブ・ウィリアムズがシーズン初戦で勝利を収めたが、ドラフト全体1位指名のクオーターバックが初戦で勝利をつかんだのは、2002年にデビッド・カーが成し遂げて以来、初めてのことだった。
2000年以降、ドラフト全体1位指名を受けた16人のクオーターバックはシーズン初戦で1勝14敗1分という結果に終わっている。ウォードはウィリアムズに続き、ブライス・ヤングやトレバー・ローレンス、ジョー・バロウといった選手が名を連ねるリストに加わらないように試みるだろう。なお、2019年ドラフト全体1位指名を受けたQBカイラー・マレーは初戦を引き分けとしている。
タイタンズでシーズン初戦に先発した新人QBは、2015年のマーカス・マリオタが最後だ。ドラフト全体2位指名を受けたマリオタはその試合で、同じドラフトで全体1位指名を受けたジェイミス・ウィンストンが率いるタンパベイ・バッカニアーズに勝利。また、タイタンズで新人クオーターバックが先発を務めるのはウォードで13人目であり、2023年シーズンのウィル・レビス以来のこととなる。
キャラハンHCは水曜日に「彼に超人的な活躍を求めるわけではない。ただ良いフットボールをプレーしてくれればいい」と述べた。
タイタンズはウォードができるだけ早く順応できるようにするため、2024年AP通信NFLオフェンス部門年間最優秀新人賞に輝いたQBジェイデン・ダニエルズが率いたワシントン・コマンダースのオフェンスや、ベアーズが昨季に採用したウィリアムズの起用法を分析した。キャラハンHCはジョー・バロウが新人だった2020年にシンシナティ・ベンガルズで攻撃コーディネーター(OC)を務めていた人物だ。
タイタンズのニック・ホルツOCはシーズン初戦を控えたウォードの現状に満足している。大学からNFLの世界に足を踏み入れたクオーターバックにとっての最大の課題は、相手ディフェンスへの対策だ。ウォードはコーチ陣に質問のメッセージを次々と送るなどしてその準備に取り組んできた。
ホルツOCは「優れた選手になりたいという意欲を持ちながら、段階を踏んでいく必要があると理解している選手がいるのは、コーチとして新鮮な気持ちだ」と述べている。
ウォードはすでに、キャラハンHCが2年目も残留することを望んでいると主張している。大学時代に多くの変化を経験してきたウォードは、単なる良い選手ではなく偉大な選手になりたいと考えており、同じコーチ陣がそばにいることが自身の成長に役立つと理解しているのだ。
「リーグの多くのチーム、特に強豪チームの一番良いところは、チーム全体に安定性があることだ」とウォードは話している。
タイタンズは7年のキャリアを持つラインバッカー(LB)カイジーア・ホワイトと練習生として契約し、ノーズタックル(NT)アイザイア・ライクスを放出した。2018年ドラフト4巡目でロサンゼルス・チャージャーズに指名されたホワイトは、2022年にフィラデルフィア・イーグルスでプレーし、過去2年間はアリゾナ・カーディナルスに所属していた。キャリア通算で92試合に出場し、そのうち73試合で先発を務めている。
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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