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WRワーシーを負傷させた責任を受け止めるチーフスTEケルシー

2025年09月11日(木) 10:05

カンザスシティ・チーフスのトラビス・ケルシーとゼイビア・ワーシー 【Ben Liebenberg via AP】

シーズン初戦のわずか3プレー目で、カンザスシティ・チーフスのオフェンスはラブルートの失敗によって出鼻をくじかれてしまった。

ロサンゼルス・チャージャーズのディフェンダーを遅らせる代わりにワイドレシーバー(WR)ゼイビア・ワーシーと衝突するという不運な出来事に関与したタイトエンド(TE)トラビス・ケルシーは、現地10日(水)にチームメイトの肩を脱臼させたことへの後悔を語るとともに、その後立ち直るまでに時間がかかった経緯を説明した。

ケルシーは自身のポッドキャスト『New Heights(ニュー・ハイツ)』で「一番の責任は俺が負う」と話し、こう続けている。

「最初のドライブでは準備ができていなかった。味方の1人にぶつかり、退場させることになってしまった。文字通り、チームメイトを1人戦線離脱させた。それが一番悔しい部分だ。仲間を傷つけたばかりだと分かっている状況で、モチベーションを取り戻すのは本当に難しい。シーズンのスタートとしても、試合のスタートとしても、悔しい形になってしまった」

自身のルートについて、ケルシーはこうつけ加えている。

「本来はワーシーのために深い位置で自分のルートを走るはずだった。だから、本当に悔しい。味方がポジションにつけるようにサポートしようとしたんだけど、あらゆることがあっという間に起こってしまった。もっと上手くやらなきゃいけなかった。リーグで13年もやっているんだ。あんなふうに味方にぶつかったことには何の言い訳もない」

ワーシーの離脱後にチーフス攻撃陣は苦戦し、前半終了までにフィールドゴールを2回決めるにとどまった。ケルシー自身も同様に動きが鈍く、前半では10ヤードのキャッチを1回記録しただけだった。

「仲間に大きな借りができてしまった」とケルシーはコメントしている。

「X(ワーシー)は分かってくれている。俺は最悪の気分だった。前半の間はほとんどプレーすらできなかったけど、ハーフタイムで彼が思ったよりも元気そうだと分かったとき、気持ちを切り替えることができた」

ケルシーの指摘通り、チーフスは試合後半に勢いを取り戻した。ケルシーもその一翼を担い、サイドライン沿いを誰にもマークされずに巧みに駆け抜け、37ヤードのタッチダウンキャッチに成功。しかし、この試合でケルシーがキャッチしたのはそれが最後だった。チーフスはいつものように試合終盤で逆転のチャンスを得たものの、序盤の失速が響き、最終的にチャージャーズに21対27で敗れた。

ワーシーの復帰時期は現時点では未定だ。ヘッドコーチ(HC)アンディ・リードは水曜日に報道陣に対し、キャリア2年目のワーシーが手術を受ける予定は今のところなく、短期間故障者リザーブ(IR)に登録することも検討されていないと明かしている。

しかし、チーフスではNFLの個人行動規範違反で6試合の出場停止処分を受けたWRラシー・ライスがあと5試合欠場することになっており、ドラフト4巡目指名を受けた新人WRジェイレン・ロイヤルズも膝のケガで離脱を続けている。リードHCの発言はワーシーが長期離脱にならないことを示唆しているものの、チーフスはワーシーの負傷による衝撃以外にも対処すべき問題を抱えている状態だ。0勝1敗の現状で、次戦の相手がスーパーボウル王者のフィラデルフィア・イーグルスであることを考えると、チーフスは停滞するわけにはいかない。

タイクアン・ソーントンはワーシーの代役として深い位置での役割を担うことが期待されている。一方、ジュジュ・スミス・シュスターはチーフスが再契約時に想定していた以上の責任を負うことになるだろう。チャージャーズ戦で16回ターゲットになったことを踏まえると、マーキス・ブラウンがクオーターバック(QB)パトリック・マホームズの主要ターゲットとなりそうだ。さらに、ケルシーが往年のパフォーマンスを披露できれば、チーフスにとって大きなプラスとなるだろう。

チーフスは当面、とにかく打開策を見つけるしかない。

援軍はやがて戻ってくる。その中には、ケルシーが誤って戦線離脱させてしまったことで自責の念に駆られているレシーバーも含まれる。

ケルシーはワーシーについて「復帰したらリーグを席巻すると確信している」と語り、「何よりも大事なのは、彼がチームで最高の選手の1人だってこと。彼はこれからナショナル・フットボール・リーグ屈指のレシーバーの仲間入りを果たすはずだ」と続けた。

【RA】