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コルツが現役復帰から数日のQBリバースをシーホークス戦で先発起用へ

2025年12月14日(日) 18:04

インディアナポリス・コルツのフィリップ・リバース【NFL】

驚いたことに、フィリップ・リバースが正式にNFLロースターに戻ってくる。

最後のスナップをプレーしてから4年以上。リバースがインディアナポリス・コルツの練習生からアクティブロースターに昇格し、現地14日(日)に行われるシアトル・シーホークス戦で先発を務めることになった。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポート、トム・ペリセロとマイク・ガラフォロが報じている。

その後、コルツからリバースが正式に練習生からアクティブロースターに加わったという発表があった。

リバースは8日(月)――自身の44歳の誕生日――に現地入りしてチームのワークアウトに参加し、火曜日に練習生として契約、土曜日に正式な昇格を果たしたことになる。

アクティブロースターへの登録により、先日プロフットボール殿堂の現代部門セミファイナリストに選出されたばかりのリバースは、今回の選考において投票される資格を失うことになった。殿堂入りの待機期間はリセットされ、再び最後のシーズンが終了してから5年間待つ必要がある。

リバースが前回NFLでスナップを受けたのは2021年1月9日(土)、コルツがバッファロー・ビルズに27対24で敗れたプレーオフでの試合で、309ヤード、タッチダウン2回という素晴らしいパフォーマンスを見せた。この時のタッチダウンパスの相手はタイトエンド(TE)ジャック・ドイルとワイドレシーバー(WR)ザック・パスカルだったが、どちらも現在のNFLロースターにはいない。一方で、当時ルーキーだったランニングバック(RB)ジョナサン・テイラーが試合でタッチダウンを決めた。

リバースの衝撃的な復帰は、心温まるストーリーであると同時に、コルツの切迫した状況を浮き彫りにしている。驚きの7勝1敗というスタートを切ったコルツだが、その後3連敗を喫してしまい、ロースターに健康なクオーターバックがいない状況の中、プレーオフ進出が危うくなっている。先発のダニエル・ジョーンズは日曜日にアキレス腱を断裂してシーズン終了となり、代役を務めたルーキーのライリー・レナードは膝のケガに対処中、バックアップのアンソニー・リチャードソンは眼窩骨折で故障者リザーブ(IR)に入ったままだ。

ラポポートによれば、今週の練習にフル参加したレナードにも、日曜日にプレーする可能性はあるようだ。練習では彼とリバースの両方がファーストチームでのレップスを行っていたという。

ジェネラルマネジャー(GM)クリス・バラードは、ヘッドコーチ(HC)シェーン・スタイケンがよく知るなじみのリバースに白羽の矢を立てた。スタイケンHCは2016年から2019年までロサンゼルス・チャージャーズでリバースのQBコーチを務め、2019年には暫定攻撃コーディネーター(OC)も務めていた。スタイケンHCのオフェンスに関するリバースの知識が、素早い適応に役立つことが期待されている――2020年シーズン以来プレーしていない選手にそんなものが当てはまるとすればの話だが。

リバースは水曜日に記者団に対し、復帰してみようという気になったのは、スタイケンとの関係が主な理由の1つだったと打ち明けている。

「理由は至ってシンプル。大好きなコーチと、本当に楽しく過ごしたチームからの話だったからだ」とリバースは言っている。

サンディエゴ/ロサンゼルス・チャージャーズのレジェンドであるリバースは、2004年のNFLドラフト全体4位でニューヨーク・ジャイアンツに指名され、イーライ・マニングがジャイアンツに行く過程でチャージャーズにトレードされた。

2004年から2019年にかけて、リバースはチャージャーズでプロボウルに8回選ばれ、2013年にはAP通信NFL年間カムバック選手賞を受賞した。2020年の春に、アンドリュー・ラックの衝撃の引退を受けてクオーターバックを探していたコルツと契約。そして今度は、リバース自身の衝撃的な現役復帰が実現した。

17シーズンにわたり、リバースは244試合(先発240試合)でプレーし、パス8,134回中5,277回に成功(64.9%)、6万3,440ヤード(NFL史上7位)、タッチダウン421回(同6位)、インターセプト209回の成績を残している。

サイドスローにも近い型破りな投球モーションと、ののしり言葉を使わずにトラッシュトークを繰り出すことで知られるリバースは、少なくともコルツのQBルームに刺激を与えてくれるはずだ。

リバースは2020年シーズンにコルツで11勝5敗を挙げ、4,169パスヤード、パスでのタッチダウン24回、インターセプト11回、パサーレーティング97.0という好成績で締めくくってフィールドを去った。それ以来、彼には孫が生まれ、高校フットボールのコーチとして、セントマイケル・カトリック高校(アラバマ州)を率いて昨シーズンは13勝1敗を記録し、2021年から2025年の間に44勝16敗をマークした。

日曜日に、彼はもう一度顎ひもを締め、時の流れに対する抵抗を見せるつもりだ。

2025年の終わりに向けて、リバースとコルツにどれほどの力が残っているのか、見せてもらうとしよう。

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