シーズン初戦の不調を受けて先発の座が保証されていないことを自覚するシーホークスCBウーレン
2025年09月12日(金) 11:10
一般的な視聴者からすると、シアトル・シーホークスがサンフランシスコ・49ersに痛恨の敗北を喫した原因は1人の選手、つまりコーナーバック(CB)リク・ウーレンにあったように見えたかもしれない。
少なくとも、試合の重要な場面を振り返れば、ウーレンに非があったと言えるだろう。2022年にプロボウルに選出されたウーレンは、49ersのワイドレシーバー(WR)リッキー・ピアソルに45ヤードのパスを許した。その直前に、キャリア2年目のピアソルと並走するのをやめ、試合の重要な場面で決定的なキャッチを許す隙を与えてしまったのだ。また、最も決定的なプレー(クオーターバック/QBサム・ダーノルドが試合終了間際にレッドゾーンでファンブルを喫したことを除く)でも、ウーレンはエンドゾーンにいたタイトエンド(TE)ジェイク・トンゲスに向けてQBブロック・パーディーが放ったパスを遮るのに最適なポジションにいるように見えた。
ボールがトンゲスに向かっていく中、飛び上がってボールに手を伸ばしたウーレン。それはほぼ間違いなく、チームを救うインターセプトになるはずだった。
しかし、トンゲスはウーレンの上から手を伸ばしてボールをつかみとり、キャリアでたった3回目のレシーブを決めると同時に、試合を決定づけるタッチダウンに成功した。
『The News Tribune(ザ・ニュース・トリビューン)』によると、ウーレンは現地10日(水)に「小テストで98%だった感じ。名前を書かずに、最後までやり切らなかったせいで2%減点されたようなものだ。細かいところに注意を払わなかった、みたいな。テストで名前を書くといった小さなことって感じ」と語ったという。
NFLでは、細かい部分が勝敗を分け、先発を続けられるかベンチに下げられるかの分かれ目にもなる。シーホークスのヘッドコーチ(HC)マイク・マクドナルドが映像を確認した後にもう1人のCBジョシュ・ジョーブのプレーを称賛したことも踏まえると、ウーレンは現在、先発の座を失う可能性に直面しているように見える。
マクドナルドHCは月曜日にジョーブについて「彼は素晴らしい試合をしたと思う。力強く、スマートに、規律を守ってプレーし、きちんとプレーを決めていた。素晴らしいパフォーマンスだったと思う」と述べた。
“きちんとプレーを決める”というのは、明らかにウーレンができていなかったことだ。マクドナルドHCがウーレンの代わりにジョーブを起用する可能性はあるのだろうか。
「試合に出て結果を出すなら、起用しない理由はないだろう?」とマクドナルドHCは話している。
また、ウーレンをベンチに下げてジョーブを起用するのかという単刀直入な質問には、簡潔に「様子を見る」と答えた。
ウーレンのパフォーマンスは完全にひどかったわけではない。ウーレンはタックル4回、パスディフェンス1回(タッチダウンを防いだ)を記録し、最も近いディフェンダーとしてターゲットとなった場合にタイトウインドウの成功率を25%に抑えた。
しかし、ウーレンはターゲットにされたときにパサーレーティング156.3というほぼ完璧な数字を許し、予想に対するキャッチ率も+36.5%となった。こうした数字は単純に持続可能ではない。
ウーレンは悪いプレー(例えば、ピアソルへのパスを許して試合終盤に相手を得点圏内に進ませたこと)と良いプレーを分ける細かい部分に注目することから始めることができるだろう。
ウーレンは「ああ、もっと上手くボールを扱えたはずだ」と振り返った。
「俺は彼に合わせてルートを走っていた。どんなルートかも分かっていた。あとはただ、しっかりプレーを実行してボールにアタックし、ボールを見失わないようにするだけだった」
最終的に、ウーレンの運命を握っているのはマクドナルドHCだ。ウーレンは過去にもベンチに下げられたことがあるが、契約最終年でのこととなると致命的な出来事になるかもしれない。
ウーレンはマクドナルドHCに交代させられる可能性について「彼がトップなんだ。だから、彼が言うことがすべてだ。俺はそれに逆らったりしない」と話している。
「でも、それ以外については、リクであり続けることができるだろうし、これまでやってきたように素晴らしい選手であり続けるだけだ」
現地14日(日)にシーホークスが敵地でピッツバーグ・スティーラーズ戦に臨む際に、ウーレンが自分らしさを貫くことでマクドナルドHCを納得させ、もう一度チャンスを与えてもらえるかに注目だ。
【RA】