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イーグルスDTジョーダン・デイビスがFGブロックからの勝利を決める

2025年09月22日(月) 17:03

フィラデルフィア・イーグルスのジョーダン・デイビス 【AP Photo/Chris Szagola】

高く伸ばした右手でボールを奪い取ったジョーダン・デイビスが、エンドゾーンに到達した。あとはそこで動きを止め、ただ駆け寄ってくるフィラデルフィア・イーグルスの仲間たちを受け止めるしかなかった。

「逃げようとしたらめちゃくちゃにされていただろうな」とデイビスは言う。

約152㎏の巨漢であるデイビスは、まさかのスペシャルチームタッチダウンによって、イーグルスの“ブロックパーティー”を締めくくった。これによって、昨季スーパーボウル王者のイーグルスは今季無敗を守っている。

この試合の最後のプレーで、ラムズのキッカー(K)ジョシュア・カーティによるフィールドゴールの試みをブロックしたデイビスは、61ヤードを返してエンドゾーンに到達。イーグルスは第4クオーターでキックを2度ブロックしており、それらが現地21日(日)に決めたロサンゼルス・ラムズに対する33対26での勝利につながっている。

「どれくらいのスピードが出ていたのか分からないけど、とんでもないものだったのは確かさ」とデイビスは振り返った。

『Next Gen Stats(ネクストジェン・スタッツ)』によれば、この時の時速18.59マイル(時速29.9km)は330ポンド(約150kg)以上の選手の数字としては、少なくとも2017年以降で最速だという。

第4クオーターの中盤にはラムズ(2勝1敗)が26対21でリードしていたものの、ディフェンシブタックル(DT)ジェイレン・カーターがカーティの36ヤードのキックをブロック。続いてクオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツがイーグルス(3勝0敗)による17プレー、91ヤードのドライブをけん引し、得点を上げて形成を逆転させた。これで1分48秒を残されたラムズのQBマシュー・スタッフォードは、カーティが44ヤードのキックに臨める位置までチームを導く。残り時間は3秒だった。

しかし、そこに立ちはだかったデイビスがボールをたたき落とし、拾い上げてエンドゾーンへ走る。リンカーン・フィナンシャル・フィールドに集ったファンは、イーグルスの12連続でのホームの勝利、そして、スタジアムが2003年に開設されて以来、最大の逆転勝利に沸いた。

「フィールドゴールのブロックを、単なるプレーの1つだと思っている人は多い。単なる1つのダウンであり、ただ手を上げて、フィールドから出て、そうやってこなすだけって。サイドラインで話していたんだけど、俺たちは特に彼の最後のキックで、その角度が分かっていたし、ローンチの地点も分かっていた。俺たちはただ隙をついて、正しいタイミングで手を上げた。そしたら、ちょうどいいタイミングでボールが地面にあるのが見えたんだ」とデイビスは話している。

イーグルスがフィールドゴールのブロックに複数回成功したのは、1975年9月21日以来のこと。このときの相手はニューヨーク・ジャイアンツだった。また、1つの試合の中で2回のフィールドゴールをブロックし、うち1つをタッチダウンにつなげたチームとしては、2001年以降で4つ目にあたる。

デイビスのタッチダウンは、厳密にいえば必要なものではなかった。ヘッドコーチ(HC)のニック・シリアには、状況――イーグルスはリードし、残り時間はなかった――を考慮すれば、正しいプレーとしては、ただボールを落とすべきだったと指摘する。一方で、シリアニHCは「おそらく今日1番のプレーは彼のものだ」とも認めている。

イーグルスは過去20試合(プレーオフを含む)で19勝1敗をマークしており、これはチームの歴史上、20試合のスパンでは最高の記録に当たる。これはイーグルスにとって、ホームでの最大の逆転勝利となった。イーグルスは1988年に、ベテランズ・スタジアムで20ポイントを返してダラス・カウボーイズを倒している。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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