2回のディフェンシブTDでバイキングスの歴史に名を刻んだCBアイザイア・ロジャース
2025年09月22日(月) 16:04
チームメイトたちがどれだけ多くのタオルを使って風を送っても、ミネソタ・バイキングスの白熱したコーナーバック(CB)、アイザイア・ロジャースをクールダウンさせることはできなかった。
ロジャースはシンシナティ・ベンガルズ戦で歴史的なパフォーマンスを発揮。バイキングスの攻撃陣はクオーターバック(QB)カーソン・ウェンツがプレーしようとする間、ホームであるU.S.バンク・スタジアムに集った観衆がスクリーンに映し出された“1人でターンオーバーを量産する男”の映像に沸くのを鎮めなければならないほどだった。
ディフェンシブタッチダウンを2回決めたのに加え、そのほかにも1回のファンブルを強いた――すべて前半でのこと――となれば、それも無理のないことだ。現地21日(日)、バイキングスはこのロジャースの活躍により、ベンガルズとそのバックアップクオーターバックであるジェイク・ブラウニングを相手に48対10での勝利を収めている。
バイキングスのセーフティ(S)であるハリソン・スミスは「こんなの見たことない。文字通り前半だけのことだよ」と驚きを見せた。スミスはNFLで14年以上を過ごしている選手だ。
ロジャースの爆発的なプレーと、ブラウニングの不調、ベンガルズが食らった5回のターンオーナーによって、バイキングス守備陣はスターQBのジョー・バロウをつま先のケガで欠くベンガルズに圧勝している。
最初のディフェンシブタッチダウンが決まったときのことを振り返り、ロジャースは「俺が近づいていくにつれ、観客の声がどんどん大きくなった。とにかくエンドゾーンに届きたかった」とコメント。
昨年にフィラデルフィア・イーグルスと共にスーパーボウル制覇を果たしたロジャースは、フリーエージェントとしてバイキングスと契約。バイキングス市場初めて、1試合で2回のディフェンシブタッチダウンを決めた選手となった。
『Sportradar(スポーツレーダー)』1966年にスーパーボウル時代が始まって以来、インターセプトおよびファンブルリターンタッチダウンを同じ試合の中で決めたのは、ロジャースで11人目。最も近いところでは、2018年11月19日にサムソン・エブカムが、ロサンゼルス・ラムズがカンザスシティ・チーフスを54対51で下した試合の中で達成している。
「ボールが自分の方に投げられたかどうかと関係なく、彼はただ試合にインパクトを与える能力を追及していた」とバイキングスのヘッドコーチ(HC)であるケビン・オコンネルは言う。
「なんてことだ。なんというパフォーマンス。でも、驚きではないんだ。彼と契約した瞬間から彼はそういう選手だったし、彼がわれわれのチームに歴史的なインパクトを与えることは分かっていた」
ロジャースはコルツによって2020年のドラフト6巡目で指名された。2023年にはNFLのギャンブルに関するルールに違反したことでシーズンを通して出場停止処分を受け、コルツからリリースされている。リーグによる調査の結果、ロジャースは友人の名前でスポーツ賭博のアカウントを開設し、自身のチームを対象としたものを含め、100回ほどの賭博を行ったことが分かっている。
出場停止処分を受けた1年が、ロジャースを謙虚な気持ちにさせた。バイキングスと契約する前、ロジャースはイーグルスのロールプレイヤーとしてリングを獲得。今は125年におよぶNFLの歴史において、最高のディフェンシブパフォーマンスを発揮した選手の1人となっている。
「クレイジーだよ」と話したロジャースは「大画面で見たときには衝撃を受けた。ただプレーを決めて楽しもうとしていただけなんだ。今日は俺たちの日だったね」と続けた。
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