ジャイアンツ新人QBダートがチャージャーズ戦でウィルソンに代わって先発へ
2025年09月24日(水) 10:18
あっという間にラッセル・ウィルソンが先発から外れてジャクソン・ダートの出番がやってきた。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとマイク・ガラフォロが現地23日(火)に報じたところによると、ニューヨーク・ジャイアンツがシーズン第4週にホームで実施するロサンゼルス・チャージャーズ戦ではダートが先発クオーターバック(QB)を務めるという。
ジャイアンツは先週日曜日、カンザスシティ・チーフスに22対9で惨敗し、開幕から3連敗を喫した。これを受けてウィルソンはゴッサムで“スリーアンドアウト”となっている。
ジャイアンツは2025年ドラフトでトレードアップして1巡目指名権を獲得し、全体25位でダートを指名した。ダートはプレシーズンで印象的な活躍を見せ、多くの人からレギュラーシーズンで出場するまでにどれくらいかかるのかが注目されていた。結局、その出番は3週間後に訪れている。ウィルソンは3試合中2試合で苦戦し、ジャイアンツはブライアン・ダボールが2022年にヘッドコーチ(HC)に就任してから初めて開幕から3連敗を喫している。
あらゆる点を考慮すれば、3試合での交代は早いと言えるが、ジャイアンツファンはチーフス戦の前半終了時にダートの名前を叫んでいた。ジャイアンツ攻撃陣はチーフス相手に281ヤードの獲得にとどまり、ウィルソンの成績もキャッチ32回中18回成功、160ヤード、タッチダウンなし、イターセプト2回、パサーレーティング43.8にとどまった。シーズン第1週に敗れたワシントン・コマンダース戦ではパス37回中17回成功、168ヤード、タッチダウンなし、インターセプトなし、パサーレーティング59.3を記録。ジャイアンツ攻撃陣のネットヤードは231ヤードだった。その後、40対37と僅差で勝利を逃したダラス・カウボーイズ戦ではキャリアハイとなる450ヤードを記録したものの、この3週間を踏まえると、その成績とパフォーマンスは例外的なものだったように思える。
今オフシーズンにジャイアンツと契約したウィルソンは、シーズン開幕に向けてダボールHCから先発に指名された。しかし、日曜日に試合に敗れた後、ダボールHCはウィルソンを先発として起用し続けるかについて2週間前と同様に明言を避けていた。
日曜日にウィルソンがシーズン第4週も先発を務めるのかと質問されたダボールHCは「あなたたちは試合後に選手についての質問をしてくるが、その質問に答えるつもりはない」と返答。
月曜日にはQBに関して“あらゆることを評価している”と報道陣に語った。
36歳のウィルソンが今後どうなるかは大きな疑問だ。10回のプロボウル選出経歴を持つウィルソンは、この3年で3つ目のチームに在籍している。先発から外されるのは今回が2度目で、1度目は2023年、デンバー・ブロンコスでの2シーズン目の終盤でのことだった。今後はベテラン選手としてダートの成長を支えるという新たな挑戦が待ち受けている可能性がある。
今回の決定はファンから歓迎されるだろうが、ダートにとって有利なタイミングとは言えない。ダートはこの2試合に出場して6回のスナップに参加しているが、その記録はキャリー2回で0ヤードにとどまっており、パスは一度も投げていない。ダートは次戦でNFL初先発を果たし、初めて十分なプレー機会を得ることになるが、相手は試合平均被得点が16.7点と強固な守備力を誇り、開幕から無敗を維持しているチャージャーズ(3勝0敗)だ。
今季の先発タイミングにかかわらず、ダートはデプスチャートでどこに位置していようとチームの未来を担う存在とみなされてきた。その未来はもう訪れている。
ダートはミシシッピ大学での最終学年に4,279パスヤード、タッチダウン29回を記録した一方で、インターセプトをわずか6回に抑えた。ダートは今夏、プレシーズンでの全3試合でタッチダウンパスを決め、不満を抱えるジャイアンツファンに希望を与えた。
ダートは俊足と強肩を兼ね備え、ドラフト1巡目指名選手として輝きを放っている。その存在はファンにとっても、この2シーズン以上でわずか9勝しか挙げられていないダボールHCにとっても魅力的だと言えよう。
ダボールHCは就任してから6人のクオーターバックを先発に据えており、ほとんどの試合で先発を務めたのはダニエル・ジョーンズだった。ウィルソンは直近の先発となり、その座を引き継ぐダートは、ダボールHCが初めて自ら選んだ先発QBという特徴を持つことになる。ダボールHCは就任時にすでに先発だったジョーンズをベンチに下げた後、タイロッド・テイラーやドリュー・ロック、ウィルソンといったベテランの控え選手やつなぎ役となる選手、熱狂的なファンを持つトミー・デヴィートを起用しながら最善を尽くしてきた。
ダボールHCとチームにとって重要なシーズンに、将来のフランチャイズQBとされるダートを今日の先発QBとして起用する決断が下されている。
【RA】