WRラムやGブッカーが不在でもパッカーズに勝てるとカウボーイズHCショッテンハイマー
2025年09月25日(木) 13:25
ダラス・カウボーイズのヘッドコーチ(HC)ブライアン・ショッテンハイマーは現地28日(日)に挑む、ディフェンシブエンド(DE)マイカ・パーソンズを擁するグリーンベイ・パッカーズとの一戦に向け、楽観的な見通しを示している。
外部の人たちの中で、先週日曜日にシカゴ・ベアーズに惨敗した1勝2敗のカウボーイズがパッカーズと互角に戦えると期待している者はほとんどいない。カウボーイズがスターワイドレシーバー(WR)シーディー・ラムとガード(G)タイラー・ブッカーを欠くことを踏まえるとなおさらだ。ショッテンハイマーHCはそうした声に耳を傾けず、ケガを“言い訳”にすることは決してないと強調している。
水曜日、ショッテンハイマーHCは報道陣に「シーディーやブック、欠場する可能性のある他の選手がいなくても、私たちにはパッカーズに勝てるだけの力がある。だが、それを実現するには、うまくプレーを実行しなければならない。それができなければ、自らを厳しい状況に追い込むことになる」と述べた。
NFLのコーチや選手がそのように話すのは当然だ。NFLでは毎週、勝利は手の届くところにあるという確信を持って臨まなければならない。そうでなければ、この過酷で体力を消耗する仕事は続けられないのだ。とはいえ、ショッテンハイマーHCの発言が印象的だったのは確かだ。
ブッカーの欠場と、それがパーソンズやパッカーズ守備陣全体に与える影響はともかくとして、ラムが欠場するだけでもカウボーイズにとっては大きな打撃となる。
足首のケガで数週間の離脱を余儀なくされているラムは、2020年ドラフトで指名されてから3回しか欠場したことがない。その3試合(2021年の1試合、2024年の2試合)でカウボーイズは0勝3敗となっている。カウボーイズのオフェンスにおけるラムの重要性はいくら強調してもし足りないものだ。ラムは2023年以降のレシーブヤード(3,165ヤード)でシンシナティ・ベンガルズのWRジャマール・チェイスと並んでNFLトップタイにつけている。また、2023年以降のスクリメージヤード(3,348ヤード)はNFL全体で5位(WRの中では1位)だ。
さらに、ラムは2023年以降、カウボーイズのスクリメージヤードの24.6%を稼いでおり、これはアトランタ・ファルコンズのランニングバック(RB)ビジャン・ロビンソン(27.8%)、ニューヨーク・ジェッツのRBブリース・ホール(27.7%)に次いで3番目に高い数字となっている。
確かにカウボーイズはWRジョージ・ピケンズも擁しているが、主力ターゲットを欠くことでクオーターバック(QB)ダック・プレスコットは窮地に立たされてしまうだろう。ショッテンハイマーHCはプレスコットが周囲の選手を引き上げる必要性を感じることについて心配していない。
「ダックが心配しなければならないのは自分自身だ」とショッテンハイマーHCは話している。
「人員配置をどう動かすかについては良いプランがあるが、シーディーの代わりを見つけるのは難しい。だが、ケガはこのゲームの一部だし、向こうもおそらくタックルを欠くことになる。つまり、選手を失ったら次の選手が出てくるしかない」
ディフェンスが苦戦する中で負担を背負わざるを得なかったオフェンスは、唯一勝利した試合で40点もの得点を挙げた。しかし、次の試合で彼らが対峙するのは、相手に許す爆発的プレー率を5.8%に抑えているパッカーズ守備陣だ。これは『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』が統計をとり始めて以来、シーズン最初の3試合の記録として過去最少の数字となっている。
今シーズン、パーソンズは限定的な出場ながら、サック1.5回、タックルフォーロス1回、QBヒット6回を記録し、QBプレッシャー(19回)ではNFLで2位に位置しており、左右両サイドで出場時間を分けつつ、一部ではインテリアでもプレーしている。
日曜夜に自分たちに脅威をもたらす選手を見極める必要があると理解しているショッテンハイマーHCは、次のように語った。
「マイカに対する作戦を明かすつもりはないが、マイカには特に注意を払うつもりだ。すでに言った通り、彼らには他にも優秀な選手がいる。マイカが支配的な存在になり得ることは分かっている。彼には複数の選手で当たりにいくつもりだ。彼のブロックを試みる選手たちにとってもチーム全体にとっても長い1日になるだろう。それほど彼には才能があるからね」
カウボーイズはブッカーを欠くことでより厳しい戦いを強いられる可能性が高い。
今オフシーズンにケニー・クラークおよび2つのドラフト1巡目指名権と引き換えにパーソンズをトレードしてから、カウボーイズのディフェンスは混乱しており、許した平均パスヤードはリーグ最低の9.4ヤード、サック数は4回で28位にとどまっている。その上でランプレーでも圧倒されている状況だ。
ショッテンハイマーHCは「私たちは自分たちが望むレベルのプレーができていないが、マイカがいたとしても、今より良いプレーができていたかどうかは分からない」とコメント。
「今よりも良くなっていたか、悪くなっていたかは予想できない。3勝0敗か? それとも0勝3敗か? それは誰にも分からない。そんなのは予測にすぎない。繰り返しになるが、私たちは改善すべきことに集中している。クオーターバックへのプレッシャーを強める必要があることは認識しているが、同時にカバーやコミュニケーションも改善しなければならない」
就任1年目のヘッドコーチは厳しい立場に置かれている。カウボーイズは現地28日(日)にAT&Tスタジアムで批判を封じ込めるチャンスを得る一方で、批判が正しかったことを証明してしまう可能性もある。
【RA】