スティーラーズQBロジャースが新型ヘルメットへの不満や過去のバイキングス移籍のうわさに言及
2025年09月26日(金) 12:44
クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースは21年目のシーズンを迎えるにあたり、これまで愛用してきた旧型ヘルメットの使用をしぶしぶあきらめ、NFLの規定を満たす別のものに変更せざるを得なかった。
今季からピッツバーグ・スティーラーズに加入したロジャースは、新しいヘルメットを着用して3試合を終えた現在でも、その変更に不満を抱えている。
「大嫌いだ、大嫌いだ」とロジャースは現地24日(水)に述べている。
ロジャースは長年にわたってシュット・エアXPプロQ11 LTDを使用してきたが、このモデルは現在NFLで使用が禁じられている。ロジャースはその理由にいまだ納得していないようだ。
「去年も(旧モデルを)使っていたけど、脳しんとうは一度もなかった。一方的な判断で使えなくなったんだ。もっと強く主張して、もう一度だけ使わせてくれとリーグに訴えるべきだった」とロジャースは話している。
新型ヘルメットの何が気に入らないのかについて、NFL最年長の現役選手であるロジャースは、その見た目を挙げた。現在認可されているヘルメットはこれまで使っていたモデルに比べて明らかに大きく、丸みを帯びており、その違いは一目瞭然だ。
先週末、ニューイングランド・ペイトリオッツの本拠地で行われた試合中、41歳のロジャースはビデオボードに映ったかつての自分の姿を目にした。ワイドレシーバー(WR)D.K.メットカーフへの通算509本目となるタッチダウンパスを投げた直後のことで、この一投でロジャースは元チームメイトのブレット・ファーブを抜き、NFL通算タッチダウンパス数で歴代4位に浮上した。
その瞬間、ロジャースは少し感傷的な気持ちになったという。
「2012年の自分の写真だった。“見てくれよ、あのヘルメット。ぴったりフィットしているだろ。耳あては小さくて、フェースマスクの位置も完璧だった”と思わず言ってしまった」とロジャースは話している。
それでも2025年のロジャースが学んだのは、適応することの大切さだ。4年間で3チーム目となる新天地で、ロジャースはシーズン序盤に自ら口にした「新しい“新しい”もの」と呼んだ環境に順応しようとしている。ヘルメットには不満が残るが、それをかぶることがフィールドに立つための条件だということは承知している。
2勝1敗と好スタートを切ったスティーラーズだが、ロジャース自身はまだまだ改善の余地があると自覚している。それでも、彼は自身とオフェンス陣が派手さではなく効率の良さで結果を出していることに手応えを感じている。
今週末にアイルランドのダブリンで2勝1敗のミネソタ・バイキングスと対戦する準備を進める中、ロジャースがチームの方向性に楽観的でいられる理由のひとつは、まさにそこにある。
開幕3週で7本のタッチダウンパスを記録し、リーグ2位タイにつけているロジャースは、「もっといいプレーができるはずだ」とコメント。
「時には、ディフェンスが与えてくれた機会でやれることをやって、そこで満足することも必要。俺たちのベストプレーの多くは、ボールをプレーメイカーに預けて、あとは任せる形で成り立っている。だから、いつも通り自分の仕事をきっちりこなして、ボールを渡すべき選手に届けるだけだ」
スティーラーズはここまでの3試合で、対戦相手に合計400ヤード以上も上回られているが、9月下旬を迎える時点で、QBジョー・バロウ不在のシンシナティ・ベンガルズと共にAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区の首位に立っている。
シーズン序盤とはいえ、8回のレッドゾーン到達のうち7回をタッチダウンに結びつけており、その成功率はフィラデルフィア・イーグルスに次いでリーグ2位となっている。
これ以上ないスタートと言っていいだろう。
「俺たちは今、いろいろなことを模索している段階なんだ」とロジャースは説明する。
「見栄えが良くないプレーもあったけど、良いこともある。先週はディフェンスが思うようにプレーできて、俺たちも勝つために必要なプレーを何とか決めることができた。今はとにかく勝つことがすべてなんだよ。チームには一体感があるし、継続性もある。お互いの信頼もある。あとはそれを結果につなげるだけだ」
ただし、次なる相手であるバイキングスは簡単にはいかない。リーグ有数の守備力を誇るバイキングスのディフェンスを率いるのは、守備コーディネーター(DC)ブライアン・フローレスだ。フローレスDCはマイアミ・ドルフィンズのヘッドコーチ(HC)を解任された後、2022年にスティーラーズでアシスタントを務めていた経歴を持つ。
NFLに対する人種差別訴訟を提起してから3年以上が経過してもまだ係争中のフローレスDCは、相手クオーターバックの意表を突く戦術で知られており、20年超のキャリアを誇るロジャースですら、クローク・パークでの一戦は一筋縄ではいかないことを覚悟している。
それでも、ロジャースはNFL初のアイルランドでのレギュラーシーズンゲームで、自分がもう一方のサイドラインに立っていた可能性があったという見方を一蹴した。
一部では、ロジャースがバイキングスのヘッドコーチであり、長年の友人かつ時折一緒にトレーニングする仲でもあるケビン・オコンネルに対して、スティーラーズではなくバイキングス加入の意思を伝えたと報道されていた。記者たちにそのことについて聞かれたロジャースは、報道を全面的に否定している。
ロジャースはオコンネルHCについて、「彼とは昔からの付き合いで、ずっと友人関係にあるし、今でも連絡を取り合っている。連絡を取っている数少ない仲間のひとりだけど、近況報告以上に話が進むことはない。この話はこれくらいでいいだろう」と述べた。
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