“守備にとっては脅威”のWRワーシー復帰で攻撃爆発のチーフスがレイブンズを圧倒
2025年09月30日(火) 13:30
これぞ本来の姿と言えよう。
カンザスシティ・チーフスのオフェンスがようやく、今シーズン開幕前に期待されていた破壊力を取り戻したように見えた。
現地28日(日)に行われたボルティモア・レイブンズとの試合で、チーフスは37対20で快勝。負傷者が相次ぐディフェンスを相手にオフェンスは382ヤードを記録し、フィールドを自由自在に駆け巡った。
俊足ワイドレシーバー(WR)ゼイビア・ワーシーの復帰が、それまで制限されていたオフェンスを一気に解放している。
クオーターバック(QB)パトリック・マホームズはワーシーについて「とにかく爆発力がある」と『ESPN』に語った。
「彼の手にボールが渡ると、守備は対応を迫られる。そして彼に注意が集中することで、他の選手たちがプレーを決められるようになる」
「彼がいるだけで、身体能力の高さはもちろん、ロッカールームの士気にも大きな影響を与える。ものすごく大きな存在だと感じた」
ワーシーのスピードは、実際にプレーに絡まない場面でも明白だった。ディープゾーンを突く脅威となる存在だけで、守備の意識が外側に向き、オフェンス全体が活性化する。
2年目のワーシーはチーフス最多となる5回のキャッチで83ヤードを記録し、最長は37ヤード。さらにランでも2回のキャリーでチーム最多の38ヤードを稼ぎ、そのうち1回は35ヤードのエンドアラウンドだった。このプレー以前、今季のチーフスはマホームズ以外の選手によるランで11ヤード以上を獲得できていなかった。
ワーシーはシーズン第1週にわずか3プレーで負傷退場しており、今回の試合が2年目シーズンで初めて本格的なプレーを見せた場となった。
マホームズは「彼は単なるスピードのあるレシーバーではない」と言う。
「体重を増やしてもスピードは落ちていないし、あらゆることができる選手であることを示してくれている。これこそが俺たちが期待していた役割であり、今日はまさにそれを体現してくれた」
ワーシーに守備の注意が集まったことで、他の選手たちにスペースが生まれた。外側に目を向けさせることで、タイトエンド(TE)トラビス・ケルシーやWRジュジュ・スミス・シュスターといった他の選手が中央のミドルゾーンでプレーを展開しやすくなる。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、ワーシーの83ヤード中78ヤードはサイドライン際のパスで稼いだものだったという。
「オフェンシブラインとの連携もこれまでよりもうまくいっていた」とマホームズは話している。
「ゼイビアが戻ってきたことで、ディープフィールドでも勝負できる武器を手に入れた。プレッシャーをかけようとする守備にとっては脅威だ。ショートでもディープでも彼にボールを渡せば、そこからビッグプレーが生まれる」
ただし、注意すべき点もある。日曜日の試合でチーフスが相手にしたレイブンズのディフェンスは、一時的に先発選手を7人ほど欠いていた。今後は、大幅に戦力を強化したジャクソンビル・ジャガーズのディフェンス、そしてフィジカルなデトロイト・ライオンズとの連戦が控える。ワーシーの復帰によるオフェンスの上昇が一時的なものか、それとも継続的な効果をもたらすのかは、今後の試合で明らかになるだろう。
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