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ベアーズがスタジアム建設のインフラ整備費として約1,257億円の公的資金を要求

2025年10月02日(木) 10:49

シカゴ・ベアーズ社長のケビン・ウォーレン【NFL】

現地9月30日(火)に公開されたチームのコンサルタントによる報告書によると、シカゴ・ベアーズは郊外にスーパーボウルやファイナルフォーが開催可能となる屋内スタジアムを建設するためのインフラ整備資金として、8億5,500万ドル(約1,257億0,894万円)の公的資金を求めているという。

ベアーズはスタジアム自体の建設費はチームで賄うと述べているが、プロジェクトを完成させるための支援を求めている。

不動産コンサルティング会社『HR&A Advisors Inc.(HR&Aアドバイザーズ)』の報告書によると、8億5,500万ドルはチームが所有するアーリントン・ハイツの326エーカーの土地に建設されるスタジアムを核とした複合開発の“土台作り”のために使われるという。それには道路や下水道、隣接する通勤鉄道路線の変更にかかる費用が含まれる。

チーム社長のケビン・ウォーレンは3週間前にファンに宛てた書簡で、“今年こそ”計画を最終決定し、チームが“早ければ2031年にも”スーパーボウルの開催地として立候補できるようにすると述べた。ウォーレン社長はスタジアム建設に“州の資金は一切必要ない”としながらも、今年中に着工するには10月中に州議会で法案を通す必要があると説明している。

法案が通れば、スタジアムのような大規模建設プロジェクトの固定資産税が据え置かれる見込みだ。ウォーレン社長は、この法案により建設期間中に5万6,000人の雇用が生まれ、恒久的に9,000人の雇用が創出される可能性があると主張している。

新スタジアム建設候補地の検討は、所有するアーリントン・ハイツの土地とシカゴ市内の土地の間で行き来していたが、最終的には郊外に焦点が向けられることになった。

2022年9月、ベアーズはソルジャー・フィールドから約30マイル離れたアーリントン・ハイツの用地購入を最終調整していた際、飲食店や小売店などを含む約50億ドル(約7,352億3,000万円)規模の計画を発表。その後、2年前にテッド・フィリップスの後任としてウォーレンが社長に就任してからは、ソルジャー・フィールドの隣接地に新スタジアムを建設する方向へと焦点が移った。2024年4月に発表されたシカゴのミュージアム・キャンパスを再開発する計画は、ブランドン・ジョンソン市長から熱烈な支持を受けた一方で、イリノイ州のJ.B.プリツカー知事や議員からは消極的な反応しか得られなかった。

昨春、チームは地元の指導者との間で“大きな進展”があったことを理由に、再びアーリントン・ハイツに注目すると発表。

1921年にシカゴに移転して以来、ベアーズは一度も自前のスタジアムを所有したことがなく、1921年から1970年まではリグレー・フィールドで、それ以降はソルジャー・フィールドで試合を行ってきた。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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