2028年開設予定のトレーニング施設の完成を「見届けられることを願う」カーディナルスQBマレー
2025年10月02日(木) 13:59
アリゾナ・カーディナルスは最近、2028年に開設予定の新たなトレーニング施設に関する最新の計画を発表した。
クオーターバック(QB)カイラー・マレーはその完成を見届けるのを楽しみにしているが、そのためにはチームのクオーターバックとして2028年まで在籍していなければならない。
現地1日(水)、新施設について質問されたマレーは「素晴らしいものだ」と答え、「いつ完成するかは知らないけど、ここで見届けられることを願っている」と続けた。
マレーが施設の完成予定時期を知らなかったことは注目に値するが、28歳という年齢を考えれば、カーディナルスの25万平方フィート(約2万3,226平方メートル)以上の施設が着工から完成に至るまでの過程を十分に楽しむ時間はあると考えられる。
実際、マレーの契約期間は2028年シーズン末までだ。
しかし、2027年以降の契約内容に保証金は含まれていない。また、その年にはマレーの放出に伴うデッドマネーがわずか720万ドル(約10億5,967万円)に減少し、キャップ上で3,630万ドル(約53億4,249万円万円)の節約が可能になる。2028年にはデッドマネーが発生せず、4,640万ドル(約68億2,897万円)の節約となる。
マレーの発言は明らかに冗談半分だったとはいえ、カンザスシティ・チーフスを3度スーパーボウル制覇に導き、(最後の5年間に保証がなく、今後数年で確実に見直されることになるとはいえ)2031年まで契約を結んでいるQBパトリック・マホームズのような選手と同じレベルの確信を持って話さなかったことは理解できる。
2019年NFLドラフト全体1位指名を受けたマレーは、カーディナルスの先発として38勝47敗1分の成績を残している。プレーオフ進出は2021年シーズンの一度のみであり、ワイルドカードで敗退した。
マレーが現在結んでいる契約は、2022年に一連の騒動を経て合意に至ったものだ。当時、マレーは自身の『Instagram(インスタグラム)』のアカウントからカーディナルス関連の投稿を削除し、チーム側も同様の対応をとった。また、カーディナルスがマレーのさらなる成熟を望んでいるとの報道が流れたり、新契約を求めるマレー側が長文の声明を発表したりする事態にも発展した。
その後の4シーズンで、マレーは16勝24敗、8,760パスヤード、タッチダウン51回、インターセプト26回を記録。2022年シーズン終盤と2023年シーズン前半にACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)の断裂によって欠場したことは大きな出来事となった。
2023年にヘッドコーチ(HC)に就任したジョナサン・ギャノンとマレーとの間に不和は見られていない。しかし、カーディナルスのオフェンスは時折、期待を下回るパフォーマンスを見せている。調子の波が激しい傾向のあるマレーは、木曜夜に敗れたシアトル・シーホークス戦でオフェンスの立ち上がりに“時間がかかりすぎていた”と認めた。
2勝2敗のカーディナルスはシーズン第5週を迎える時点で、パスヤードで28位、トータルヤードで28位、得点で22位にとどまっている。マレーと主力ワイドレシーバー(WR)マーヴィン・ハリソンJr.が現在も共に安定した活躍を続けるのに苦戦している上に、主力ランニングバック(RB)のジェームズ・コナーとトレイ・ベンソンは故障者リザーブ(IR)に登録されている状態だ。
しばらく果たせていないプレーオフ進出に向けた道のりには、数週間前よりも多くの障害が立ちはだかっている。
数シーズン後に新施設の完成を見届ける可能性を高めるために、マレーはすぐにその障害を乗り越えて状況を打開しなければならない。
【RA】