ペイトリオッツが地区ライバルのビルズを撃破、WRディッグスにとって劇的な凱旋試合に
2025年10月07日(火) 12:16
ワイドレシーバー(WR)ステフォン・ディッグスはバッファローで観客を沸かせることに慣れている。しかし、現地5日(日)夜は古巣バッファロー・ビルズではなく、その地区ライバルであるニューイングランド・ペイトリオッツの一員としてだった。
ディッグスは10回のレシーブで146ヤードを記録し、そのうち119ヤードを後半で稼いだ。試合はキッカー(K)アンドレス・ボレガレスが残り15秒で52ヤードのフィールドゴールを決め、ペイトリオッツが23対20でビルズを下している。
クオーターバック(QB)ドレイク・メイや2本のラッシングタッチダウンを決めたランニングバック(RB)ラモンドレ・スティーブンソンらの活躍もあり、ペイトリオッツは勝利をつかんだ。これでシーズン第5週にしてNFLから無敗チームが消滅したことになる。
31歳のディッグスは、先週のカロライナ・パンサーズ戦でレシーブ6回と101ヤードを記録しており、今回はそれを上回るパフォーマンスを披露した。2024年4月にヒューストン・テキサンズへトレードされて以来、4年間を過ごしたバッファローのオーチャードパークに戻るのはこれが初めてだった。
「最高だった。プライムタイムの試合は格別だ」と、ビルズ在籍時にはほぼすべてのシーズンレシーブ記録を塗り替えているディッグスは語った。
「本当にエキサイティングだったし、タフな試合になると分かっていた」
メイという2年目の先発QB、新任ヘッドコーチ(HC)マイク・ブラベル、そしてスティーブンソンを中心とした新生ペイトリオッツは、この試練を見事に乗り越えた。スティーブンソンは4ヤードと7ヤードのランでタッチダウンを挙げている。
ペイトリオッツが連勝を飾ったのは2022年シーズン中盤に3連勝して以降初めてのこと。開幕5試合で勝ち越したのは、2019年シーズンに8連勝でスタートして以来となった。
これでペイトリオッツは、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区で5年連続地区王者のビルズ(4勝1敗)に1ゲーム差まで迫った。
メイはパス30回中22回成功、273ヤードを記録。後半は14回中13回のパスを成功させて184ヤードを稼ぐというほぼ完璧な内容を見せた。中でも印象的だったのは、試合終盤のドライブ開始時にディフェンスタックル(DT)ダクアン・ジョーンズのタックルをかわし、ディッグスに12ヤードのパスを通した場面だ。
昨季にテキサンズで膝の靱帯を断裂し、3月にペイトリオッツと契約したディッグスについて、メイは「彼が思い描いていた通りの凱旋試合になった」とコメント。
「古巣での初めての試合がプライムタイム。週の初めからそのことを意識していたのが分かった。彼は本当にフットボールを愛している。まだ十分な力を持っているから、彼がペイトリオッツの一員で本当に良かった」
一方のビルズは自滅気味の内容で、チーム記録にあと1勝と迫っていたホーム14連勝が途絶えた。この連勝は2023年11月13日に24対22でデンバー・ブロンコスに敗れて以来続いていたものだった。
この日、ビルズは3つのターンオーバーを喫し、そのうち2つはQBジョシュ・アレンによるものだった。試合開始直後、タイトエンド(TE)ドーソン・ノックスへのハンドオフをミスして初回の攻撃権を失い、第2クオーターでは13対10とリードを許した場面でコーナーバック(CB)マーカス・ジョーンズに敵陣10ヤード地点でインターセプトされた。
WRキーオン・コールマンも自陣11ヤードでファンブルを喫している。
「単純に雑なプレーが多かった。ターンオーバー3回で試合に勝てるわけがない。本当にひどいフットボールだった。今夜は良いプレーができなかった」とアレンは振り返った。
昨季のMVPであるアレンは31回中22回のパス成功で253ヤードを記録し、コールマンとWRカーティス・サミュエルにタッチダウンパスを通している。
ターンオーバーだけが問題ではなかった。ビルズが20得点以下に終わったのは、2024年シーズン以降でわずか4試合目だ。
ボレガレスが決勝フィールドゴールを決める前のドライブで、ビルズは敵陣28ヤードで攻撃が止まり、残り2分17秒でKマット・プレイターが45ヤードのフィールドゴールを決めて同点に追いつくのが精一杯だった。
「敗因はすべて自分たちにある」とショーン・マクダーモットHCは語った。
「チームとして噛み合わなかった。攻撃のリズムをつかめず、ようやく流れを引き寄せても反則などで自滅した」
この試合でビルズは11回の反則を犯し、合計90ヤードを失った。
日曜日の試合が始まる前まで、ビルズとフィラデルフィア・イーグルスはNFL最後の無敗チームだったが、イーグルスもホームでブロンコスに敗北。開幕5戦で全勝チームがいないのは2014年以来となり、NFLとAFLが統合された1970年以降では7度目となる。
ペイトリオッツ守備陣はRBジェームス・クックをキャリー15回と49ヤードに抑え、今季初めて相手を100スクラメージヤード未満に封じ込めた。クックの8試合連続ラッシングタッチダウンの記録もこの試合で途切れている。
【R】