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パッカーズ戦は「雪辱戦ではない」とスティーラーズQBロジャース

2025年10月23日(木) 10:17

ピッツバーグ・スティーラーズのアーロン・ロジャース【Cooper Neill via AP】

現地26日(日)夜にピッツバーグで行われる試合が険悪で敵意に満ちた雰囲気になることを期待している人々は、目にする光景にがっかりすることになるかもしれない。

グリーンベイ・パッカーズのヘッドコーチ(HC)マット・ラフルアーがシーズン第8週に臨むピッツバーグ・スティーラーズ戦におけるクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースの影響度を軽視した2日後、ロジャースもラフルアーの発言に同調した。

ロジャースは水曜日に「あの組織に恨みなんてない」とコメント。

「もちろん、最後の年がもっと良いものになっていればよかったとは思うけど、今でもあのチームの多くの人たちと素晴らしい関係を保っている。俺にとってこれは雪辱戦じゃない。ただ、みんなと再会し、サンデーナイトフットボールに出られることを楽しみにしている」

それは面白みのない話だ。ロジャースとパッカーズが共に築いた歴史や、波乱に満ちた最後の数年間――ロジャースが自らの将来の不確実性を利用し、後継者(最終的にはジョーダン・ラブが選ばれた)を探そうとしていたパッカーズを犠牲にして自身の経済的利益を優先していた期間――を考えれば、2023年にロジャースがグリーンベイを去ってから初めて実現する対戦を前に、双方が恨みを抱いていないと聞いて意外に思う人はいるだろう。

ロジャースは水曜日に、自身が人間として成長し、去り方にかかわらず、ウィスコンシンでの時間を楽しんでいたことに気づいたと話している。

「俺たちは常に自分自身を磨き、昨日よりも、先月よりも、去年よりも成長しようと努力している」と語ったロジャースはこう続けた。

「離れることで愛が深まる、ってやつかもしれない。あそこで過ごした時間で素晴らしい思い出がたくさんできた。長年にわたるファンとの素晴らしい交流もたくさんあった。グリーンベイでの生活、スアミコでの生活、ホバートでの生活。“Chives(チーブス、地元のレストラン)”に行ったり、街を歩き回ったり、食料品を買うために“Piggly Wiggly(ピグリー・ウィグリー)”に行って人々に会ったりした。俺はあの場所で成長した。21歳から39歳までの18年間を過ごした。だからあそこで過ごした日々に感謝している」

「もちろん、スーパーボウル制覇を成し遂げて有終の美を飾れたら最高だったけど、このリーグではそうはいかないこともある。ジョーダンが指名された時点で、先行きは見えていた。時間の問題だった。彼が加わった最初の2年ではたまたまMVPを獲得できたけど、いずれ変化が訪れることは分かっていたし、プレーを続けたいなら他の場所でやるしかなかった。だから、その状況は理解している」

ロジャースはラブが2020年ドラフト1巡目で指名された際に歓迎しなかったことで有名だ。当時は多くのファンも、その指名権をロジャースの最後の数年間で役立つ武器の獲得に使った方が有益だと考えていた。しかし、それは過去の話だ。ラブは明らかに、パッカーズの将来を担うクオーターバックとなっている。一方のロジャースは、より良い環境を求めて移籍するも期待外れに終わったニューヨーク・ジェッツ時代を経て、復讐ではなく地区優勝を目指す堅実なチームを率いることに満足しているようだ。

奇妙な話だが、双方ともに別れることが最善だったと気づいているのかもしれない。両者はその結論を多くの人が見守る中、スティールシティで確かめることになる。その試合では、それぞれの栄光を目指して別々の道を歩んできたチームが相まみえる。

【RA】