寒冷な気候でのドルフィンズ戦で正確なパスを投げたスティーラーズQBロジャース
2025年12月17日(水) 11:58
クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースはピッツバーグ・スティーラーズでの初年度を過ごしているが、北地区を支配するチームを率いるのは初めてではない。
現地15日(月)夜、ロジャースとスティーラーズは極寒の中で行われたマイアミ・ドルフィンズ戦の後半に勢いを増し、最終的に28対15で快勝してAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区首位の座を維持した。
13回連続でパスを成功させるなど、パス精度が抜群だったロジャースは、最終的にパス27回中23回成功で224ヤードを記録。ワイドレシーバー(WR)のマルケス・バルデス・スカントリングとD.K.メットカーフにタッチダウンパスを通し、キャリアで2番目に高いパス成功率(85.2%)、今季で2番目に高いパサーレーティング(125.9)をマークした。
ロジャースはリズムをつかんだ理由について「寒さのおかげだろうね」と話している。
「カリフォルニア育ちだけど、寒い中でプレーするのはずっと好きだった。オフェンスにとって有利な面があると思うんだ。特にフィールドがちょっと荒れている場合や、グリーンベイのように年々滑りやすくなっている場合はね。つまり、俺はそれをずっと楽しんできた。こんなふうに寒いとボールを扱いにくくなるけど、俺はそういうボールをうまく扱える手の持ち主だ。だからこれまでもかなり正確に投げられていた。でもそれだけではすべてを語れない。見事なキャッチもあったし、うまく調整できた場面や短いパスで進む場面もあった。でも、今日は効率的にやらなきゃいけないって分かっていた」
ドルフィンズが華氏40度(摂氏約4度)未満の試合で14連敗を喫した一方で、グリーンベイ・パッカーズでの18シーズンで8度のNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区制覇を果たし、MVPに4度輝いたロジャースは、キックオフ時の気温が華氏約16度(摂氏約マイナス9度)という状況でも問題なくプレーした。
ロジャースとスティーラーズにとっては、天候に問題がなかっただけではなく、勝利したタイミングも絶妙だった。
シーズン開幕から4勝1敗を収めたものの、シーズン第12週と第13週の連敗で6勝6敗にまで落ち込んでいたスティーラーズは、最も重要な局面で流れを取り戻している。
ヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンは「この時期だ。わざわざ言う必要もない」とコメントした。
9月の最終2週以来となる連勝を達成したスティーラーズ(8勝6敗)は、AFC北地区でボルティモア・レイブンズ(7勝7敗)を上回っており、残り3試合のうち1試合は2位のレイブンズとの直接対決となる。
ロジャースは連勝について「もうそんなに経ったのか?」と語り、次のように続けた。
「ああ、つまり次の2試合は重要だ。もちろん地区対決が一番重要だけど、前回の相手は4連勝中だった。プレーオフへの最短ルートが地区優勝だってことを、俺たちは分かっている。ボルティモアにはすでに勝っているけど、当然、地区対決の結果やカンファレンス成績を含むタイブレーカーも影響してくる。つまり、AFCの試合に勝つのは本当に重要だ。1ゲーム差のリードを保つことだけじゃなく、直接対決で勝つことも大きな意味を持つ」
ドルフィンズ戦の第2クオーター残り5分で3対0とリードを許していた中、ロジャースはプレー12回、60ヤードのスコアリングドライブを演出。最後はタイトエンド(TE)コナー・ヘイワードのタッチダウンランで締めくくられた。スティーラーズはそこから28点を連取している。
ハーフタイム明けのキックオフでボールを受け取ると、スティーラーズはラン攻撃で主導権を握り、ランニングバック(RB)ジェイレン・ウォーレンとケニス・ゲインウェルがキャリー5回で合計52ヤードを稼いだ。その後、ロジャースはパッカーズ時代もチームメイトだったバルデス・スカントリングに19ヤードのタッチダウンパスを通した。
トムリンHCは「簡単にはいかないだろうと思っていたが、軌道に乗ってからはある程度円滑に進められた」と述べている。
次の攻撃で、ロジャースは中央の狭いスペースに見事なパスを投げた。それを受け取ったメットカーフは、最初のタックルをかわしてさらに2人のディフェンダーを振り切り、最後の1人をスティフアームで退け、目を見張るほど素晴らしい28ヤードのタッチダウンを決めた。
「DKのあのプレーは、21年間で見てきた中でも特に素晴らしいプレーだった」とロジャースは話している。
スティーラーズの4連続タッチダウンを締めくくったのはTEジョンヌ・スミスだった。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、スティーラーズが4回連続でタッチダウンを決めたのは2018年シーズン第2週以来のことだったという。
ロジャースはタッチダウンパスを複数回記録した試合数が166試合に達し、このカテゴリーでペイトン・マニングを抜いて歴代3位となった。しかし、ロジャースはパッカーズに在籍していた2021年シーズンを最後に、プレーオフに進出していない。
12月にプレーオフ進出に関わる重要な試合に出場することは、ロジャースが現役を続けてスティーラーズに加入する決断を下した最大の理由の1つだった。
「(パッカーズ在籍時の2022年は)ある時点で4勝8敗だったけど、そこから4連勝してチャンスをつかんだ」とロジャースは振り返っている。
「(ニューヨーク・ジェッツ在籍時の2023年は)4回しかプレーできなかった。(ジェッツ在籍時の2024年は)全体的にあまり良くなかった。だから、こういう状況に身を置くのは久しぶりだ。でも何も変わらない。この環境は本当に居心地が良いと感じている」
ロジャースにとってキャリア最後となる可能性が高いシーズンの残り3試合で、スティーラーズはデトロイト・ライオンズやクリーブランド・ブラウンズと敵地で戦い、レイブンズをホームで迎え撃つ予定だ。これらの試合はいずれもプレーオフ進出に大きな影響を与えると同時に、寒さの厳しい環境で行われる。
トムリンHCは12月に良いパフォーマンスを見せる重要性について言及し、「まあ、また来週。注目しておいてほしい」と語った。
【RA】



































