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NFLがイーグルス戦での脳しんとうプロトコル違反でジャイアンツに罰金、ダボールHCとRBスカッテボにも罰金

2025年10月25日(土) 10:32

ニューヨーク・ジャイアンツのヘッドコーチ(HC)ブライアン・ダボール 【AP Photo/Julio Cortez】

NFLが現地24日(金)、ニューヨーク・ジャイアンツがシーズン第6週に勝利したフィラデルフィア・イーグルス戦で脳しんとうプロトコルに違反したとして20万ドル(約3,056万円)の罰金を科したと発表した。

ジャイアンツのヘッドコーチ(HC)ブライアン・ダボールとランニングバック(RB)キャム・スカッテボもイーグルス戦でリーグに有害な行為におよんだとして、それぞれ10万ドル(約1,528万円)と1万5,000ドル(約229万円)の罰金を科された。

これらの処分は、NFLとNFLPA(NFL選手会)がサーズデーナイトゲームでジャイアンツのクオーターバック(QB)ジャクソン・ダートに適用されたプロトコルの運用について共同調査を実施した結果として下されたものだ。

NFLとNFLPAは、ダートの診断においてジャイアンツの医療スタッフおよび外部の医療スタッフが団体労働協約(CBA)で定められたすべての手順を“適切に遵守した”と認定した一方で、ダボールHCとスカッテボの行動によりジャイアンツがプロトコルに違反したと結論づけた。

ダートは第3クオーター終盤、イーグルスのラインバッカー(LB)パトリック・ジョンソンにサックされた後に試合を退いた。チームのメディカルスタッフが駆けつけるまで、ダートは芝生に倒れたまま頭をおさえていた。その後、ドラフト1巡目指名を受けた新人のダートは軽く走りながら自力でフィールドを離れ、サイドラインにあるブルーのメディカルテントへ向かった。

ダートの代わりに2回のプレーに参加したラッセル・ウィルソンは、1回目はボールを手渡してランプレーを実行し、もう1回はパスインコンプリートで終えた。ジャイアンツがそのドライブをパントで終えた後、プレー可能と判断されたダートは、次のドライブで復帰して最後までプレーした。

NFLとNFLPAは、ダートがブルーのメディカルテントで検査を受けている最中、ダボールHCとスカッテボが検査終了前にテントに入ってダートと会話したことで、“ダートの検査に干渉しているように見える印象を与えた”としている。

NFLとNFLPAは共同で発表した声明で、「双方とも、ダボールコーチとスカッテボ氏の行為がダート氏の検査や治療に実際の影響を及ぼさなかった点については認めているが、彼らの行為は脳しんとうプロトコルの規定に矛盾し、それを無視するものであったため、違反にあたる」とつづった。

脳しんとうプロトコルでは、“テントおよび/またはロッカールームでの評価には、選手のケアに不可欠と判断された医療関係者のみが立ち会うことができる”と定められている。それには、脳しんとうの診断に最も適任なチームの医師、アスレチックトレーナー、並びにサイドラインに控えている外部の神経外傷コンサルタントが含まれる。

また、NFLとNFLPAはジャイアンツが“同様の違反を防ぐための即時の是正措置”を講じているとも指摘した。それには、調査への協力、チームスタッフや選手への追加研修の実施、脳しんとう検査中のメディカルテントに許可された者しか立ち入れないようにするためのさらなる措置が含まれる。

ダボールHCは試合後、自身の行為についてチームドクターに謝罪したと明かし、次のように述べていた。

「クオーターバックの具合を見にちょっと顔を出しただけだ。プレーする準備が整っていない選手を復帰させたいとは決して思わない。私はそのプロセスを心から尊重している」

ジャイアンツのオーナーであるジョン・マーラは調査開始後に発表した声明で、ダボールHCの行動は“不適切”に見えたと述べている。

ジャイアンツ(2勝5敗)は26日(日)アメリカ東部時間13時【日本時間27日(月)2時】からリンカーン・フィナンシャル・フィールドで挑むイーグルス(5勝2敗)との再戦に向けて準備を進めている最中に罰金を科された形となった。

【RA】