一連の検査や医師の診断を経て、シカゴベアーズのクオーターバック（QB）ジェイ・カトラーは利き腕である肩関節唇を部分的に断裂していることが分かった。これは複数の関係者からの情報によるもの。

このケガに加え、数年間にわたるNFLキャリアを通してカトラーの右肩には衝突に次ぐ衝突、そして投げすぎによる摩耗が生じているとの診断が下った。結論を言えば、カトラーの今季終了の恐れは高いということだ。

初診から1週間が経過し、カトラーは現地27日のテネシー・タイタンズ戦にダウトフル登録された。タイタンズ戦にはカトラーでなく、QBマット・バークリーが先発している。チーム内でも体の強さに定評のあるカトラーであるがゆえ、チームはまだカトラーの復帰という望みを捨て切れてはいないものの、今季中にカトラーが復活するだろうといった楽観的な観測は多く聞かれない。チームは万が一、カトラーが復帰可能となった時のため、彼の復帰の道筋も捨ててはいないだけだ。また、言い換えれば、チーム自体がバークリーの起用にあまり乗り気でないことも分かる。

カトラーが手術を要するかどうかはまだ定かではないが、もしそうなれば、彼の状況は今よりもより複雑になる。7年1万2,600万ドル（約142億円）の契約にすでに保証金は残っておらず、ベアーズはカトラーの放出も念頭にあるはずだ。

また、カトラーの契約に関するシナリオとしてもう1つ挙げられるパターンは250万ドル（約2億8,000万）のロースターボーナス付き、2017年のベース年俸は1,250万ドル（約14億）というものだ。これは先発QBが貰う額としては破格ではない。

ベアーズは数年前、カトラーをトレード候補に挙げたこともあり、ヘッドコーチ（HC）ジョン・フォックスが彼に絶対的な信頼を寄せていないことは明らかだ。しかしながら、来季のこのチームにカトラーを上回るようなQBが出てくる保証はどこにもない。ブライアン・ホイヤーはバックアップとしてかなりの好成績を収めた。もし前腕の骨折がなければ、先発QBの座も奪えたかもしれない。だが、今季終了後に彼の契約は終了となり、他チームからのベターなオファーを断ることは考えづらい。

加えて、今季終了後にHCフォックスが解雇となったらどうなるか。新HCはカトラーに手を差し伸べるのか。

カトラーが今季終了後に放出される可能性は言わずもがなであるが、ベアーズQBの不確実性やオプションの数々も考慮すれば、100％カトラーがシカゴを離れるとは言い切れないかもしれない。