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ブロンコスLBシングルトンがシーズン第10週の試合後に精巣がんの手術を受けていたと公表

2025年11月11日(火) 12:36

デンバー・ブロンコスのアレックス・シングルトン【AP Photo/Jack Dempsey, File】

デンバー・ブロンコスの主力タックラーで共同キャプテンを務めるラインバッカー(LB)アレックス・シングルトンは、現地7日(金)に精巣がんの手術を受けた。この手術は、ラスベガス・レイダース戦で9回のタックルを記録して10対7の勝利に貢献してから24時間も経たないうちに実施された。

シングルトンはがんと診断された4日後に試合に出場。今週日曜日に行われるカンザスシティ・チーフス(5勝4敗)との試合は欠場するが、数週間以内の復帰が期待されている。ブロンコスはチーフス戦を終えた後にバイウイークを迎える予定だ。

ブロンコスは『X』に投稿した声明で「私たちの最優先事項はアレックスの健康と幸福であり、幸いにもがんが早期発見されたことに感謝している」と述べている。

シングルトンは月曜日のチームミーティングで、精巣がんの手術を受けたことをチームメイトやコーチ陣に報告。このがんは、1週間前に実施されたNFLの定期薬物検査で異常が検出されたことをきっかけに診断された。

チームへの報告を終えた後、報道陣との電話取材に応じたシングルトンは、がんの診断を受けたわずか数日後にレイダース戦に出場する中で、気持ちに区切りをつけられたのは“フットボールが常に自分の気持ちのはけ口だった”からだと述べた。

シングルトンはレイダース戦で9回のタックルを記録し、ブロンコスが7連勝して成績を8勝2敗に伸ばすのに貢献している。

その翌日、腫瘍を除去する手術を受けたシングルトンは、CTスキャンの結果、がんの転移は見られなかったと明らかにした。

シングルトンは「正直、ショートウイークだったのがかえって良かった。火曜と水曜はフットボールに完全に没頭できた。それに・・・手術が終わるまでは何も分からないわけだから、できる限り考えないようにしていた。今もすべてが完全に分かっているわけじゃない」と話している。

「俺にとって一番大事なのは、どうやってそのことを考えないようにするかってことだった。だから、フットボールは一番良い手段だった。木曜夜にここでスローバックユニフォームを着てプレーしたことで、頭の中にあったことをすべて遮断できたんだ」

シングルトンはチームメイトやコーチ、経営陣、オーナーからのサポートに感謝していると述べ、「試合を欠場することになり、みんなをがっかりさせてしまったと感じている。それが正直な気持ちだ。この知らせはすごく衝撃的だった。だから、みんなからのサポートや愛情には本当に大きな意味がある」と語った。

今後は精巣がんの早期検査の重要性を訴えていきたいと明かしたシングルトンは、次のようにコメントしている。

「この経験についてはこれからも話し続け、皆さんと共有していくつもりだし、これには大きなスティグマが伴うべきではないと全員に理解してもらいたいと思っている」

「そうだ、俺たちみんなに検査を受けるよう呼びかけることができるんだ。医者を恐れないでほしい。俺も長い間、怖がっていたからな」

シングルトンの代役を務めるLBジャスティン・ストナードはシングルトンががんと診断された状態で試合に出場したことについて「驚きはない」とコメント。

「彼は究極のコンペティターであり、究極のチームプレイヤーだ。去年は膝の手術を受けていたし、このリーグで多くの困難を経験してきた。今回の障害は明らかに大きいけど、彼は乗り越えるだろう。俺たちはみんな、彼を支えるためにここにいる」

ブロンコスは既にスターコーナーバック(CB)パトリック・サーテイン二世を欠いている。胸筋を痛めているサーテイン二世は次戦も欠場する予定だ。普段、ヘルメットを通じてコーチ陣からの指示を受ける役割を担っているシングルトンが欠場するため、ブロンコスでは複数の調整が必要になるだろう。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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