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古巣ラムズとの対戦を特別視しないシーホークスWRカップ

2025年11月14日(金) 10:21

シアトル・シーホークスのクーパー・カップ【Cooper Neill via AP】

ワイドレシーバー(WR)クーパー・カップが妻のアンナとゴルフカートの後部座席に座り、SoFiスタジアムで行われた第56回スーパーボウル後の記者会見を勝利の喜びに包まれながら後にしたのは、つい最近のことだ。

第56回スーパーボウルMVPに輝いたカップは現地16日(日)に、伝説的なパフォーマンスを見せた舞台に訪問者として戻ってくる。現在所属しているシアトル・シーホークスの一員として、ロサンゼルス・ラムズとのNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)西地区対決に挑むのだ。2025年初頭にラムズが自分を手放した決定には納得していないものの、カップは敵意を持って試合に臨むわけではない。

『ESPN』によると、カップは「いつもの試合と変わらない。フィールドに出て、自分のプレーをする。あっちには大好きなやつらがたくさんいる。でも、結局のところ、フットボールの試合をしに行くんだ。そういうことさ。この試合も他の試合と同じように捉えるつもりだ。フィールドに出て集中し、1プレーずつ自分の仕事を遂行する。そういうプレーごとの考え方を持ち続ける。いつも通りね」と語ったという。

カップが2月と3月に身をもって学んだように、NFLではどれほど良い状況に見えても、それが永遠に続くわけではない。時は流れ、選手は年を取り、指導陣の方針や目標、願望は変化し、かつて協力していた者たちはやがて別々の道を歩むことになる。カップの場合のように、その別れが合意のもとで決まらない場合もある。

カップの2月の発言はすべてを物語っていた。カップは当時、「自分ではどうにもならないことは山ほどあるが、振り返ったときに覚えているのは、そういう状況にどう対応するかだ」とコメントしている。

3月にラムズから放出されたカップは、太平洋岸北西部に新たな居場所を見つけた。現在の成績は、ケガに悩まされていたラムズでの最後の数シーズンでの水準よりやや低いものの、カップは現在のレシーブ記録でNFL首位に立っているWRジャクソン・スミス・インジグバを支える役割を担うことに満足している。

7勝2敗でスーパーボウル出場候補の1つとなっているシーホークスにとって、その布陣は十分に機能している。シーホークスは同じく7勝2敗のラムズと、優勝を目指すチーム同士の注目の対決を繰り広げる見込みだ。

カップにとって最も重要なのは、その試合に集中することだ。別れの痛みはまだ残っているかもしれないが、カップはシーズン第11週を迎えるにあたり、自分に注目が集まるのを好ましくないと考えている。

「自分ばかりが注目される試合にしてはいけない」と強調したカップは次のように続けた。

「そんなやり方じゃうまくいかない。これはまさにチームスポーツだ。フィールドには多くの選手がいて、それぞれが役割を担って高いレベルでプレーしている。大事なのは、自分でコントロールできる部分をコントロールし、与えられた役割をうまく果たし、高いレベルで実行し、それを何度も繰り返すことだ」

「今回の試合では他の試合以上に勝ちたいと思っていると言うのは、ただただ残念なことだ。自分の野心や欲望のために、ここにいる仲間たちに負担を強いるような真似をするのは彼らに対して失礼だ」

カップとラムズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイは再会を果たす試合に向けて典型的な発言をしている。つまり、選手やコーチ、チーム、そして街への感謝を述べた。カップはさらに、ラムズから契約を延長しない意向を伝えられたときに、自分が求めていた明確な答えをようやく得ることができ、それによって必要な区切りをつけることができたと語っている。

「組織内の人たちと個別に話をして、その段階にたどり着こうとしていた」と明かしたカップは「それは大事なことだった。自ら手を伸ばしてつかみ取る価値があるほど重要なことだった。あそこに行けるのはうれしい。試合前にみんなとハグをして、試合が始まるときは切り替えて臨む。それを楽しみにしている」と続けている。

【RA】