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QBバロウ復帰で控え降格の可能性を一蹴するベンガルズQBフラッコ、「まったく気にしていない」

2025年11月14日(金) 16:09

シンシナティ・ベンガルズのジョー・フラッコ【AP Photo/Jeff Dean】

クオーターバック(QB)ジョー・フラッコは、クリーブランド・ブラウンズで苦境に立たされていた最中、オハイオ州の反対側へ向かい、シンシナティ・ベンガルズの救世主としてプレーすることを告げられた。

一方、真の救世主であるフランチャイズQBジョー・バロウが今週の練習に参加し、待望の復帰が目前に迫っている。つまり、フラッコはまもなく40歳のバックアップとして再びベンチに戻る見通しだ。先発としての時間は着実に減りつつある。喜びもあれば不満も伴う、報われにくい役割ではあるが、フラッコは12月以降の自身の立場について悩んで時間を浪費する気はないようだ。

フラッコは「どうだろうな。バックアップの多くはそういう状況に慣れているだろう。ケガで3週間離脱した選手が戻ってくる、といった前提を理解してプレーしているものだ」と『The Cincinnati Enquirer(ザ・シンシナティ・エンクワイアラー)』に語っている。

「正直、まったく気にしていない。自分のルーティンの中にそういう発想はないから、考えてもいない。大事なのは今週の試合だけで、それ以外のことを考えると気が散るだけだ。だから、その点について心配していない」

「さっきも言ったように、自分の仕事を果たすことだけに集中している。そして今週の仕事は、ピッツバーグ・スティーラーズと戦うことだ」

フラッコは、もはやフィールド外の雑音に左右される年齢ではない。まして、3勝6敗のベンガルズが次に迎えるのは宿敵スティーラーズとの一戦だ。AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区の争いに再び食い込むためにも、この試合をきっかけに勢いをつけたい。

控えに戻る可能性を気にしている余裕などない、ということだ。

また、こうした状況がバロウとフラッコの関係に影を落とすのではないか、あるいは守備崩壊による混乱に直面しているロッカールームにさらなる不協和音を生むのではないか、と考える人もいるだろう。

しかしフラッコはそれをあっさり退け、ヘッドコーチ(HC)ザック・テイラーのオフェンスを長年率いてきた経験豊富なシグナルコーラーと一緒に過ごせること自体が大きな利点だと強調した。

「その点について大げさに捉え過ぎだと思う」とフラッコは言う。

「つまり、俺たちはただ同じ部屋に座っている2人のクオーターバックであって、そこで特別なことをしているわけではない。どのチームにもいる2人のクオーターバックと変わらない。俺はまだこのオフェンスに加わって日が浅く、頼りにしているのは彼だけでなくジェイク(ブラウニング)も同じだ。まだ全体の流れをつかみながら、ちょっとした疑問を2人に投げかけて確認している段階なんだ。今はそこが一番大きい」

「彼らの考えを理解できれば、自分にとってはぐっと楽になる。ジョーはこのオフェンスを長年動かしてきた存在だから、一緒にいてくれるのは心強い。彼がどう物事を進めているのか、その実際のオペレーションを見られるのはいつも大きな助けになる」

シーズン第6週から先発を務めて以降、フラッコが率いるオフェンスは見事に機能している。経験豊富なベテランは1試合平均313.5パスヤードを記録し、パサーレーティング102.6、タッチダウン11回に対してインターセプト2回という成績を4試合で残し、その腕でベンガルズをすべての試合で競争可能な状態にとどめている。フラッコはまたしてもプレーオフ進出を狙うチームを救い、ポストシーズンへ導こうとしているが、2023年にブラウンズで見せた奇跡的な快進撃とは異なり、今回はベンガルズの深刻なディフェンス不振を補いきれていない。

もしフラッコがNFLでの18年目のシーズンをプレーオフへと続く物語のような展開で締めくくりたいのであれば、チームを背負って戦う覚悟が求められるだろう。ベンガルズとしては、バロウが来月復帰するまでの間、フラッコが希望をつなぎとめてくれることを期待している。

【R】