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前回の敗北を受け、QBを含む「あらゆることを評価」中のジェッツHCグレン

2025年11月15日(土) 11:57

ニューヨーク・ジェッツのヘッドコーチ(HC)アーロン・グレン【Cooper Neill via AP】

2勝8敗の現状を受け、ニューヨーク・ジェッツのヘッドコーチ(HC)アーロン・グレンは負けることにうんざりしており、勝利の可能性を高めるために必要な変更を何でも行う覚悟を決めている。

その変更にはクオーターバック(QB)の交代も含まれるかもしれない。

『Associated Press(AP通信)』によると、グレンHCは現地14日(金)に「正直に言うと、あらゆることを評価しているところだ」と述べ、こう続けたという。

「自分自身も、選手も、戦術も、コーチも、すべてを評価している。つまり、たった1つの側面にすべてを押し付けたいわけではない。全体を見ている。ヘッドコーチとして、私の仕事は勝利をつかめるよう、チームを最善の状態に導くことだからね」

この“すべてを評価している”というのはお決まりの言い回しで、敗北が続いていることによるプレッシャーを感じているコーチが口にしがちな表現だ。ニューヨークのもう1人のヘッドコーチ――先日解任されたニューヨーク・ジャイアンツのブライアン・ダボールHC――も9月にQBの変更を検討しているかと問われた際に同じ発言をしていた。

ダボールは質問を受けた2日後にラッセル・ウィルソンをベンチに下げ、ジャクソン・ダートを先発に起用している。

しかし、状況が異なるため、単純な比較はできない。ダボールは就任4年目の2025年シーズンを迎えるにあたり、すでに厳しい立場に置かれていた。また、ダボールには年長の選手を若手選手に入れ替える余裕もあり、36歳のウィルソンをベンチに下げ、ドラフト1巡目指名した新人のダートを起用することができた。

一方、グレンHCは就任1年目のヘッドコーチであり、2026年まで契約を結んでいるジャスティン・フィールズから、信頼はできるものの長期的な戦力としては期待できないベテランバックアップのタイロッド・テイラーへの交代を検討している。

ジェッツの現状は、NFLがいかに結果重視の世界であるかを示す例だと言えよう。チームの苦戦に明らかに不満を抱いているグレンHCは、木曜夜にニューイングランド・ペイトリオッツに敗れたことを受け、打開策を必死に模索している。マサチューセッツ州フォックスボロで行われたその試合では、本来なら互角の勝負を展開できたはずが、チーム全体のミスが響いて敗北を喫した。

フィールズが好プレーを見せた場面はいくつかあった。試合序盤にはランプレーがうまく機能し、印象的なオープニングドライブはフィールズのタッチダウンランで締めくくられている。また、オハイオ州立大学出身のフィールズは非常に正確なパスも投げていたが、そのほとんどはターゲットとなったレシーバーによって取りこぼされてしまった。特に最近加入したワイドレシーバー(WR)アドナイ・ミッチェルは大きく苦戦していた。

グレンHCは27対14で敗れたペイトリオッツ戦でフィールズは“いくつかの好プレーを見せた”とし、その貢献を認めている。しかし、それだけでは不十分なのかもしれない。

「私たちがパス攻撃を改善しなければならないのは明らかだ。それはジャスティンが適切な選手にボールを投げることも大きく関わってくる。そして、レシーバーもボールを受けるチャンスがあるときに、しっかりそのプレーを決める必要がある」とグレンHCは述べた。

ほとんどの場合、ジェッツの選手たちはそうしたプレーを成功させられていない。フィールズにも非がないわけではなく、今季はパス能力の面でNFLクオーターバックとしての基準に大きく及ばず、ボールの保持にも苦戦しているため、『NFL.com』による“QB Index(QBインデックス)”で常に下位に位置している。そうした中、フィールズ率いる攻撃陣は、ほとんどの対戦相手に脅威を与えられていない。

木曜夜、フィールズはペイトリオッツに敗れた後に「十分ではなかった。負けたってことは十分じゃなかったんだ。負ける試合はすべて、自分のパフォーマンスが不十分なんだ」と語った。

直近で勝利を収めたクリーブランド・ブラウンズ戦(27対20)でも、フィールズの成績はパス11回中6回成功、54ヤード、タッチダウン1回(スクリーンパスを受けたランニングバック/RBブリース・ホールがキャッチ後に長距離を走って成功)にとどまり、ブラウンズの得点につながった致命的なインターセプトも喫した。ジェッツがこの試合で勝利できたのは、2回のリターンタッチダウンを記録したスペシャルチームのおかげと言えるだろう。

テイラーが最後に先発出場したシーズン第3週のタンパベイ・バッカニアーズ戦では、29対27の敗北を喫したものの、ジェッツ攻撃陣は今季最高の状態に見えた。

少なくとも、先発として1週間の準備期間を与えられれば、テイラーはジェッツの勝利確率を高められるかもしれない。2勝8敗でプレーオフ進出がほぼ絶望的なチームにとって、それは大きな意味を持つだろう。

グレンHCは「クオーターバックを交代させるとき“チームに刺激与えようとしている”というような話をよく聞くが、私にとっては、チームに勝つチャンスを与えるための最善の判断を下す、ということだ。刺激は一時的なものに過ぎないからね。他のコーチの判断がどうかは知らないが、私は勝利のチャンスを与える決断をしたいと思っている」と語った。

グレンHCが金曜日に説明したほど単純な話なのかどうかは、これから明らかになるだろう。

【RA】