DEボニートのパスカットでブロンコスがコマンダースとの延長戦を制して9連勝
2025年12月02日(火) 14:30
デンバー・ブロンコスの9連勝は、ディフェンシブエンド(DE)ニック・ボニートが伸ばした腕に懸かっていた。現地30日(日)夜に行われたワシントン・コマンダースとの激しい攻防の末、ボニートはクオーターバック(QB)マーカス・マリオタが完全にフリーになっていたランニングバック(RB)ジェレミー・マクニコルスに通そうとした2ポイントコンバージョンのパスをたたき落とし、延長戦で27対26の勝利をつかんだ。
チームの公式サイトによれば、ボニートは勝利後に「彼はかなり深く下がって時間を稼ごうとしていたから、こっちも思い切り追い詰めてボールを投げさせるしかないと思っていた。結果的にパスをたたき落とすことができて、あのプレーで試合に勝てた」と語ったという。
この最後のプレーに至るまで、ブロンコスはマリオタ率いるコマンダース攻撃陣を止めることができなかった。コマンダースは18回のプレーで86ヤードを前進し、同点のフィールドゴールを決めて試合をオーバータイムに持ち込んだ。さらに延長戦でも11回のプレーによる70ヤードのドライブを組み立て、勝利を狙える状況を作り上げた。
ボニートはパスカットの9プレー前にも試合を終わらせかけていた。サック目前まで追い詰めたものの、マリオタがすり抜けて投げ捨てるようにパスを放ち、その結果セーフティ(S)タラノア・フファンガにパスインターフェアランスの反則が科された。
「そのプレーについてはチームメイトに謝った」とボニートは話す。
「固定具をつけていたとはいえ言い訳にはならないし、サックを決める方法を見つけて相手をつかまえ、最後まで仕留めないといけなかった。それでも最終的に勝てて本当に良かった」
サックを妨げたその固定具が、今度はパスをたたき落とした。
ヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンは2ポイントコンバージョン前にタイムアウトを取り、守備コーディネーター(DC)バンス・ジョセフがプレッシャーの見せ方を変更。その結果、ボニートがクオーターバックに向かってフリーで抜ける形が生まれた。
「いったん状況を見極めて、相手が同じ配置で戻ってくるかを確かめたかった」とペイトンHCは説明している。
「相手からのプレッシャーはなく、ニックがフリーのラッシャーになった。皮肉にもボールは彼の固定具をつけた手に当たったけど、素晴らしいプレーだった」
その日タックルをかわし続けていたマリオタは、もしボニートの上を越える形でボールを投げられていれば、フラットで完全にフリーだったマクニコルスに通すことができていた。
「DCのバンスは、ブリッツを仕掛けてきたり、仕掛けると見せかけて下がったりと、うまく混ぜてきていた」とマリオタは振り返る。
「そして2ポイントコンバージョンでは実際にブリッツを仕掛けてきた。だから後ろに下がって味方にチャンスを与えようとしたけど、最後は相手がプレーを決めた」
ボニートのパスカットによってブロンコスは9連勝を飾り、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のプレーオフ争いでニューイングランド・ペイトリオッツと並び首位に浮上。今回の9連勝は、ブロンコスが1シーズンに記録したものとしては2012年の第6週から第17週の11連勝以来の最長となり、フランチャイズ史上4番目に長い連勝記録に並ぶ。
ブロンコスは常に余裕を持って勝っているわけではなく、ここ4試合を合計10点差で辛勝している。日曜日の試合でも攻撃が噛み合わない時間帯があり、終盤には守備がフィールドから下がれない場面もあった。それでも重圧のかかる状況で勝ち切っている。
QBボー・ニックスは「これまで指導してくれたオフェンスコーチの1人から、‟プレッシャーは特権だ。そんな状況に立てる人間は多くない”と言われたことがある」と語った。
「だから、もしそのチャンスを与えられるのが自分なら、その状況を最大限に生かしたい。物事がいつも思い通りになるわけではないけど、ここ数試合は自分たちに流れが来ている。去年はこうした接戦を逆の立場で味わってきたから、その苦しさもよく分かっている。それでも前へ進み続けて、必ず道を見つけるという信念を持たないといけない」
日曜日の夜にブロンコスは最後の大きなパスカットでその道を切り開いた。
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