5ターンオーバーを喫したチャージャーズ戦で自身のプレーを反省するイーグルスQBハーツ
2025年12月10日(水) 13:51
フィラデルフィア・イーグルスの攻撃陣は相変わらずガタガタの古いそりのようであり、ほんの一瞬しか安定して滑ることができず、不安定になるとすぐに制御不能に陥ってしまう。現地8日(月)夜にはそりが壊れかけているように見えた。
ヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニはロサンゼルス・チャージャーズに22対19で敗れた後に「あれはひどいと思う」とコメント。
「あれはひどい。結局のところ、この試合では自分たちとしては珍しくターンオーバーがいくつかあった。いつもそうだが、最終的にはコーチングとプレーの遂行の両方が十分かどうかにかかってくる」
“いくつかのターンオーバー”とは、イーグルスのクオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツが5回もボールを失ったことを指す。ハーツは1回のプレーで2度のターンオーバーを喫するという深刻な事態にも直面した。第2クオーターにチャージャーズのディフェンシブエンド(DE)ダショーン・ハンドによってインターセプトされた後、ハンドが落としたボールをリカバーしたものの、自らもファンブルしたのだ。『Elias Sports Bureau(イライアス・スポーツ・ビューロー)』によると、少なくとも1978年以降(調査可能な範囲で)、同じプレーで1人の選手が2度のターンオーバーを犯したのは初めてのことだったという。
「自分のプレーは十分じゃなかった」とハーツは振り返っている。
「ターンオーバーが多すぎた。特に50ヤードラインを越えたあたりでチャンスはたくさんあったのに、ボックス内まで攻め込むことができなかった」
ハーツは試合を通して精度を欠き、パスが高すぎたり大きく外れたりしていた。その傾向は特にフィールド中央へのパスで顕著であり、ターゲットとなる選手からの助けも得られず、落球によって攻撃が止まってしまうことがしばしばあった。延長戦における最後のパスで、決勝タッチダウンまであと一歩というところでインターセプトされたのは、まさにこの試合にふさわしい終わり方だったと言えよう。
ハーツはパス40回中21回成功で240ヤードを記録した一方で、4回のインターセプトを喫し、パサーレーティングは31.2にとどまった。今回の試合はキャリアで初めて4回のインターセプトを喫した試合となっている(シーズン第1週から第13週までは合計で2インターセプトだった)。また、先発した試合でパサーレーティングが40未満にとどまったキャリア5回目の試合にもなり、その数は2020年以降でマック・ジョーンズ(6回)に次いで2番目に多い。
「すべては自分から始まる。どうプレーするか、どうチームを引っ張るか、そしてフィールドに出て状況を把握する能力にかかってくる」とハーツは語る。
「言い訳は通用しない。見方によっては主観的だとは分かっている。もちろん、いつでも勝てるチャンスはあると感じているけど、チームが結束して勝つ方法を見つけなければならないし、俺自身も勝つ方法を見つけ出さなきゃいけない」
イーグルスのオフェンスは一貫して攻撃を進めることができていない。今季と昨季の大きな違いは、オフェンシブラインで負傷者が相次いでいることだ。また、ランゲームで十分に前進できず、これもイーグルスが試合を粘り強く進められない原因となっている。ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーはチャージャーズ戦でキャリー20回、122ヤードを記録したが、そのうち52ヤードは長いタッチダウンランによるものだった。そのランと19ヤードのランを除いた18回のキャリーでは平均2.8ヤードの獲得にとどまり、8回のキャリーではまったく前進できない、あるいは後退してしまっていた。
攻撃を遂行しやすい状況を作れないことがハーツを苦しい状況に追い込んでいる。月曜日の試合では、ワイドレシーバー(WR)デボンタ・スミスに通したような鋭いパスを投げるときもあれば、まるでチームメイトと一度も練習していないかのように見える場面もあった。攻撃陣の連携は崩れてしまっている。
シリアニHCはハーツについて「もちろん、これは究極のチームスポーツであり、1人の責任だけではない」と述べた。
「結局のところ、彼は常にボールを手にし、その責任を負うことになる。私はそういう状況で彼をサポートするために、もっといい仕事をしなければならない。繰り返しになるが、これは単にプレー遂行だけの問題ではない。われわれコーチ陣がまず自分たちを見つめ直す必要がある。彼が成功する態勢を整え、実行に移せるようサポートできたのか、ということだ。もちろん、ターンオーバーは絶対に避けたい。その点はこれまでうまくやれていた。今夜は少し普段の自分たちらしくなかった」
攻撃コーディネーター(OC)ケビン・パトゥーロがオフェンスの不振で批判を浴びていることを受け、シリアニHCはこの1週間で攻撃陣とより多くの時間を過ごしたと明かしていたが、その効果はあまり現れなかった。
イーグルスはシーズン第10週以降、22得点以上を挙げていない。ほとんどのチームはバイウイーク中に調子を上げるが、イーグルスはむしろ悪化し、シーズン第9週のバイウイーク後の得点はそれぞれ10点、16点、21点、15点、19点にとどまっている。幸いにも守備コーディネーター(DC)ビック・ファンジオ率いる守備陣が素晴らしい働きを見せたおかげで、現在の3連敗は5連敗にならずに済んでいる。
イーグルスが3連敗したことでNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区の状況は面白くなっており、ダラス・カウボーイズにもまだ望みが残されている状態だ。しかし、『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、イーグルスはオフェンスが低迷し続けているにもかかわらず、地区優勝する可能性が92%に上るという。
【RA】



































