カンザスシティ・チーフスのクオーターバック（QB）パトリック・マホームズが左膝の2本の靭帯断裂を修復する手術を終え、リハビリを開始した。チームはMVPに2度輝いた経歴を持つマホームズが来季序盤――早ければシーズン第1週――に復帰できる可能性があると楽観視している。

現地17日（水）、チーフスのスポーツ医学・パフォーマンス担当副社長であるリック・バークホルダーはダン・クーパー医師が月曜夜にダラスで行った手術は順調に進んだとコメント。この手術は、マホームズがロサンゼルス・チャージャーズ戦でACL（前十字靭帯／ぜんじゅうじじんたい）とLCL（外側側副靭帯／がいそくそくふくじんたい）を断裂してから約24時間後に実施された。

この種のケガに要する回復期間は約9カ月とされているが、さまざまな要因によって数カ月前後する可能性がある。来シーズンは2026年9月10日（木）に開幕予定であり、チーフスの初戦はその数日後に行われる見込みだ。

バークホルダーは「選手によっても、競技によっても、ポジションによっても違う。（マホームズは）自分の動きを非常に正確に把握しているため、少し早く進められるはず。おおよその目安は9カ月だが、1、2カ月前後する可能性はある」と述べている。

チーフスはチャージャーズに敗れたことでプレーオフ進出を逃し、10年続いたプレーオフ連続出場記録が途絶えた。チーフスは9シーズン連続でAFC（アメリカン・フットボール・カンファレンス）西地区制覇を果たし、直近7回のカンファレンスチャンピオンシップに出場し、さらに過去3回のスーパーボウルにも出場していた。

日曜日に敵地で臨むテネシー・タイタンズ戦を皮切りに、残りの3試合ではバックアップQBガードナー・ミンシューが司令塔を務める見込みだ。

「感情が揺さぶられた試合からすぐに切り替えないと。もちろん、パット（マホームズ）の状況やプレーオフ進出を逃した現状もそうだ。受け入れるしかない。状況を好転させて今週末こそ勝たないと」ミンシューは話している。

チーフスではスタークオーターバックだけでなく、複数の主力選手が欠場するかもしれない。

ワイドレシーバー（WR）のラシー・ライスやタイクアン・ソーントンはチャージャーズ戦で激しいタックルを受けた影響で脳しんとうプロトコルに入っており、レフトタックル（LT）ジェイロン・ムーアは膝のケガ、ライトタックル（RT）ジャワーン・テイラーは肘の問題で離脱中だ。

また、ディフェンスではコーナーバック（CB）トレント・マクダフィーが引き続き膝のケガを抱え、ラインバッカー（LB）レオ・シェナルも肩の問題に対処している。

これらの選手はいずれも水曜日の練習に参加しなかった。

チーフスのヘッドコーチ（HC）アンディ・リードは「試合までの時間を見ながら調整していく」と述べている。

マホームズは金曜日までにカンザスシティに戻り、バークホルダーのスタッフとともにリハビリを続ける予定だ。リハビリを主導するのは、アシスタントトレーナーで一流の理学療法士でもあるジュリー・フライマイヤーだ。フライマイヤーは2022年シーズンのプレーオフで、マホームズが重度のハイアンクルスプレインに見舞われた際、試合を欠場せずに済むようサポートしたことで注目を集めた。

フライマイヤーは最近、マホームズとともに保険会社『State Farm（ステートファーム）』のコマーシャルにも出演している。

「選手としての彼の考え方は普通とは少し異なることを皆さんもご存じだと思う」とバークホルダーは述べた。

「彼は自分の行動を厳格に管理している。朝6時にはここに来て、夜は最後に帰る。リハビリもその調子で取り組むだろう。そうした小さな積み重ねが、選手の復帰を早めるのだ。ケガの治りが早くなるわけではないが、パフォーマンスを取り戻すのが早くなる」

マホームズが日曜日の試合終盤で負傷してから毎日連絡を取り合っていると明かしたリードHCは、次のようにコメントしている。

「彼は今、すごく前向きだ。リックも言っていた通り、彼は負傷したその日から取り組んでいる。彼なら当然のことだろう。試合が終わった1時間後に“起こしてくれ、動かしてくれ”、“支えてくれ、行かせてくれ”と言っているようなものだ。もちろんそういうケガではないが、それが彼の考え方だ。リハビリも順調に進めていくと思う。そういう意味で、回復も早いだろう。それに、物事に取り組む姿勢は全体の9割を占める。痛みを耐え抜いて回復を目指す意志の強さが重要なのだ」

ミンシューは今週、マホームズが不在のチーム施設を歩くのは奇妙な感覚だと認めた。とはいえ、2人は連絡を取り合っており、NFLでの7シーズンで46試合の先発経験を持つベテランのミンシューは、残りの期間でマホームズの助言を得られることを楽しみにしている。

「彼は最高だ。状況を把握するやいなや、すぐにQBルームにメッセージを送ってくる」と語ったミンシューは「すごく前向きで、チームを奮い立たせようとしている。あいつは今でも俺たちに勝ってほしいと思っている。彼はそれを気にかけているんだ」と続けた。

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記事提供：『The Associated Press（AP通信）』

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