レイブンズが就任18年目にプレーオフ進出を逃したハーボーHCを解任
2026年01月07日(水) 09:53
2025年レギュラーシーズンの最終プレーで44ヤードのフィールドゴールに失敗した瞬間は、NFL最長の在任期間を誇るヘッドコーチ(HC)の1人にとって、チームで指揮を執る最後の瞬間となった。
現地6日(火)、ボルティモア・レイブンズが就任18年目のシーズンにAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区制覇とプレーオフ進出を逃したジョン・ハーボーHCを解任すると、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポート、マイク・ガラフォロ、トム・ペリセロが報じた。
2008年にレイブンズの指揮官に就任したハーボーは、チームを180勝113敗、12回のプレーオフ進出、4回のAFCチャンピオンシップゲーム出場、第47回スーパーボウル制覇に導くなど、輝かしい功績を残してきたが、フランチャイズ史上最多勝利数を誇るコーチとして2位に100勝差をつけてチームを去ることになる。
レイブンズはハーボーの指揮下でリーグ屈指の強豪チームだったが、スーパーボウル優勝候補筆頭として迎えた今シーズンを8勝9敗で終えた直後、チームが停滞していることを認めた。
今シーズン、苦戦を強いられた強豪チームの1つとなったレイブンズは、シーズン開幕から1勝5敗と出遅れただけでなく、第4週にスタークオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンがハムストリングを負傷して3試合を欠場したことで、窮地から抜け出せなくなった。また、守備陣も負傷者に悩まされていた。
とはいえ、シーズン第7週のバイウイーク後には5連勝を収め、勝率5割を上回った。これはハーボーが築いた文化、そして選手の才能や精神力を示すものだったと言えよう。しかし、ハーボー率いるチームはその後の連敗で再び窮地に追い込まれ、残り2試合を控える中、すべての試合を勝ち抜いたうえで運にも恵まれる必要に迫られた。
シーズンを通して故障者報告に名を連ねていたジャクソンは、シーズン第17週も欠場したが、それでもレイブンズはグリーンベイ・パッカーズを圧倒して勝利を収めた。さらに、前述の運も味方し、ピッツバーグ・スティーラーズがクリーブランド・ブラウンズにまさかの敗北を喫したことで、シーズン第18週のサンデーナイトフットボールで地区優勝をかけた直接対決が実現した。
レイブンズとスティーラーズはいつものように得点がなかなか伸びない試合を展開していたが、その様相は第4クオーターに激変し、残り9分間で4度の逆転が生まれた。26対24でリードを許す中、レイブンズは土壇場での第4ダウンコンバージョンと続くニーダウンにより、新人キッカー(K)タイラー・ループに44ヤードのフィールドゴールを蹴るチャンスを作った。
しかし、ループはキャリアで初めて50ヤード未満のフィールドゴールに失敗。レイブンズはプレーオフ進出を逃し、2年連続の地区優勝記録が途絶えた。
ハーボーがレイブンズのヘッドコーチとしてのキャリアを、現役で最も長く指揮を執っているマイク・トムリンHCとの激闘の末に終えたのは、ある意味でふさわしいと言える。今回は両者にとって40回目の直接対決だった。
ハーボーがプレーオフ進出を逃したのはこれで6度目だ。過去8年間では2度しか逃していなかったが、シーズン全体の低迷や優勝の望みが移ろいやすい状況により、レイブンズは新たな指揮官の下で再び優勝争いに加わることを目指そうと考えたようだ。
今回の退任は一部(あるいは多くの人)から性急だと見なされるだろう。しかし、レイブンズが2012年シーズンを最後にスーパーボウルを制していない事実は変わらない。その間、AFCチャンピオンシップゲームに進出したのは1回だけだ。11シーズンで2ケタ勝利を挙げながらも、ハーボー率いるチームは試合終盤で失速することがあまりにも多かった。『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、レイブンズは2008年以降に第4クオーターで46回リードを失っており、その期間における数として2位タイにつけているという。
在任初期に大きな成功を収めた後に訪れた3シーズン以上にわたる低迷期を経て、レイブンズとハーボーは何年も前から決裂寸前であるかのように見えていた。
就任初年度の2008年、ハーボーは新人QBジョー・フラッコを擁してチームをAFCチャンピオンシップゲームまで導いた。それをきっかけに5年連続のプレーオフ進出を果たし、5年目にはスーパーボウル制覇を達成した。
2013年シーズンはスーパーボウル後の反動で8勝8敗に終わり、その翌シーズンはディビジョナルラウンドで敗退。その後、2015年から2017年まではプレーオフ進出を逃した。
2018年シーズン第10週に4勝5敗の成績でバイウイークを迎えた際、ハーボーの退団は現実味を帯びていた。しかし、ハーボーは当時ドラフト1巡目指名の新人だったジャクソンに指揮を託し、残りの7試合で6勝を挙げ、AFC北地区制覇を成し遂げた。
ジャクソンを司令塔に据えたことで、ハーボー率いるレイブンズは再び強豪チームとして台頭し、2021年シーズンと今シーズンを除いてプレーオフに進出。とはいえ、ポストシーズンの結果はいずれも振るわず、2023年シーズンを除けばディビジョナルラウンドが越えられない壁のように見えた。
ジャクソンはMVPを2度受賞したが、2021年から2022年にケガが相次いだことで2023年オフシーズンには契約延長の見通しが不透明になっていた。最終的には実現したものの、チームが負傷者続出で低迷する中、今季は再びジャクソンの立場について疑問が生じていた。また、ジャクソンはシーズン最終戦でスティーラーズに敗れた直後、自身の将来について言及することを避けている。
それは今後、ジェネラルマネジャー(GM)エリック・デコスタと新たなヘッドコーチが答えを出すべき問題だ。
レイブンズ史上3人目のヘッドコーチとして活躍し続けてきた63歳のハーボーは、リーグ内でヘッドコーチを探しているチームにとっては間違いなく候補の1人となるだろう。
30年の歴史で4人目のヘッドコーチを探すことになったレイブンズは、今シーズンの挫折が一時的なものだったことを願いつつ、長年あと一歩のところでスーパーボウル制覇を逃してきた状況を、すぐに打開する方法を模索しなければならない。
【RA】



































