トムリンHCの決断に「驚かなかった」スティーラーズ社長、ロジャースへの影響を予想
2026年01月15日(木) 12:05
ピッツバーグ・スティーラーズのマイク・トムリン時代が幕を閉じた。新たな時代への第一歩を踏み出すにあたり、スティーラーズは柔軟な姿勢を保っている。
チーム社長のアート・ルーニー二世は現地14日(水)に報道陣に対し、19年間ヘッドコーチ(HC)としてチームを率いたトムリンの任期が終わった火曜日を“感情的な日”だったと説明しながらも、完全に驚いたわけではなかったと明かした。
ルーニー二世はトムリンが退任を決断したことについて「驚いたわけではないが、昨日ああいう会話になるとは予想していなかった。キャリアのこの段階に至れば――本人も言及していたが――終わりの始まりに近づいていることは明らかになる。だから、予想はできていたし、すでに言った通り驚いたとは言えない」とコメントしている。
トムリンはスティーラーズがヒューストン・テキサンズに30対6で敗れてから24時間も経たないうちに退任を決意。スティーラーズがホームでのマンデーナイトゲームで敗れたのは24試合ぶりのことで、1992年から続いていた記録に終止符が打たれた。より重要なのは、トムリン率いるスティーラーズがプレーオフで7連敗を喫し、現在のNFLで最も長いプレーオフ連敗記録となった点だ。
試合終了が近づくにつれ、いくつもの時代の終わりが訪れようとしていることが明らかになった。クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースはNFLのユニフォームを着る最後の瞬間を迎えていた可能性があり、トムリンの将来も不透明だった。トムリンはピッツバーグを去る方法を他人に決めさせるのではなく、2007年から続けてきた唯一の仕事から離れる時が来たと判断し、約20年におよぶ在任期間に幕を下ろした。トムリンはレギュラーシーズンで193勝114敗2分、ポストシーズンでは8勝12敗の成績を残し、2度のスーパーボウル進出を経験。第43回スーパーボウルではチームを率いてロンバルディトロフィーを獲得した。
「マイクは19年間、このフランチャイズを率いる偉大なリーダーだった」と語ったルーニー二世は「強さと誠実さでチームを率い、常に組織の価値観を体現してきた。要するに、マイクがいたから私たちは常に優勝争いに加わることができた。それが最も重要なことだ」と続けている。
ルーニー二世によると、トムリンは今オフシーズンに他チームで職を得るためにピッツバーグを離れるわけではないとのことで、本人も“少なくとも近い将来は指導を行うつもりはない”と示唆していたという。
「彼は家族と過ごす時間を持ちたいんだと思う。それに、何年もできなかったようなことをしたいのだろう。そういう話が出てきたら、そのときに対応すればいいが、現時点で彼はそういうことに意識を向けていないようだ」とルーニー二世は続けている。
ヘッドコーチが長年指揮を執った末に退任した例はトムリンが初めてではない。過去にはニューオーリンズ・セインツでQBドリュー・ブリーズとともに初期の輝きを取り戻すのに苦労したショーン・ペイトンも、2021年シーズン終了後に同様の決断を下している。ペイトンは引退してテレビ業界で1年を過ごした後、2023年にデンバー・ブロンコスで再び指揮官に就任した。
トムリンも同様の道をたどる可能性があると見られているが、詳細は未定だ。ロジャースの将来についても同じことが言える。42歳のロジャースは昨年7月、2025年がNFLでの最後のシーズンになる可能性が高いと語っていた。
ロジャースは2025年シーズンに依然として高いレベルでプレーできることを証明したが、スティーラーズへの加入を決めた最大の理由はトムリンの存在だった。トムリンが去った今、ルーニー二世は2026年にチームとして新たな道を探る必要があると考えている。
「アーロンはマイクがいるからここに来た。だから、退任が彼の決断に影響する可能性は高いと思う」と語ったルーニー二世は、次のようにつけ加えた。
「クオーターバックポジションは候補者との話し合いで重要なポイントになると確信している。私たちは今後の計画を練る必要があるだろう」
ヘッドコーチの空席を埋めようとしている9チームのうちの1つとして、スティーラーズはこれまでと大きく異なる状況に立たされている。スティーラーズは1969年以降、チャック・ノール、ビル・カウアー、トムリンと、わずか3人のヘッドコーチしか起用してこなかったことで有名だ。
次のヘッドコーチ探しはすでに始まっている。スティーラーズは標準的な採用スケジュールに従う見込みだ――ルーニー二世によると、“少なくとも数週間はかかる”とのこと――が、約55年にわたって起用してきたタイプのヘッドコーチを必ずしも求めるわけではない。また、既存スタッフの中から候補者を検討することはないとつけ加えたルーニー二世は、次のように説明している。
「誰を候補とするか、どんなリストを作るかについてはオープンな姿勢をとるつもりだ。チャック・ノールやビル・カウアー、マイク・トムリンのような人物を迎える可能性はある。だがそうだな、そういう型に合う人がいれば素晴らしいが、現時点で選択肢を過度に狭めるつもりはない」
次期ヘッドコーチを探す際にロースターが重要な要素となることは明らかだ。2022年にベン・ロスリスバーガーが引退して以降、スティーラーズのQBポジションには大きな疑問符がついている。ジェネラルマネジャー(GM)オマール・カーンは年長の主力選手を含むディフェンスの競争力を維持する方法も見つけなければならない。
ルーニー二世は新しいヘッドコーチを迎えてチームの権力構造を変えることは目指しておらず、ノール、カウアー、トムリンの下で機能していた指揮系統を再現しようとしている。そのため、自律性(あるいはそれに近いもの)を求める候補者は除外されるかもしれない。しかし、もしその権利を得ているフランチャイズがあるとすれば、それはスティーラーズだ。彼らは変化が激しいNFLにおいて、長年にわたって継続性の模範となってきた。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロは水曜日、スティーラーズがミネソタ・バイキングスの守備コーディネーター(DC)ブライアン・フローレス(2022年にトムリンのスタッフとしてスティーラーズに所属していた)とロサンゼルス・ラムズのクリス・シュラDC、パスゲームコーディーネーターのネイト・シールハース、マイアミ・ドルフィンズのアンソニー・ウィーバーDC、ロサンゼルス・チャージャーズのジェシー・ミンターDCに面談を要請したと報じている。
スティーラーズのやり方はヘッドコーチを志す者にとって魅力的だと考えているルーニー二世は、トムリンが19シーズンにわたって成し遂げたように、新任コーチもチームを競争力のある状態に保ち続けることを期待している。ルーニー二世は、チームのロースター状況が候補者との面談で話題に上るのは間違いないと述べた一方で、それを2026年に後退する言い訳に使うことはないと強調した。
「なぜ優勝争いをせずに1年を無駄にするのか、私には分からない」とルーニー二世は話している。
「ロースターは毎年そういうものだ。毎年変わるのだ。つまり毎年、手元にある戦力で戦い、優勝争いができる状態に自分たちを持っていくよう努力する。戦力がそろう年もあれば、そろわない年もあるが、毎年努力をするのが大事だ」
約20年ぶりにヘッドコーチが不在となったスティーラーズは、今後の数週間でこれまで以上に努力しなければならないだろう。
【RA】



































