レイブンズでの仕事を「求めていた」ミンターHC、QBジャクソンとの関係構築を目指す
2026年01月30日(金) 11:53
ボルティモア・レイブンズは初めてヘッドコーチ(HC)に就任するジェシー・ミンターがハーボーのコーチングツリーから大きく外れない人材であることを期待して採用した。
前HCジョン・ハーボーは18シーズンにわたる在任期間で安定した成績を残し、2012年シーズンにはスーパーボウル制覇を達成。NFLコーチとしてのキャリアをレイブンズのアシスタントとしてスタートさせた42歳のミンターは、その影響を実際に体感した。また、ミンターは直近の2シーズンでロサンゼルス・チャージャーズに所属し、ジョンの弟であるジム・ハーボーの下で守備コーディネーター(DC)として活躍してきた。
だからこそ、ミンターはレイブンズに居心地の良さを感じている。
ミンターは現地29日(木)に臨んだ就任記者会見で「この職が空いたとき、自分にぴったりで、まさに求めていたものだと思った」と述べた。
「確かに最初は多くのチームとやりとりをしていたが、この組織の人たちと再びつながることができ、歴史や伝統、組織の中核となる理念を知るうちに、ここ以上に自分にふさわしい場所はないと確信した」
30年にわたるフランチャイズの歴史でわずか4人目のヘッドコーチとなったミンターは、後任として難しい立場に立たされるかもしれないが、クオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンを筆頭に優秀な選手を多く抱えるレイブンズで成功を維持するチャンスはあると考えている。
ミンターはMVPに2度輝いた経歴を持つジャクソンと関係を構築するために“何度も会話を重ねた”とした上で、関係構築に“時間がかかる”ことは認識していると述べた。
ジャクソンについて「彼との関係を深めるのがとにかく楽しみだ」と語ったミンターはこう続けている。
「彼が最高の状態になれるよう手助けし、彼が活躍できるチームのアイデンティティを築く。彼はすでに一流選手――ナショナル・フットボール・リーグで最高の選手――であることを証明している。彼を中心にチームを構築すれば、再びスーパーボウルをボルティモアにもたらすという究極の目標を達成できるだろう」
ミンターはレイブンズのスター選手との関係構築を目指しているが、レイブンズに迎えられた最大の理由は守備面の専門性にある。
2025年シーズン、ミンターの指揮の下でチャージャーズが許した試合平均得点は20.0点(NFL9位)、トータルヤードは285.2ヤード(5位)だった。その前年はミンターがNFLの守備コーディネーターに就任した初年度だったが、被得点ランキングでトップに輝いている。それ以前、ミンターはジム・ハーボーが指揮を執っていたミシガン大学で守備コーディネーターを務めており、2シーズンにわたる在任期間はカレッジフットボール・プレーオフ・ナショナルチャンピオンシップ制覇という華々しい結果で締めくくられた。
チャージャーズでの実績によって2026年の採用サイクルで注目を集めたミンターは、レイブンズの他にアトランタ・ファルコンズ、クリーブランド・ブラウンズ、ラスベガス・レイダース、マイアミ・ドルフィンズ、ピッツバーグ・スティーラーズ、テネシー・タイタンズとの面談も受けた。
今後も守備のプレーコールを担当するつもりだと明かしたミンターは、新任ヘッドコーチでもその任務に対応できる自信があると話している。
ミンターはプレーコールについて「それが私の強みだと思う」とコメント。
「それこそが今の立場を手に入れた理由の1つだと思う。リーダーシップの資質もそうだ。試合のプレーコールに備えるために必要なことをするプロセスは本当に優れていると思うし、ヘッドコーチとしてチーム全体に影響を与える能力もあると思っている」
レイブンズは全体的に負傷者が相次ぎ、ディフェンスも通常の高い水準に達しなかった激動のシーズンを終えたばかりだ。しかし、レイブンズには攻撃陣と同様に守備陣にも優秀な選手がそろっている。その筆頭となるのはラインバッカー(LB)ロクアン・スミスだ。また、セーフティ(S)カイル・ハミルトンもフィールドのあらゆる場所で活躍するユニークなプレーメーカーとして存在感を示している。
チャージャーズ時代にプロボウル選出経歴を持つSダーウィン・ジェームズを指導していたミンターは、同じタイプのハミルトンを指導することについて質問された際、興奮に満ちた表情を見せながら次のように語った。
「カイルは武器だ。ポジションにとらわれない守備選手で、守備の武器と呼べる存在だ。カイルのような選手をできる限り攻撃の起点に近い位置でプレーさせることこそ、戦術設計者やプレーコール担当者の目指すべきことだ。カイルと仕事ができることにこれ以上ないほど興奮している」
ミンターのスタッフには補充が必要なポジションがまだ残っており、具体的には攻撃コーディネーター(OC)と守備コーディネーター(DC)が決まっていない状況だ。まだ準備は整っていないものの、そう遠くないうちに新たな採用を発表する見込みだとミンターは示唆している。
「どちらの選考も順調で、かなり進んでいると言える」と明かしたミンターはこうつけ加えた。
「私が求めているのは、リーダーシップを発揮して人とつながり、関係構築能力や戦術面の専門知識を持つ人物だ。しかし最も重要なのは、選手たちと深く関わって強い関係を築こうとする姿勢を持ち、選手たちから信頼されることだ」
レイブンズの新たな出発に向けた準備は、ミンターとジェネラルマネジャー(GM)エリック・デコスタが共同で進めていくことになる。デコスタGMは木曜日の記者会見でミンターの隣に座っていた。
新HCへの期待感を示したデコスタGMは、対面での面談時にミンターに“圧倒され”、アシスタントを務めていた2017年当時の印象はすぐに払拭されたと述べた。
だからこそ、レイブンズはハーボーと同様に長期にわたって指揮を執り続けることができる新たなコーチを獲得したと確信している。
デコスタGMは「スティーブ(ビスシオッティ、オーナー)は数週間前、18年間在籍する次のコーチを見つけるという課題を私たちに与えた。その仕事を果たせれば、私の役目は終わりだろう」と述べ、次のように続けた。
「ジェシー・ミンターが次のフットボールコーチにふさわしい人物だということは、すぐに明らかになった。ジェシーはスマートで、リーダーシップがあり、謙虚さも持ち合わせ、問題解決能力があり、戦術家としても優秀だ。彼が率いる守備陣のプレーを見るのは楽しかった。下積み時代を経て今の地位にのぼりつめたのは素晴らしいことだと思う」
【RA】



































