ペイトリオッツの選手たちがスーパーボウル進出に向けて“基準”を確立したブラベルHCを称賛
2026年02月04日(水) 13:54
ニューイングランド・ペイトリオッツがヘッドコーチ(HC)マイク・ブラベルの下で急速に状況を好転させたことは、映画のような展開だと言え、それがペイトリオッツを6年間のブランクを経て再びスーパーボウルに導いた。
ペイトリオッツは現地8日(日)に行われる第60回スーパーボウルでシアトル・シーホークスと対戦する。そこに到達するまでの変革を短期間で達成するためなら、どのフランチャイズも莫大な費用を払うだろう。しかし、ペイトリオッツの主要メンバーによれば、そのコストは予想よりずっと低かったという。実際、スーパーボウル級のチームを構築するのに必要だったのは、ロースター構築に対する戦略的なアプローチだけだった。
ブラベルは第60回スーパーボウルのオープニングナイトで「フリーエージェンシーを見るときは、適切な人材を獲得する必要がある。才能はもちろん必要だが、適切な人材を獲得しなければならない。つまり適切な資質を備え、根本的にしっかりし、優れた素質を持つ者だ。それが時にフリーエージェンシーで直面する課題であり、私たちは獲得したい選手や迎え入れたい選手のタイプを、とても意図的に選んでいたと思う」と述べた。
「そのあとドラフトで補強した。ドラフトでは本当に優秀な選手を獲得したし、残っていた選手も加わった。つまり、彼らは早い段階からチームとして結束することを誓い、そのプロセスは今も続いている」
その発言を聞いたペイトリオッツファンは、昔の手法にそっくりだと思うはずだ。実際、それはビル・ベリチックが20年以上にわたり王朝を築いた手法と似ている。それは、単に才能のある選手を求めるのではなく、チームの型に合う選手を選ぶ方法だ。
優秀なロースターを構築するのは素晴らしいことだが、それだけでは不十分であり、ペイトリオッツではもう一つの重要な要素が作用している。それは、困難を乗り越えてロンバルディトロフィーへと導くのに完璧な(そしておそらく唯一無二の)資質を持つコーチによるトップダウンのリーダーシップだ。
第60回スーパーボウルのオープニングナイトで、ラインバッカー(LB)ハロルド・ランドリーはブラベルについて「彼は初日からその基準、その文化を設定したんだ」と話している。
「そして、そのメッセージを実現するための仲間を連れてきた。ブラベルはそのすべての最前線にいる」
「彼はここで選手として結果を出した人だから、みんなからすごく尊敬されている。俺たちが経験していることを理解しているから、彼の言葉は本物なんだ。分かるだろ。彼自身が実際に経験してきたからな」
ブラベルが2000年代に選手として3度のスーパーボウル制覇を共に経験したチームにコーチとして戻ってきたことは、それ自体が物語のような出来事だった。それはペイトリオッツのロースター形成においても重要なことであり、ブラベルが引き入れることができた選手たちこそが決定的な役割を果たしてきた。
すぐに思い浮かぶ名前がいくつかある。かつてテネシー・タイタンズに所属していたランドリーやLBロバート・スピレイン。ジャクソンビル・ジャガーズから2020年ドラフト1巡目指名を受けたLBケイラボン・チェイソンや実績のあるベテランコーナーバック(CB)カールトン・デービス。そこに、ディフェンシブタックル(DT)キルス・トンガやフリーエージェント(FA)として大型契約を結んだディフェンシブエンド(DE)ミルトン・ウィリアムズが加わると、全容が明らかになってくる。経歴はそれぞれ異なるが、彼らは全員ブラベルの下でプレーしたいと考えていた。
ランドリーは「ロッカールームにただ優秀なだけじゃなくて、人としても良い選手が集まるように、彼らは本当にうまくやってくれたと思う」とコメント。
「エゴがなくて自己中心的じゃないヤツらがロッカールームに集まれば、一緒に練習を重ねれば重ねるほど絆が深まる。シーズン序盤に何度か負けを経験したことも、チームの結束力を強めることにつながった。みんなで支え合い、ひたすら努力を続け、一貫性を保ち、自分たちの在り方ややり方を信じ続けた。その結果、俺たちはシーズンが進むにつれて自然と結束を強めていったんだと思う」
「彼がここにいなかったら、俺もここにいなかっただろう。彼が俺のコーチで、ニューイングランド・ペイトリオッツのコーチであることに心から感謝している。彼ほど優れた指導者はいないと思っているから、彼の下でプレーできることに本当に感謝している」
スピレインの場合を考えてみよう。ミッドアメリカン・カンファレンス出身のスピレインは2018年にドラフト外フリーエージェントとしてブラベルがヘッドコーチを務めていたタイタンズに入団したものの、10月末にはウェイバーにかけられてしまった。その後はピッツバーグ・スティーラーズやラスベガス・レイダースを渡り歩くなど、不安定な道のりを歩んできたが、ニューイングランドでブラベルと再会できる機会を得ると、迷わずに飛びついた。
スピレインだけがそうだったわけではない。
第60回スーパーボウルのオープニングナイトでスピレインは「信じられないような経緯でここに来た選手がたくさんいる。それがこのチームの核であり、守備陣、そしてチーム全体の基盤なんだ。困難や苦しい時期を乗り越え、それぞれの方法で逆境を克服してきた連中が集まっている。みんなが共通して逆境を経験してきたことを学んでいるんだ。このチームの一員でいられること自体が、選手としての俺にとって本当に特別なことだ」と語った。
その結果は歴史的とは言わないまでも、驚くべきものだった。ジャガーズ時代に期待外れと見なされていたチェイソンは、キャリア最高のシーズンを送り、第60回スーパーボウル後には間違いなく高額契約を手に入れるだろう。1年前にフィラデルフィア・イーグルスの一員として第59回スーパーボウル制覇を経験したウィリアムズは、3月に結んだ大型契約に見合う活躍を見せ、再びスーパーボウルの舞台に立つことになった。シーズン終盤の負傷から復帰したスピレインは、かつてペイトリオッツでプレーしていたブラベルが示していたような、屈強で恐れ知らずのラインバッカーとしての役割を果たしている。また、2025年初頭にコスト削減を理由にタイタンズから放出されたランドリーは、生産性の高いディフェンダーとしての評価を取り戻した。
すべての選手がそれぞれポストシーズンの快進撃に貢献している。8月の時点では、スーパーボウル出場など想像すらできないと大半の人が考えていたはずだ。すべては、初日から実現可能だと選手たちに信じ込ませたコーチの手腕に端を発している。
ブラベルがペイトリオッツで成功の基準を打ち立てるのにどれくらいの時間がかかったかと質問されたランドリーは「マジな話、あっという間だった」と答えた。
「正直に言うと、OTA(チーム合同練習)の頃だと思う。みんながあれほど早く考えをひとつにしたのは本当にすごいよ。うちのロッカールームみたいに、才能があるだけじゃなく、全員が同じ目標に向かって一致団結している集団なら、何だって起こり得る。実際にそうだろ」
ペイトリオッツの選手たちは皆、同じ結論に至っているようだ。誰も予想していなかったダークホースとして、ブラベルから寄せられた期待に応え、コーチの姿勢にならい、シーズンが進むにつれて結束を強めてきた。ペイトリオッツは2025年のシーズンにおける危機的状況――LBクリスチャン・エリスが火曜日に挙げたシーズン第3週のピッツバーグ・スティーラーズ戦での“少し堪えた”敗北や、CBマーカス・ジョーンズが月曜日に指摘したシーズン第15週のバッファロー・ビルズ戦での崩壊と敗北――を例に挙げ、それがかえってチームの結束を強め、プレーオフの厳しさに備える糧になったと振り返るだろう。
雨でもみぞれでも雪でも、ペイトリオッツはどんな状況でも勝ち続けてきた。
ペイトリオッツの成功に特別な秘訣はない。少なくとも、選手たちが語る限りではそうだ。彼らはただコーチの指示に従って細部にこだわり、仲間のために全力を尽くすというフットボールの最も基本的な姿勢を貫きプレーを実行してきた。
ウィリアムズは第60回スーパーボウルのオープニングナイトで「大勢の選手やコーチングスタッフ、さまざまなメンバーを集めたにもかかわらず、俺たちは初日から毎週のように絆を深めてきた」と話し、こう続けている。
「施設の外でも食事に行ったり、ビデオゲームをしたり、一緒に映像と見たり、そう言うことをしてきた。1年をかけて兄弟のような絆を築いてきたことが、俺たちをこの場所に導いてくれた」
スーパーボウルはこのチームが現在の体制で経験したことのない舞台だ。6年という時間は短く感じられるかもしれないが、ペイトリオッツが最後にスーパーボウルに出場した2018年シーズンに所属していた選手は、1人も残っていない。それでも、このチームは事の重大さに動じていないようだ。そもそも、最大の舞台で戦うために必要なことをすべて教えてくれるコーチがいる彼らには、動揺する必要などない。
さらに、ブラベルが初日から伝えていたように、重要なのは結果よりもプロセスそのものだ。
エリスはブラベルが最初に選手に伝えたメッセージについて「その日にいきなりスーパーボウルで勝つんじゃない。1日ずつ積み重ねていくものなんだ」とコメントした。
最も重要なその日は日曜日にやって来る。
【RA】



































